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消費税がなんで超悪税なのかを今さら説明する

先日、消費税のことを書いたのでもっと書く。

 

1989年の消費税導入以後の日本はどんどん景気が悪くなっていった。

 

日本経済がほころび始めたのは複数の要因があるにせよ、消費税導入がひとつの大きな契機となっているのは間違いがない。

 

消費税が税金として最大に欠陥があるのは、逆進性の税金だからだ。

 

通常の税金の理念というのは、金をより稼いでいる人が税金をたくさん負担して、貧乏な人との差を埋めることだ。理想としては、全員で稼いだぶんを、平均化しましょうということだ。さすがにそれは頑張った人や能力が突出している人が可哀想なので、いくらか手心を加えるにしても、普通はたくさん稼いだ人はいっぱい税金を支払い、全く稼いでない人を助けるような仕組みになっている。累進課税制度なんてのはそういう思想で設定されている。

 

ところが消費税というのはそれとは全く逆の仕組みになっている。お金持ちほど税金の負担が少なく、貧乏人ほど厳しいというシステムだ。税金にあるまじき不公平さ。

 

ところがこういう根本的なことすら理解していない国民がけっこう多い。何人くらいいてるか数えたことはないので知らないけど、適当に歩いているとそんな人によく出くわすので、10人いてたら最低でも1人はわかってない人がいるんじゃないか。そしてこのインターネットを見に来ている人の中にも、きっとわかってない人がいるに違いないので説明しておきたいと思った。

 

根本的な知識だ。選挙とかで一票投じたり投じなかったりする上では、確実に知っておかねばならない常識だ。

 

消費税は誰でも彼でも、モノやサービスを買ったら一律8%の税金が徴収される。この一律という1点のみを拡大解釈して、「これは公平な税金だ。多く買えば買うほど多く支払うのだから。」なんてことを、いけしゃあしゃあというやつがいる。こんなのに騙される奴なんかもういないと信じたいのに、いるのだ。だってトリクルダウン理論なんていう無茶苦茶でも信じちゃう人がいるくらいだから。

 

よく聞いてほしい。ここに金持ちと、貧乏人がいる。

 

金持ちの条件というのは、収入のうちの大半を貯蓄や投資に回せる人をいう。使い切れない収入は、土地や有価証券や預金や外貨などといった形で資産を形成していく。これがより収入を増やしていくので、使い切れないお金はさらに増えていく。

 

貧乏人というのは、生活が常にかつかつだから貯蓄や投資なんてする余裕は無い人の事だ。貰った給料はほとんど使い果たす。ときには借金すらする。

 

消費税は、使った分だけの税金だから、貧乏人は収入のほぼ100%が補足される。お金持ちは収入のごく一部だけのことだ。

 

たとえば、1000万円の収入がある人の生活費300万円に消費税がかけられるのと、300万円の収入の人の生活費300万円に消費税がかけられるのとでは、その意味はまったく違う。おかわりだろうか。

 

あまつさえ、年の収入が100万円なんて人にとっては、しょうゆ一本が10円や20円の値上がりをするだけで死活問題である。しかし年収が十倍ある人にとってはどうとでもなる問題なのだ。

 

だから年収100万円の貧乏人からしたら、今までしょうゆを毎月買ってきたけど、これからは三ヶ月に2本にしときましょう、とかって話になる。だからって、年収がそれの百倍の1億円とかある金持ちが、年収が百倍あるからしょうゆを毎月百本ずつ飲むかっていうと、そんなことはあり得ない。即、死んでしまう。いやいや、そういう話じゃなくて、百倍の人が百倍のお金を使うかというと、そんなことするのは成金のアホでもない限りあり得ないということだ。

 

貧乏人が一生懸命お金をためて、200万円ちかくする軽自動車を買う(今の軽自動車はなかなか高いらしい)。

 

一方、金持ちが2000万円以上の高級車をポンッと買う。

 

「ほら、金持ちは、十倍の買物して、支払った消費税もごっついで~」

 

とか一瞬だけ切り取っていうアホもいるが、そんなもんを買う人間は、軽自動車を買った人にくらべて年収が20倍以上あったりする。そして、繰り返していうが、たとえ年収が20倍とか50倍とかあったとしても、やはり醤油は一人分しか飲まない。

 

収入のうちの、一部しか使わない人を金持ちという。残りは資産形成に使われる。そしてますます金持ちは金持ちになる。

 

お金持ちというのは、とにかくお金を使わない人種だ。お金持ちからお金をとるのに、消費税というシステムはとにかく向いてない。

 

年収3000万円の人が3000円のランチを食っていたとしよう。3000円のランチなんか貧乏人はなかなか喰えないから「さすがお金持ち!太っ腹!」とか思うかもしれない。普通の人は500円のランチとか食ってるかもしれない御時世。ランチごときに3000円であるよ。500円ランチの人は、たまのディナーであっても躊躇する金額だ。そりゃ太っ腹に見えるだろう。この人ならさぞやごっつい消費税を払ってくれそう……。

 

でも待ってほしい。500円のランチの人が年収250万円くらいとしよう。年収3000万円の人はそれの12倍もあるのだぞ。なのに年収1/12の人が食ってるランチの6倍程度の値段のランチしか食わない……。

 

250万円の人にとっての250円ランチなのだ、3000円のランチってのは!ドケチやん!

 

もっと酷いのになると、年収3000万円の人が年収250万円の人らの中に混じって、500円のランチを食って「なかなかお得だね。美味しいし」とか言っちゃってる。もう目も当てられない。しかしランチはランチなのだ。3000円でも500円でも、腹いっぱいなるのは同じ。たしかに安いものでも美味いし。お金持ちというのはそのへんの仕組みをよーーく熟知しているからずっとお金持ちだったりする。

 

対するに、貧乏人から消費税を徴収するのは簡単だ。だってお金使わなければどうにもならんほど切羽詰まっているのが貧乏人。余裕なんかちっともない。生活したり、娯楽するにしたって、必要最低限が手に入るか入らないかしかないのだ。衣食住なんて特に切り詰められない。こうすると真っ先に切られるのは娯楽産業。そして各種の贅沢品。

 

若者の○○離れの完成である。消費が冷え込むのは仕方がない。

 

消費が冷え込むと、企業は給料を出し渋る。給料を出し渋ると、貧乏人はお金が使えなくなる。そうすると消費が冷え込むの悪循環。

 

資産家、資本家といわれる少数のお金持ちに、いくらお金を回しても消費なんかしない。消費するより溜め込む。投資する。余裕があるもの。そしてますます確固たる地位を築いていく。

 

消費税が導入される前は物品税というのがあった。車とか贅沢品とされるものには税金がかけられて、生活必需品には税金がかからなかった。どれが生活必需品で、どれが贅沢なのか議論がわかれる、という問題点はあったにせよ、貧乏人と金持ちの差を埋めるという、真っ当な思想のもとに開発された課税方法ではあった。

 

しかしそれと入れ替わりに消費税が導入されてしまった。そして食べ物とか必要最低限のものにも一律で税金がかけられるようになった。諸外国では食べ物など生活必需品には消費税がかからないのに…。

 

我が国の税収の推移 : 財務省

 

結果は見ての通り。消費税は手堅くむしり取られているが所得税はガンガン下がっている。法人税もしぬほど落ち込んでいるが、法人税に関しては優遇処置までしている。どこまで金持ちを助けるのだと。

 

貧乏人が死ぬから、せめて食品には消費税をかけないようにしよう、という議論はたびたびあったが「いちいち線引するのは面倒」という声で無視され続けている。

 

だから今でも、しょうゆでもあっても、おむつであっても、レクサスであっても、一律に消費税がかけられている。それで貧乏人はますます貧乏になり、けっきょく一部の金持ち以外は、誰も消費をしない国が出来上がりつつある。

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消費税を17%まで引き上げなくてはならない真の理由 - 温玉ブログ

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