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忘れられがちだけど初代『ストリートファイター』はとても凄いゲームだった

ストリートファイターという対戦格闘ゲームがある。その歴史は古いもので、最初のがゲームセンターに登場したのが1987年だった。僕とストリートファイターの関わりも長くて、この最初のやつがゲームセンターに登場した頃から遊んでいた。なにしろ30年前だから僕は小学校6年生くらいだったと思う。たしかにそんな頃だった。小学生だと自分でゲームセンターに行くのはなかなか厳しかったけれど(だいたい親に連れていってもらっていた)、中学生にもなると行動範囲も広がって自発的にゲーセンに足を運ぶようになる。

 

ストリートファイターはその続編、いわゆる「スト2」が登場して爆発的にブームになっていったのはご存知かと思う。これが登場するのが1991年だから、実は続編の登場まで4年もかかっていて、意外に初代ストリートファイターの時代が長く続いていた……わけではない。

 

単純にあまり人気がなくて、カプコンがなかなかバージョンアップ版を出そうと思わなかっただけだ。

 

まあ、それも厳密にはちょっと正確な説明ではなくて、いちおうバージョンアップ版みたいなのも出るには出た。それには初代ストリートファイターの特殊なゲーム性から順番に説明せねばなるまい。

 

初代ストリートファイターの最大のウリは、波動拳や昇竜拳といった革命的なコマンド式の必殺技だったとされている。たしかにそれは間違いじゃないのだけど、それらは「あくまで後の目からみた場合の革命性」であって、当時のカプコンが考えていた最大のセールスポイントそんな部分ではなかったりする。

 

強い力で殴れば殴るほど、それに応じた強いパンチやキックが出るという感圧式のボタン!
『ストリートファイター』というゲームはそんな特殊装置と連動して産み出されたゲームだった!

 

初代の筐体(テーブルではなくアップライト式しかなかった)には、レバーと、どでかいパンチボタンとキックボタンが、それぞれ一つづつ付いていた。当時よくあったワンレバー、2ボタンね。ただしボタンは超デカいゴムに包まれた特殊タイプ。

 

これがどう特殊かというと、例えばただ漫然とパンチボタンをヘコっと押しただけだと、今で言う小パンチが出るだけだ。それなりに強く叩くと中パンチ。おもいっくそ叩くと大パンチになった。

 

つまり、相手を強く殴りたければ、プレイヤーもそのぶんスタミナを消費してボタンを叩きなさいという、現実連動型システムがストリートファイターというゲームの趣旨だったのだ。だから基本的には、大パンチと大キックがゲーム中における最強の技なんであるが、かわりに無茶苦茶疲れるゲームでもあった。

 

ラスボスのサガットまで10人の敵を倒すまでやるとヘトヘトになる。本当に身体をはったゲームといえた。当時のゲーセンには、実際に腕相撲をやる腕相撲ゲームとか、実際に拳を振り回すボクシングゲームがあったけど、いってみればその類のゲームに近かった。

 

ただしこのゲームには、別の隠し要素があった。最初にも述べたが、いわゆる波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚だ。

 

これらは当時は隠し必殺技という扱いで、出し方などはゲーム台には一切表記されていなかった。しかしそれだけに破壊力は絶大で、波動拳や竜巻旋風脚が3発当たると相手は死んだ。昇竜拳に至っては連続ヒットすると一撃で相手を沈めることすらあった。出せればほぼ勝ち。何より素晴らしいのは、これら必殺技はボタンの強弱に依存しなかったこと。最大の破壊力をもつにもかかわらず、ぜんぜん疲れなかったのだ!

 

この3つの必殺技の存在は、完全に本来のゲームの趣旨というかバランスを破壊していた。だけど、プレイヤーたちは「いかにボタンを叩く体力をやりくりして敵を倒すか」ということよりも、「いかに必殺技コマンドをミスなく素早く完成させ続けるか」を競うゲームだと了解して遊び続けたのだった。

 

実際、開幕から波動拳を三連発して、コンピュータを完封したときの気持ち良さったらなかったのだ。そんなに大ヒットしたゲームではないけど、そこそこ人気があり長く遊ばれたのは、波動拳とか昇竜拳といったアイデアが目新しかったからもある。

 

僕がこのゲームをプレイしたいと思ったきっかけは、今でもはっきりと覚えている。当時、購読していた、マイコンBASICマガジン誌(通称ベーマガ)で、ストリートファイターの紹介記事があって、なんとそこに、波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚の出し方が説明されていたからだ。いわばインストカードにも記載されていない秘技中の秘技を、雑誌を読んだ僕は簡単に知ることが出来たわけだ。

 

しかも、敵キャラ別の攻略記事の方を読むと、「この敵は波動拳で倒せ」「竜巻旋風脚で死ぬ」「昇竜拳でオーケー」みたいな羅列になっているのだった。

 

つまりこの3つの必殺技は本当の意味で必殺技であって、それを見つけるまでがゲームの攻略ともいえるものであって、雑誌を読むことによって必殺技の出し方を知ってしまった人間にとっては、全面クリアーまでが保証されたようなもんらしい。

 

まあ簡単に言えば、労せず最強から始められるということでもある。こんな美味しい情報を知ってしまったからには、やってみたくなるのが人情というものだろう。それから僕のストリートファイター探しが始まった。

 

最初に説明した通り、特殊な筐体を使うのと、大ヒットというようなゲームでもなかったので、置いているゲームセンターは限られていた。だから発見するのまでにはけっこう手間取った記憶がある。

 

ようやく巡り会えた『ストリートファイター』。どこで出会ったかはあんまり覚えてなかったけど、普段行かないいくつかのゲームセンターにそれはあった。波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚という最強技さえ知っていれはオールクリアーが約束されたゲーム。これが僕を最強の格闘家にしてくれるゲームなのかと興奮した!

 

しかし実際プレイすると、そんな甘い考えは微塵に打ち砕かれることになる。もちろん波動拳さえ出しておけばオーケーだという攻略記事は間違ってはなかった。波動拳さえ出せれば……。

 

初代ストリートファイターにおける波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚のそれぞれの出し方。2016年に発売されたシリーズ最新作の『ストリートファイターV(ファイブ)』に至るまで、コマンド自体は全く変わってない。波動拳なら、レバーを下、右下、右に入れてから、パンチボタンで出る。……はずだった。雑誌にもそう書いてあった。

 

なのに、出ない!まったく出なかった!なんだこれ!?

 

当時コマンド必殺技なんてもんは、人類の誰もが初体験だったから、タイミングとかコツとか全くわからなかったのも、かなり大きいとは思うが、それにしたって初代ストリートファイターの波動拳はシビアな入力を要求された。昨今のコマンド必殺技に慣れた人でも出ないと思う。

 

出ねえ!出ねえ!と何回もゲームをやり続けて、ようやく偶然のように波動拳がボッ!と出た時の嬉しさったらなかった。波動拳でこれだけ難しいのだから、昇竜拳なんてとんでもない話だった。昇竜拳で華麗にサガットを倒しているプレイヤーが神に見えたほど。

 

ようやく波動拳を「それなりに」撃てるようになって、なんとかラスボスのサガットを倒してゲームクリアにこぎつけるまで、かなりのコインを費やした。いきなり最強モードから始められる!という期待は裏切られたけれど、気がついたらストリートファイターの魅力(というかコマンド必殺技をマスターする魅力)にどっぷり浸っていた。

 

そんな感じで、当時のプレイヤーが感じたストリートファイターの魅力というのは、必殺技コマンドの熟練度に応じて敵を粉砕できることであって、ボタンの強弱で破壊力のある攻撃が出せるなんてのは、ただ疲れるだけの無意味なギミックでしかなかった。

 

カプコンにもプレイヤーからのフィードバックがあったのだと思う。だったら死に要素になっている感圧式ボタンを廃止して、よりコマンド必殺技の完成だけに集中出来るバージョンを出せば良いのでは?というか専用筐体でしか売れないのは損じゃ無い?

 

というわけで登場したのが、普通のテーブル筐体でプレイ可能な、6ボタン式の微妙なニューバージョンのストリートファイターである。後のスト2のスタイルが完成した瞬間である。

 

これは、専用の筐体を導入しなくても良いということで、アップライト式のストリートファイターよりも多くのゲームセンターに配置された。そして地味にプレイされ続けた。この下地は後のスト2の開発にとっても、たいへんに大きかったと思う。

 

裏技的隠し要素が、ゲームの新たな面白さを開拓してしまった。そして死に要素になった感圧式ボタンを再現するために、場当たり的ともいえる判断で、6ボタンという化物的なコンパネ(当時のゲームはせいぜい3ボタンまでだった)になったわけだけど、これは初代ストリートファイターにおいては、ほとんどゲーム性に影響を与えてなかった。

 

はっきりいって必殺技を出すか出さないかしかないゲームなんで、パンチやキックがそれぞれ3種類もある必要性はなかったのだ。通常技を出すにしたって、疲れるというリスクがなく出せる大攻撃だけで、ほとんどの場合こと足りた。

 

6ボタンバージョンの小中のボタンは死にボタンに近かった。厳密にいえば、後のスト2と同じく、小攻撃は連打可能とかはあったけど、実際のゲームの攻防では意味が無いに等しかった。体力がゼロになるまでダウンもしないゲームだったし。

 

そんな感じで、初代では漠然と並べてあっただけの6つのボタンに、それぞれ対空だとか足払いだとかの意味を持たせてやろうという思考が、後のスト2のベースになっていたのは間違いない。

 

怪我の功名というか、4年前に出た小ヒットゲームの魅力と問題点を徹底的に洗い出して、突き詰めて突き詰めて作られたのがスト2だったというのが本当によくわかる。

 

スト2が発売されると知った時の嬉しさったら無かった。「あれだけ修行した波動拳や昇竜拳!またその腕前を披露する場が与えられるとは!」。

 

実際はスト2の波動拳とか昇竜拳はすごく簡単になっていて、スト2から始めた人でもバンバン出せていた。リュウケン以外に6キャラもいたし、ゲーム性もだいぶ変わったせいで、ストリートファイターから遊んでいたプレイヤーにアドバンテージというのは無いに等しかった。

 

スト2というゲームは、必殺技コマンドを完成させれば勝てる、などという単純な次元からはとっくに脱却していて、各技の出しどころのセンスを問われる高度なゲームに変化していた。1991年のスト2から、2016年のスト5に至る25年にわたって、この基本的な部分はなにも変わってない。それだけにスト1からスト2の進化は凄まじいものがあったと言える。

 

でも、最初の感圧式アップライト筐体のストリートファイターから、いきなりあのスト2は生まれなかったのではないかとも思う。当時のカプコンの誰の意見だかは知らないけど、アップライト筐体のストリートファイターを、無理矢理ともいえる6ボタンテーブル式にバージョンアップした力技の発想は地味にすごい。

 

普通ならば「あまりヒットしなかったなあ」でなんとなく終わってたはずだ。そうなってたら後のスト2ブームもなかった可能性すらある。だから格闘ゲーム史の中ではあまり語られない初代ストリートファイターだけど、たまには思い出して欲しい気持ちはある。

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さて、そんな初代『ストリートファイター』の魅力のうちで、現代まで引き継がれているものといえば、登場キャラクターの素晴らしさもあった。

 

ストリートファイター2のキャラの素晴らしさばかりクローズアップされるが、そのうちの主人公であるリュウとケン、そしてボスキャラのサガットの3人は、初代から引き続いての登場であることは見逃せない事実だ。

 

まず、今でもカプコンを代表するキャラクターとして君臨するリュウ。世界中を旅して、様々な国の格闘家と勝負を繰り広げる日系人(初代ではなんか英語しか喋らなかったから日本人なのかどうかよくわからなかったけど)。

 

何度もいうが、彼の代名詞である波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚は、初代から延々と続く伝統である。空手の道着みたいなのは着ているが、指割れグローブにカンフー靴、そしてハチマキを装着という総合格闘技っぽさ。人知を超えた波動拳みたいな技まで使いこなす無敵っぷり。ストーリーらしきものは無いゲームだったけれど、リュウという奴がとんでもない男であるのは誰でも理解できた。主人公としては申し分なし。

 

そして2Pキャラであるケンも最高だった。リュウと全く同じ能力を身につけている上に、なぜか金髪!金髪に赤い空手着!そしてなんと裸足!こいつもただモンじゃないのは間違いがない。ストーリーとか全くわからんかったけど、リュウとケンをめぐるドラマが次々と頭に浮かぶようだ。努力型主人公に対する天才ライバルみたいなアレやと勝手に思ってたら、スト2ではまんまそんな感じやったので深く頷くしかなかった。そして2においては、なぜかリュウもケンの真似をして裸足になっていた。

 

そしてサガット。ラスボスとしての説得力の塊だった。なんせリュウとケンしか使えないと思っていた無敵の波動拳に対して、タイガーショットという波動拳をも上回る必殺技を持ってたのだ。「まさか!」である。こいつと戦うときは、波動拳の連発だけでは負けてしまうことも多いのだ。もうこうなったら、一か八か激ムズの昇竜拳を繰り出して打ち破るしかない!このゲームのラスボスにふさわしい完璧なデザインといえた。スト2でサガットに再会した時に、昇竜拳にやられた傷跡が残ってたのには、スト1からのファンにとってはものすごい納得したはずだ。そしてタイガーショットはしゃがめばかわせるという唯一のスキをなくすために、下タイガーを習得していたり、タイガーアッパーカットで昇竜拳への対抗をしてきたことに、ひどく感動したものだ。

 

あと、ゲンという中国拳法の達人も素晴らしかった。通称「ゲンキック」と呼ばれる地面に手をついて蹴り出すキックの破壊力が凄くて印象に残る。どういうわけか2では春麗という中国拳法を使う女性キャラがこの技を習得しており、スト1ファンを無駄に唸らせた。スト1というのは、女性キャラというのが全くいないストイックさもあったから、スト2に春麗が出てきた時は心底びっくりした。

 

四天王のマイクバイソンが登場したときは、アメリカステージの黒人ボクサーのマイクを連想した。マイクは波動拳に全く対抗できないキャラだったが、スト2のマイクバイソンも波動拳やソニックブームには極端に弱かったのも良かった。

 

ストリートファイターシリーズが進むにつれて、初代ストリートファイター12キャラのうちのリュウ、ケン、サガット、ゲン、アドン、バーディー、イーグルの7キャラは再登場してるのでキャラ立ちとしてはかなり優秀だ。

 

マイクの黒人ボクシングキャラ、激の忍者キャラというコンセプトも、後に登場する色々のキャラに引き継がれている。そして忘れてはいけないのは、激は鉤爪を使うキャラでもあったこと。これはバルログの原型でもあったと思う。そういえばバルログの必殺技はイズナドロップ。これは白土三平の忍者漫画の主人公カムイの必殺技である「飯綱落とし」から来ていた。つまりスペイン忍者という発想だったのだろう。

 

やっぱり初代ストリートファイターは凄いゲームだったのだ。荒削りではあったけど。今プレイしても意外と面白かったりする。ほんとほんと。昇竜拳のコマンド受付のシビアさと、出た時の強さに悶絶して欲しい。

 

とはいえ、日本では『ストリートファイター』の家庭用移植版といえば、PCエンジンのCDROM^2版でしか出て無かったりする。それなりのキラータイトル扱いではあったけど、どれだけの人がプレイしたことか。当時もっとも普及していたファミコンなんかでは、とうてい再現しえないグラフィックとサウンドだったのが災いした。

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ストリートファイターの波動拳や昇竜拳が超絶威力な理由をいまさら説明!

 

スト2が発売した時に、初代からのストリートファイターファンが驚愕したこと。

 

「波動拳あてても全然減らねえ~」だった。

 

あの3発当てれば死亡の波動拳、そして超絶威力を誇ったはずの昇竜拳ですら、ものすごいマイルドな技になっていた。波動拳や昇竜拳はなぜ弱くなったのか!?しかし実はあまり弱くなっていかなかったとしたら!?

 

ご存知、スト2の各キャラクターの体力値は144である。それに対して初代ストリートファイターの各キャラクターの体力値はわずか48だった!!!つまりスト2になってみんな3倍くらいタフになっていたということだ!!!

 

たった48しか体力が無いのであるから波動拳3発で死ぬのも、しょうがないことなのかもしれない…。(スト2では根性値なども設定されているので単純比較は出来ないけれど)

 

 

ハイパーストリートファイターII カプコレ

ハイパーストリートファイターII カプコレ

 

スト2シリーズの現時点での総決算。もちろんスト1のキャラは含まれない。

 

ストリートファイターV - PS4

ストリートファイターV - PS4

 

現時点でのストリートファイターシリーズ最新作。リュウ、ケン、サガット(参戦予定)健在。

 

アニバーサリーコレクション!スト1がついに家庭用で正式に遊べることに!

 

スト2ターボやスパ2XやZERO3や3rdのネット対戦やトレモも搭載されておるのでストリートファイターファンは買うしかない!

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