40男なので、フラッペというものが嫌いだ。
嫌いだからそもそもフラッペにはあまり親しんでこなかったので、世の中にどんなフラッペが存在するかもあまり良くわかっていない。食わず嫌いといってもよい。
「フラッペ」という語感がなんだか薄っぺらいものを連想させて鼻につくのだろう。素直に「かき氷」と言えばよいのに、何を勘違いしたのか「フラッペ」とか言い出した輩が悪いのである。厳密には「かき氷」と「フラッペ」は別物のはずだ。「かき氷」には「かき氷」の良さがあるはずだし、「フラッペ」には「フラッペ」の良さがあるのである。「フラッペ」をあまり食べてないからそんなよく知らんけど。
そういえば子供のころに、コーラとかメロンソーダとかを、シャリシャリに凍らせて提供する飲み物があった。フローズンとかいう名前だった。ストローに詰まるのでひたすら飲みにくかった。あれはフラッペとは関係ないのだろうか。
そんな見識の40男が、ファミマの「チョコミントフラッペ」に手を出してしまったのは、チョコミントが好きすぎるからだ。そのためだけの目的でファミマに寄ってしまったくらい好きなのだ。あれほど忌み嫌う「フラッペ」を。
「ファミマにチョコミントのフラッペが出たでー」みたいなTwitterを見かけて、いそいそとファミマに出かけていった。そしていつもは100円とかのアイスコーヒーを買う時に物色する冷凍食品のケースの中にそいつを見つけた。
コンビニのアイスコーヒーというものは、氷の入ったカップをレジに持っていって、支払いを済ませた後に、セルフで器械からコーヒーを注ぐようになっている。こいつの場合は、カップにチョコミント味のかき氷?みたいなのが詰まっている状態で売られていて、それをやはりレジに持っていき支払いを済ませた後に、コーヒーの器械からミルクのボタンを探し当てて押すことによって「チョコミントフラッペ」なるものが完成するらしい。
チョコミントフラッペのフラッペ成分にミルクを注ぐところ。
中央に穴が空いているのでそこに注げば良いのかと思いきや「よく揉んでから注いでくれ」という注意書きがあったので適当にもんでひび割れさせておいた。どの程度揉むのが正解なのかは、初回なのでいまいちよくわからない。要は混ざれば良いわけで、もし段取りが悪かったとしても、後で挽回できるはずだ。
というわけでスイッチを入れると、コーヒーフレッシュぽいミルクがジョロジョロと注がれてきた。あんまり量は無い。フラッペ成分を溶かすだけなのでこんなもんで良いのだろう。ファミマのフラッペにトライするのは初めての40男なのでわからないことだらけである。いつもはアイスコーヒーを飲むだけだ。
かき混ぜたところ。程よく混ざっていると思われる。
フラッペとは、ぶっといストローでいただくものらしい。このような太いストローはなかなか普段は使わない。キン肉マンに出てきたミスターカーメンのミイラパッケージを思い出す。そういえばタピオカドリンクなんかいうのをいただくときは、ストローが詰まらないように、やはりミスターカーメンのストローだった気がするが、自分でタピオカドリンクなんて買ったことはない。かつてのフローズンにもこういうぶっといストローがあればストレスフリーだったのに……。
さて、ファミマのチョコミントフラッペの味であるが、見事にチョコミントアイスの味がする。それでいて、ぜんぜん甘くない。普段のチョコミントアイスは、アイスクリーム成分が甘いのでかなり濃厚な甘さなのだけど、チョコミントフラッペはフラッペいうだけあって氷が主成分なので薄味になってしまうのだろう。これでミルクが甘ければそれなりなのだろうけど、機械から注がれるミルクもとくべつ砂糖とか入ったものでは無いみたいだ。だからミントフレーバーにも砂糖が多少は含まれているにせよ、基本的には混ざっているチョコレート片の甘さくらいしか感じない。
これを良しとするか、物足りないとするかは人それぞれ、その日の体調にもよると思う。なにしろ40男なので、間違っても「甘すぎなくて美味しい~」などという意味不明のコメントはしない。「甘いものは甘く!」「辛いものは辛く!」という明快なコンセプトが40男にはある。40男がチョコミントのお菓子に求めているのは、ミントの爽快さと、チョコレートのしっかりとした甘さと、鮮やかなグリーンの物体であることだ。その点でおいては甘みの点ではちょっと物足りないが、あえて甘みをつけてないと解釈すればそれなりに評価はしたい。
この日は「そんな甘いものを求めてないな~」という気分だったので、ファミマのチョコミントフラッペはそこそこの甘みだったので飲みやすかった。「そんな甘いものを求めてないな~」という日には最適なチョコミントかもしれない。なにしろ氷が主体であるし。
そして甘みをつけてないことを評価したい点は、ファミマのコーヒーを入れる機械のところには、ガムシロップや砂糖類など、甘みを添加するものに事欠かないことによる。
そう、つまりチョコミントフラッペというのは、甘みを後でいくらでも足せるのである。通常のチョコミントフラッペはコーヒーでいえばブラックみたいなものだと解釈する。ベタべタに甘いのこそがチョコミントだ!と信じている原理主義者はいくらでもシロップや砂糖を足せばよろしい。ファミマのコーヒーコーナーには、バニラシュガーやキャラメルシュガーなんてものまで置いている。なんだか楽しくなってきた。
そしてもうひとつポイントが高いのは、最近のファミマのイートインコーナーの充実ぶりである。他地域ではどうかわからないけれど、大阪市内で僕が足を運ぶファミマには、2Fがまるまるイートインコーナーになっているなんて店舗がいくつかあるので、喫茶店なんかを使うよりも安価に休憩が可能なのだ。今まではなんとなくアイスコーヒーを飲んだり、たまにビールを飲んだり(ファミマは酒が飲める)するくらいしかすることが無かった。これからしばらくはチョコミントフラッペという選択肢が40男に与えられる。ちょっとうれしいかもしれない。
ちなみにチョコミントフラッペには、リッチフラッペストロベリーという相方が存在する。チョコミントフラッペはチョコミントフラッペでしかないのに、ストロベリーはリッチフラッペ!何がリッチかというとチョコミントフラッペ290円に対して、ストロベリーは330円と40円もお高い。どこかしらリッチなのだろう。そして単なるカフェフラッペは270円であるので、それに比較すると、チョコミントフラッペも20円だけ高級志向である。カフェフラッペもぜひシロップをたっぷり入れてベタベタにして楽しんでもらいたい。
40男にとっては、チョコミントフラッペだけが興味の対象なので、リッチフラッペだのカフェフラッペだのは紹介しない。イチゴやコーヒーが好きな人は勝手に飲んで欲しい。
最後に、ファミマのチョコミントフラッペが、フラッペ的にどのくらいの位置なのかはちょっとわからない。なにしろフラッペ経験が少ないのだ。だけど今まで食べた(?)飲んだ(?)フラッペの中では、いちばん美味しかった気がする。あとはチョコレートがもう少したっぷりはいっていれば……。