これは何の現象かいまだによくわかってない。こういう現象を表す言葉があるのかどうかも知らない。でもあんまり似たような話を聞いたことがないのでポピュラーなものでは無いのかもしれない。口で説明するのが難しいのだけれど。
僕は起きている時にも夢を見ることがある。
起きているといってもそこら辺を歩いている時や誰かと会っている時にということではない。それだったらかなり危ない。
主にゴロンと横になっている時にそれは起こる。眠るか眠らないかの曖昧な瞬間だから本当は眠っているのかもしれないけど、しっかりと目を開けている時も平気で目の前に展開している。
もっとも目を開けて寝る人や動物の話は良く聞くので、僕も目を開けた状態で寝ているのかもしれないし、「寝てなくて目を開けている」という感覚がすでに夢の中の出来事という可能性は否定出来ない。
とりあえず言えることは、目を開けて横になっているだけでまだ眠っていないという自覚をもちつつ、目の前に非現実的な映像が展開しはじめるということだ。どういう映像かというと説明に困るが、とにかく部屋の中で横になって転がっている時に見えるような映像ではない。大雑把に説明すると、唐突にスターウォーズみたいな展開が始まってりもする。普通の人間は畳に敷いた布団の上に寝転がって宇宙戦争なんかしたりしない。
夢と覚醒状態の境目は一体どこにあるのだろう。
よく夢を見ている時は夢とは気がつかないなんてことをいう。
僕が夢を見る時というのは半分はそれに当てはまる。けれどだいたい夢の半分あたりで「ああこれは夢だな」と気がついて、後半部分は「夢の中の自分」という自覚をもって活動するという構成が定番だ。だからピンチになったら(僕はピンチになる夢をよく見るのだ)「はやく夢の時間終われ!」とか願ったりする。他の人もこんな感じだろうか。
たまに後半部分にたどり着かないショートフィルムの夢のこともあって、そういうのは睡眠時間が短い時によくあるのだけど、前半部分の迫真性のあるストーリーを見させれらているので、起きてからやっと夢だと悟ることもある。
で、覚醒状態で見る夢の話に戻るのだが、これに関しては、起きているのに夢を見ていると自覚しているだけに、夢と現実がわからないなんてことは無い。「ああ、例のアレが始まったな」と映画を見ているような感覚で眺めている。
それも入眠時特有の現象なのだろうか。そんな映像を見ている段階で浅い眠りに入っていると言われればそうなのだが、その状態になったとて、いつでも映像を切り上げてスクっと立ったりすることも可能なのだ。いくら浅い眠りだとしても、そんな事が可能なものなのだろうか。寝起きが超絶に良いだけと言われたらそれまでだけど。
そうだとしたら本当に夢と現実の境目がわからなくて怖くなる。
ちょっと昔に書かれたSF恐怖小説に『クラインの壺』というのがあった。バーチャルリアリティの世界のゲームをプレイした主人公が、何度もそのシステムを使った後に、だんだん今がバーチャルリアリティの中にいるのか、ゲームの外側にいるのか、わからなくなってくるという恐怖を描いた小説だった。
「夢を見ている自分」という感覚そのものが夢だったとしたら。
頭がおかしくなりそうだ。でも本当に僕は寝る直前に変な映像が見えたり、変な感覚を味わったりすることがある。でもそれを必死に証明しても全く意味ないのかもしれないけれど。
他にそんな体験をした人とか、こういう現象に呼び名があるというのを知っている人があれば教えて欲しい。
「白昼夢」とかいうのが近いのだろうか。夢に関する不思議はまだまだあるのでまた書こうと思う。とにかく不思議なことが多い。