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大阪でなぜ維新の会が選挙で勝つのか分からない他府県民への説明

「#関西民放5局の偏向報道に抗議します」は当然…吉村洋文知事の異常なテレビ出演! 5月はなんと30本、“実は仕事してない”疑惑|LITERA/リテラ

「大阪でなんで維新の会が支持されているのか、なんで選挙で勝つのか理解できない」と、よく他都府県民に言われる。維新の会の議員などの不祥事などが全国報道されるたびにそういう疑問が上がりやすい。あんな党を応援している大阪人はアホなのかと。「少なくとも自民党系議員や公明党に投票している地域のやつらに言われたくないよ!」と吠えるのは簡単だが、それだと売り言葉に買い言葉であって相互理解には繋がらないからキチンと説明したい。というか上に貼った記事に、その理由の90%以上が説明されていると思うけど。

 

そう。簡単に言えば、関西ローカルのテレビが維新の会を異常なまでに応援しているのが選挙に影響している。どうしてそうなったかの経緯を説明すると、話がやたらに長くなるので詳細は語らないが、そもそもが橋下徹はテレビ界から出てきた人間だった。そして関西ローカルテレビ界の帝王とも言われたやしきたかじんに引き立てられて、テレビ界で知名度を上げていった。これが維新人気のベースになっている。関西で視聴率を取れる男やしきたかじんの舎弟的なポジションであるということは、吉本芸人であろうと、松竹芸人であろうと、それ以外のインディー事務所であろうと、関西のテレビ界では非常に有益なことだった。なぜなら、やしきたかじんが持っていた関西ローカルのテレビ枠に常に呼んでもらえるから。橋下は当時のたかじん人気を利用して関西テレビ界に地位を構築していったのだった。同時に右翼界隈もたかじん人気を利用していったのだった。維新が右翼思想なのはそういうところから来てるのかもしれない。その流れで、芸人やアナウンサーが維新を応援する下地が作られていった。橋下や維新の会というのは、関西ローカルテレビにとっての「おらが村の代表」ということになる。どうなのその癒着。

 

話が逸れるが、「関西でなぜ阪神タイガースが絶大な人気があるのか?」その理由について、みなさんはご存知だろうか。「広島ではカープが人気だし、名古屋ではドラゴンズが人気だし、そんなもんでは?」と簡単に考えている人もいるかもしれないが、当時の関西には、南海ホークスや、近鉄バファローズや、阪急ブレーブスがいた。阪神電車なんて非常に限られた路線でしかないのに、タイガースが飛び抜ける理由はあまりない。「阪神だけがセ・リーグ球団だったからでしょ」という人もいるかもしれない。なるほどそれも理由とも言えそうだが本質ではない。じゃあなんでセ・リーグとパ・リーグに格差が生まれていったのかというと、テレビ中継があるからだ。巨人とのテレビ中継には必ず阪神が出る。なおかつ阪神タイガースは関西ローカルのサンテレビをはじめとして、テレビやラジオに主催試合の中継権を売りまくった。これが戦後2リーグ制以降のプロ野球界のなかで他の電鉄球団との途方もない差になった。それまでは南海ホークスと人気の面でデッドヒートを繰り返してたのに…。単純にテレビでの露出回数の多いタイガースがよく見えてくる。たまにしか見ない南海とか近鉄とか阪急とかを好きになる可能性はひくい。たまにしか見ないから話題にもなりにくい。

 

つまり、いまの大阪における維新の会は、阪神タイガースみたいなものになっているわけだ。とにかくテレビをつければ吉村や松井が映りまくってるし、アナウンサーやタレントは諸手を挙げて彼らを褒めちらかす。こんなのばっかり見せられている有権者の一部が、とりあえず維新が良さそうと票を入れてしまうのは無理がない。維新の話題にくらべれば他の候補者が割って入る余地はほとんどない。

 

コロナが問題になってからの、連日の吉村のテレビ出演ラッシュはとくに酷かった。普段は「維新なんて…」と言ってる市民まで「今回だけは吉村はん頑張ってはるんちゃう?」と言い出す始末。このセリフをどれだけ実際に聞いたか。それだけテレビの洗脳効果は怖いということだ。なんせ、家にテレビのない僕ですら、飲食店などに設置されてるテレビで吉村のアピールを何度も聞かされるわけだ。たまにしかテレビに接しない僕が、これだけ見せられるのだから、テレビ放送の時間をどれほど吉村や松井が占拠してたのか想像もつかない。これで公平な判断をしろといわれても、何が公平なのかが全くわからない。

 

あと関西以外の人が分かってないことがあると思うのは、関西のローカル放送の存在の大きさだ。関西人はローカルの放送局が大好きだ。なんだったら、全国ネットの番組よりも、関西ローカルの番組の方に、愛着と信用を置いているフシがある。関西弁じゃない放送とか居心地が悪いくらいに思っている。そういう中でやしきたかじんはお茶の間のカリスマになっていったし、それを利用して橋下も支持票を築き上げていったわけだ。このあたりの事情は、関西に住んでテレビを見ていた経験のある人間にしか通じないと思う。大阪における放送局とはすなわち、MBS、ABC、関テレ、読売テレビ、テレビ大阪、サンテレビ、KBS京都を指すのであって、CXだの日テレだのテレ東とか言われても「なにそれ」状態なのである。だから関西には全国放送の常識では見えてこない世界観があると知って欲しい。そこでは吉本興業と維新の会は無敵状態になっている。そして吉本興業のタレントたちは維新の会を持ち上げるために全力投球している。もちろん各放送局も全面的にそのような姿勢をよしとしている。

 

こういう状況は、みんながテレビから離れて、インターネットを見るようになるとかでもない限り改善されないかもしれない。テレビの情報だけを頼りに投票するなんてのは、コンパスを持たずに山登りするようなもんだろう。まさにそのせいで遭難し続けているのが大阪府民といえる。

 

とはいえ東京都は小池百合子で遭難しているみたいだし、日本全体といえばNHKが自民党の大本営発表機関になっていたりする。テレビにはテレビの問題点を指摘することは不可能だから、自浄作用を期待するのは無理だろう。はやくテレビの時代が滅んでくれればと願うばかりだ。

誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走

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