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日本で唯一のモンゴリアンバーベキューの店だったジンギスカンの閉店前にぎりぎり滑り込んだ話!?

前回の記事で米八そばを紹介したが、なんであのとき米八そばで、沖縄そばを大盛りにしなかったのかというと、このあとに行く予定だったお店のせいなのだった。

 

それは日本で唯一のモンゴリアンバーベキューを食わせてくれるお店ジンギスカンだ。そしてこのジンギスカンは44年の歴史に幕を閉じてしまった。閉店する前に一度でも行きたい!という思いだけで僕は沖縄行きの切符をとっていた。

 

この機会を逃せば、モンゴリアンバーベキューを食べるためには、本場の台湾まで行く必要が出てくる。台湾に行くのと沖縄に行くのとは、LCC時代としては、実はそんなに変わらんかもしれんが、お店自体も歴史あるお店ですし、行っておいたほうが間違いなかろう。ちなみにモンゴリアンバーベキューは、台湾から世界中に広まっていて、海外ではあちこちの国にあるらしい。アメリカでも定着しているらしい。なんで日本では沖縄のこの店1軒だけなのか。こういうあたりが日本ならではの怖さだったりする。

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北谷町のモンゴリアンバーベキュー・ジンギスカン。初めてやってきた。そして最後だ。ほんとに何もない住宅地の真っ只中にある。車かバスでしか絶対に来れないが、駐車場としては店の前に3台くらいが限界っぽい。口開けに行ったので、まだ誰もお客さんはいなかったので駐車できた。席数を考えると、近所に路駐は当たり前みたいになるのは誰でもわかる。昨今はそのへんの苦情がひどかったという話だ。店主も高齢だし、それもあっての閉店のようだ。香川県讃岐うどん屋を連想させる。

 

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アメリカの古い商店みたい。映画でしかみたことないけれど。あちこちにSALEの張り紙があって、何もかも売りに出している。アメリカの住宅の引っ越し前みたい。これも映画でしか知らんけど。とにかく、ものすごくアメリカナイズされたお店だったというのが伝わってくる。

 

 

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店内で呆然として立ち尽くすタコの卵のてっちゃんを記念撮影。店内もアメリカで、日本語がほとんど書いてない。客の99%は外国人という噂は本当のようだ。この時間、僕らのほかにもちらほらおったけど、日本人ぽいのは1組だけだった。近所のおじいさんだろうか。

 

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これが有名なジンギスカンの丼。使い込まれている。もっと早く来ていれば新品を販売していたらしい。ただ、1400円とかしてたようなので、閉店を知らなければ買って無かった可能性もある。閉店が決まってから飛ぶように売れたとか。そらそうだろう。閉店後は、この使い込まれた丼も売り払われたようだが、もちろん買いに来る事は出来なかった。

 

モンゴリアンバーベキューの醍醐味は、この丼に食材を入れまくって、それを焼いて貰って食べることだ。それを繰り返す事によって満腹になってもらいたいという趣旨のサービス。あんまり良く覚えてないが、1人前1600円とかで、食べ放題にドリンクバー付きだった。350円の海外ビールもあったようだが、閉店が決まってから仕入れてないらしく飲めなかった。

 

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整然と並ぶスライス肉。羊、鶏、牛、豚という鉄板のカルテットだ。豚肉が好きなので、豚肉と羊肉を取りまくっていった。そして野菜も各種揃っている。肉はわかるけど、野菜の盛り付けはどうして良いのかさっぱりわからない部分がある。もやしやキャベツはわかるんだけど、コーンとベビーコーンのどっちが肉炒めの具として好きかとか考えた事がない。焼きそばだったら、どっちも入れないだろうな、ということしか言えない。しかしこれは焼きそばを作る話ではないので、とにかく食べたいと直感で思ったものを投入していくしかない。正解とか無い。しかも焼きそばっぽい麺もおいてあって、投入可能なので余計に話がややこしくなっていくのだ。

 

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食材を盛り付けてから一番難しい部分がこれ。油、ごま油、砂糖水、シュリンプソース、バーベキューソース、醤油、酒と、各種の調味料が揃っており、これまた自分で選んで味付けする。どれが正解とか無い。ぜんぶ正解とか言われて頭おかしくなりそう。セオリーが全くわからない。というか、好きな食材を選んで、好きな調味料を組み合わせるなら、モンゴリアンバーベキューって料理とは一体何なのかわからない。料理ではなく一種の思想とか運動みたいなものなのかも。初見殺しも甚だしい。てっちゃんが先に味付けするのを観察していたが、ご覧の通り麺山盛りで、僕のチョイスと全く違っているので何ら参考にならなかった。

 

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おそるおそるの僕の盛り付けはこれ。全体的におとなしい。最初だから…と言い訳しつつ、感覚で人参と玉葱を入れている。そして茹でた芋。べつに芋が食いたかったわけじゃないのが怖い。むしろ芋なんか食いたくなかったかもしれない。そこに芋があったという理由だけで投入した日和った芋なんである。味付けは、酒と砂糖水と醤油とかいう日本人なら外さないかな?というものにした。量も適当。

 

 

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そんなふうにして盛り付け味付けした丼を、焼台の人にわたすと、フィーリングで炒めてくれる。そして新しい丼に盛り付けて返してくれる。ここがモンゴリアンバーベキュー最大の見せ場だし、焼台の炒め職人が店の花形というわけだ。人によってもちろんセンスも腕前もぜんぜん違うのだと思う。この日のこの時間帯のグリラーたちは、けっこう若そうな人らだった。歴史ある店のわりに、若いグリラーもいたのである。てっちゃんが丼を持って行くと、彼らが「日本人?日本人じゃないでしょ?」とかザワついていたのが妙におかしかった。てっちゃんはそんなに日本人ぽくないのだろうか。

 

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焼いてもらっているあいだに店内をぐるっと見渡す。アメリカのホラー映画に出てくるサイコパスの部屋さながらに写真がびっしり。彼らは被害者とか言うことではなく、モンゴリアンバーベキューのファンたちなのだろう。色あせ具合に歴史を感じる。

 

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計量も出来るようだ。たしかに厳密に味付けする上ではかかせないアイテムだ。そこまで考えてなかった。ひたすら目分量。むちゃくちゃ厳しく味付けしている人もおるんだろう。

 

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炒めてもらったらむちゃくちゃに減っている!予想はしていたが衝撃だった。やはりラーメン二郎なみに盛り付けるべきだったのかもしれない。ちなみに調味料コーナーにはすりおろしにんにくもたっぷりある。唐辛子も。

 

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てっちゃんも減っていた。あれほど二郎の野菜マシマシニンニクカラメみたいになっていた丼が、常識的な肉炒め(もしくは肉だけ焼きそば)みたいなものに。少しいただいてみたがかなり美味しい。これなら全く同じものにしても良かった。

 

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とはいえ、しょうゆ酒に砂糖水(みりんの代わりか)という日本人鉄板味付けも悪くない。ぜんぜん悪くない。食べ放題のライスに合わせて最高なのである。この時点で、けっこう腹具合が満足になってきてるのがヤバいと思ってしまう。

 

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次は麺を中心に盛り付けていくことにする。味付けはてっちゃんに聞いて、ごま油とテリヤキソース中心で。

 

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炒めてもらう待ちのときに、ふと自分の丼が寂しく思えてしまった。他人と比べてどうこうするのをアレほど忌み嫌っていたはずなのに。

 

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それで急遽、あれほど興味のなかったベビーコーンを投入。好きでもないくせに…見栄えで…。

 

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閉店のお知らせは鉄板コーナーの上にあった。僕が生まれた年から営業していたと知る。同い年だったのだ。初めて来る店なのに切なくなる。

 

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僕の見栄のヤングコーンも、肉とは別枠にして器用に炒めてくれる職人たち。食材によって炒め方とか、刻み方とか色々と瞬時に判断して変えてくれるが、どういう基準なのかは一切わからず。自分なりの信念があるとしか。そもそも客がどういう味付けにしてるかもわからん食材を「こうだ!」と決めつけて調理法を決めなければならないわけで。ものすごい経験が問われる職業だろう。それか「俺が食うわけじゃないから知るか!」という自己中力。焼き職人の数だけモンゴリアンバーベキューがあったのかも。今となってはわからなくなってしまったが。

 

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てっちゃんのオススメの味付けで焼きそば状にして食べてみると…なんかむちゃくちゃ濃い!?てっちゃんに分けて貰ったものはほどよい味だったのに!?量か!?食材の量が少なかったからか!?

 

やはり盛りの思い切りの悪さが響いてしまった形。てっちゃんレシピの場合は、山盛りしないと味付けがうまくいかないのかもしれない。それにしたって濃い。モンゴリアンの難しさを痛感する。

 

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夕方の自然光が美しい。

 

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次はそれなりに自分でも盛ったつもり。ニンニクも投入。しかし3杯目という事実は如何ともし難く、どうしたって弱気の盛りになる。スタートダッシュしたら良かった。この経験は次に……活か……。

 

f:id:butao:20181004170424j:plain炒めてもらう。食材や組み合わせによって、本当に多彩な調理を魅せてくれる。ただし、調味料については考慮してない。油が入ってようが、入ってまいが、たぶん同じ?いや、熟練のモンゴリアングリラーならば、鉄板に載せたときの具合で、瞬時に判断している?今となってはわからんが…。

 

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出来上がったものがまたしても濃すぎた!どうやらごま油が鬼門だったようだ。基本、どんな調味料を混ぜても、それなりの野菜炒めor焼きそば風のものが出来上がるのだが、ごま油の存在感だけはものすごいものがあって、少しでも量が多いと、むちゃくちゃに癖のある味になってしまう!ごま油をひしゃくに一杯入れるとかかなり危険かもしれない!この経験は次に活か…

 

仕方がないので、ご飯を混ぜて焼き飯風にして緩和を試みたのだが、 それでも濃いので、飯に飯をつけて食べるという禁断の手法に出る…。それでも濃い!ごま油とはここまでか!

 

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さらにご飯を投入するという旧日本軍なみの泥沼の戦いに。ただでさえお腹がいっぱいになってきているに、炭水化物の連続投入によって血糖値急上昇。次第に無口になっていく…。というか、丼をもったまま気絶しそう…。

 

店内はいつしか米兵軍団に占拠されていた。米兵軍団は手慣れた雰囲気で、丼に盛り付けして、味付けもして、どんどん食っていく。こちらが炭水化物に四苦八苦しているうちに、丼を山のように積み上げて米兵軍団は店を去っていた。なるほど、これがプロの使い方か。勉強になった。次に活か……

 

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店内には、昔使っていたという鉄板も展示されていた。現在はキティちゃんが焼かれていた。しかし今使っている四角い鉄板も、あと数日もすれば、昔使っていた鉄板となってしまうのだった。

 

なんだかんだで失敗するところもあったし、心残りはあるけれど、モンゴリアンバーベキュージンギスカンを体験できたことには満足している。腹もはちきれそうである。モンゴリアンバーベキュージンギスカンは無くなってしまうけれど、この経験は次に活かせ……る…

 

あ、ご飯ばっかり食ってたので、パンは食ってない。てっちゃぎはむしゃむしゃ食ってた。あと、米兵は、白米の方を好んで食ってて、米の偉大さを知った。米兵がまさに米兵と化した瞬間なのだ。 

 

モンゴリアンバーベキュー、そのうちまた誰かが営業を始めたりしないかな、などと思っている。できれば那覇市とかで。

www.tettyagi.com

www.dee-okinawa.com

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