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Twitterのお気に入り機能が引き起こしている超能力戦争の悲劇

Twitterにおける「お気に入り」機能ってみなさん使っているだろうか。

特定のTweetに対して星マークを付けるあれだ。

これはブラウザーにおけるお気に入りとかブックマークみたいなもんで、後でお気に入りのTweetだけを抽出することが出来るので、役に立つ情報とか、後でゆっくり見たいURLなんかが含まれているTweetには、とりあえず星マークをつけとくことで探しやすくなる。自分のメモ代わりのTweetにも星をつけておくと便利だ。リツイートと違って、自分のTweetにも星を付けれるようになっているのは、そういうわけ。

そんなことは誰でも知っているに違いない。何を今更と言われそうだ。

でもこうした単純な機能面とは違う文脈でこの「お気に入り」を使っている人がいるのは意識しているだろうか。

「お気に入り」機能を使うと、TwitterからTweetを書いた人に「○○さんがお気に入りに登録しました」という通知がいく。これをFacebookの「イイね!」機能みたいに使う人もいる。特に返事はないけど「その発言は良かった」みたいなことを伝えているのだ。もしくは返事したうえで「お気に入り」に入れるというのもある。最大級の賛同を示したいという意味だろう。

では、両者を見分ける方法はあるのか?ということが問題になってくる。いゃ、問題か?みんな問題にしてるのか?正直わからんけど、今は問題にしておくから聞いて欲しい。

あなたが情報的なTweet。たとえば「○○のお店は美味しいよ。」などというTweetをお店のURL付きでつぶやいたとしよう。これが「お気に入り」に入れられた。

この場合はその人の有益情報として後で探しやすいようにチェックされたという推測が成り立つ。

でもそうではないかも。

「○○の店は美味しいよ。」って意見に「激しい賛同します!」って意味で星をつけたって場合かて、あるんではないか。そう、これがあるのである。

もしくは「○○の店が美味しいよ。」って発言自体が面白かったので座布団……いや星をあげよう、って意味かもしれぬ。これもあり得るのである。

つまり、星を貰っても、その真意というのは、結局はわかりかねる。その人のキャラクターを知っていればかなりの精度で意図がわかるだろうけど、知らん人にされた場合は真意なんてわかりっこない。お手上げなのだ。それで困ることは何も無いにせよ。

つまり「お気に入り」機能は、たいへんに文脈的なアクションといえる。いやわゆるハイコンテクストってやつだ。

それを言えばそもそもリツイート機能にしたって、かなり真意が伝わりにくいアクションである。

普通に、素直に考えれば、「このTweetはとても有益だったので、フォロワーの皆にも知らしめたい」もしくは「この人の宣伝に協力してる」どっちかの意味だ。

しかし別の意味でリツイートを使うこともある。

「この発言が面白かったからみんな見て!」という意味でのリツイート。これも「有益だから見て」に近いといえば近いのだけど、特に有益でもないけど「フォロワーのみんなにも面白さを問うてみる」という点ではいささか挑戦的なアプローチである。

さらにこれが講じて「こんな間抜けがいるけどみんなどう思う!?」という晒しあげの意味でリツイートが使われることもある。

これはむつかしい。

同意のリツイートなのか、晒しあげリツイートなのか。

実際に晒しあげリツイートを使う人間なんか少数だと思っているので、あんまり考慮しなくて良いといえば良いのだけど、それだけに見分ける術というのはほとんどない。

見分けることが出来るとすれば、リツイートされた発言者とリツイートしたフォロワーの関係性、そして発言の文脈、リツイート者の人間性、これらを十分に理解している場合においてだけだろう。それだって確実ではないけど。

通常のリツイートの他に晒しあげリツイートを用意しておかなかったTwitter側の不備なのか。いやいや、さすがにそんな捻くれ者のために機能を用意するなんてどうかしている。Facebookのイイねボタンの他にヨクナイネボタンを用意しろといった意見と同じだ。そんなことしたいのは一部の人間だけなのだ。

そしてもっとやっかいな話をする。晒しあげリツイートという文脈からさらに一歩踏み込んでいくと「威嚇ふぁぼ」という世界観が生まれてくるのだ。

威嚇ふぁぼ!!?

「お気に入り」機能のアクションを、最初に説明した「メモ」でも「イイね」の意味でもなく、「この発言はしっかり読ませてもらったからな!ふざけんなコンチクショー!」という意味で使う人類がいるということだ。

なにそれ!だって「お気に入り」だよ!なんでわざわざ……。しかしFacebookの「イイね」じゃ物足りない!という人間がいる世の中であることを思い出してもらいたい。

しかし、そんなことを考えもしなかった層にとっては驚愕の事実ではある。これは本当にいるのだ。実際にこの文脈でコミニケーションをとっているクラスタは確実にいる。基本的にそれはコミュ障勢だけど。

そらそうだ。誰がすきこのんでこんな誤解と疑心暗鬼をシェイカーにぶち込んでマティーニ作るようなコミニケーションをとりたいのだ。

でもそういうのはあると知っておくのは有益かもしれない。恐るべき世界である。コミニケーションの深淵を伺い知った気分だ。

言いたいことがあるなら、ちゃんと言葉で喋れよ!わかりやすい言い方で!

いや、この場合は文字か。

文字でちゃんとコミニケーションできればどんなに楽か。

でもSNSなどのツールは、出来るだけ言葉を使わないでコミニケーションが取れるという事に挑戦しているフシもある。LINEのスタンプ機能にしてもそうだ。しかしそれを突き詰めていくと、高度な空気の読み合いしか発生しなくなる。ハイコンテクストなんて生易しいものではなく、いつしか言語すら失って、テレパシーでコミニケーションをとるようになる。

なんだ?人類の革新なんてすぐそこだ?

そんな世界で、常人に気付かれることなく、棘のあるコミニケーションの応酬をする人々。それはもうサイキックウォーズといって良いだろう。

SNSのコミュ障勢とは、テレパシーや読心術を要求するサイキッカーだったのだ。

そしてSNSサイキッカー養成装置だ。

ちなみに僕は、言いたいことがあるときは、かならず言葉で伝えているし、「お気に入り」機能はメモとしてしか使ってないし、晒しあげリツイートや威嚇ふぁぼは絶対にしていないので!サイキッカーではないので!

……とは言えないのが悲しい。たまにしてしまっているかも……晒しリツイートとか……。超能力に目覚めそう。

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