米子のまちなかに突如現れた緑の壁。かのボストンの球場フェンウェイ・パークのグリーンモンスターか!?というとそうではなく、単なる1軒の建物だったりする。しかも廃屋とかではなく営業中の喫茶店。これぞ米子が誇る軽食喫茶ハマだ。今はなき伝説のサークル、みんなのナポリタン(通称みんナポ)でも取り上げられたほどの米子におけるナポリタンの聖地でもある。
しかしこれを見て喫茶店だと分かる人はなかなかいない。近寄れば埋もれた看板とかを確認できるのだけど。
入り口はこちら。これだけ近寄ればさすがにこの建物が何なのかは理解可能だが、次に問題になってくるのは入る勇気だけ。昨今はオープンなお店が増えてきたなかで中のわかりにくい純喫茶系はなかなかの苦戦を強いられているはず。ましてやハマは蔦の防壁を張り巡らせて建物の全貌すらよくわからない。けれど喫茶店で命まで取られる事はないだろうと高をくくって入ってみて欲しい。というか、ここを読んだ人なら、安心して入れるはずだ。
意を決して店内に入ると信じられない光景が展開される。壁一面に柱時計が。柱時計そのものが現代では珍しいというのに、おそらく今までの人生で見てきた柱時計の数をゆうに超える数の柱時計が目に入り込んでくる。なんでこんなに数の柱時計があるのかまったくわからない。コレクションだろうか。こんな光景は映画か漫画でしか見たことが無い。魔法使いが出てくるとか、このままタイムリープでも始まりそうな雰囲気。幻想的すぎて現実感に乏しい。なんでこんなに柱時計があるのかはお店のおばさんに尋ねなかった。理由を聞いても仕方がないような気がしたからだ。
外側からは蔦に覆われていて全く気が付かなかったが、大きく窓をとった建物だった。マジックミラーみたいな効果がある。簾といったほうが適切か。店内はあんがい明るくて、ジブリアニメにでも出てきそうな洋風のおしゃれさ。
連れてきてくれた鳥取のB氏とともに逆側の壁面を撮影。亀の剥製とか中国の人形的なものも混ざっていて、完全に洋風に染まってないのが現実に引き戻してくれるアクセントとして機能していて、かえって安心感を与えてくれる。こういうのが無いと本気でタイムリープしそう。
天狗の首も置いている!
ボケてしまったがハマのメニュー。モーニング350円。コーヒー250円。お店の雰囲気もすごいがメニューの安さもとんでもない。利益とか考えてないのかと心配になる。
焼めし400円とスパゲティ400円が軽食喫茶たる軽食成分なのだろう。今回はナポリタンを食べにきたわけなので迷わずスパゲティを注文したが、焼めしも気になってしまう。それにしたって安すぎないだろうか。消費税導入前で物価が止まってるのかな。
しばらくして運ばれてきたナポリタン。400円とは思えないクオリティだし、なんと卵入り!
ハンペンみたいなんが入っている。こんなナポリタンは食べたことがなかった。そういやキャベツが入っているのももなかなか変わってる。発想が焼きそばに近いのかも。みんナポで評判になったお店という意識が強かったが、もしかしたらナポリタンですらないのかも…。軽食喫茶ハマオリジナルの何かなのかも…。実際メニューにはスパゲティと書いてあった…。
タバスコや粉チーズや塩はわかるけど醤油とかもくれる。醤油に合うスパゲティ!?たしかに合うやもしれん。このままの味で良かったので試してはないけれど。やはりこれはハマスタイルのスパゲティだったという気持ちが強くなる。
卵をどのタイミングで潰すかはこの手のスタイルの永遠の命題。鉄板にのってるだけに、カルボナーラ風にいい感じにからまってくれた。
これに、しめじのスープまでつく!?
食後にデザートまで!?なしと、りんごと、柿!そして下にはキャベツと、謎のソースがかかっている!?もしかしてこれはサラダという側面もあったのかもしれない。しかし400円でここまでのサービスがあって良いわけがない。嬉しいけど。
我々は夢でも見ていたような気持ちで店を後にした。この軽食喫茶ハマは、米子に来たら絶対に行くべきな喫茶店のひとつなのは間違いない。JR米子駅からも歩いていける場所にある。ただ、けっこう臨時休業が多いらしい。外観だけでも一見の価値があると思うので、運試しと散歩も兼ねていってみよう。いつなくなってもおかしくないし。
もし再訪がかなったら、今度は焼めしを試したい。
↓2019年4月の最新情報の記事を書いている方がおられました。閉店!?まさか!?