リッツカールトンの日本支社長の書いたリッツカールトンの新しいサービスの仕方を紹介した本を読んだ。リッツカールトンなんか泊まったことのない僕だけど、リッツカールトンのサービスのやり方や仕組みなどとても興味を惹かれるものが多くて、読んでいるうちに、一度リッツカールトンに泊まってみたいという気持ちになってしまった。リッツカールトンホテルそのものの宣伝本としても秀逸だと思う。
この本の中で得に記憶に残るエピソード。
誰の言葉かしらないけど「年収を上げたければ収入の5パーセントを自己投資にあてろ」という言葉があるそうだ。僕は初めて聞いた。あまり年収アップとか、自己投資なんてものに興味が無かったせいかもしれない。世の中のサラリーマンには馴染みのある言葉なのかも。
それについてアメリカのリッツカールトンの営業部長みたいな人が否定する。
「年収の5パーセントを自己投資にあてても、それは今の年収を維持する役目にしかならない。年収をあげたいなら、欲しい年収の5パーセントを自己投資にあてるべきだ」
なるほど、そういう考えがあるのか。
たとえば僕が年収を1000万円にしたいなら、年に50万円ほどを自己投資にあてるべきだということだ。
年に50万円……。
月々、4万円ちょっとを自己投資にあてるということだ。
当然ながら僕は年収が1000万円もあるわけではないので、月々4万円以上の出費というのはとんでもなく痛い。痛いけど、本当に年収を1000万円にしたければ、それくらいの覚悟は必要ということだ。
500万円にしたいなら、2万円程度でも良いだろうけど。一旦、年収を500万円にしてから、1000万円を目指すという手立てだって考えられる。そのへんは各自が決めたら良いことだろう。
しかし一口に自己投資といったって、何をしたら良いのかということになると、少し難しい問題である。
学校に通う?それは間違いなく自己投資だろう。
スポーツや運動をするのも良いと思う。
行ったことの無い場所や、美術館や博物館を見学するのも良いかもしれない。
カルチュアセンターに通って習い事するのも良いだろう。料理教室なんかでは、恋愛なんかも発展するという話は昔からある。たとえ年収があがらずとも、そういう楽しみがあればそれはそれで良いのではないだろうか。
読書も大切だと思う。僕の自己投資といえば主に読書かもしれない。けれど現代において読書なんてかなり入れ込まない限りは、実に安上がりの投資だ。
月に一万円もあれば、たいがいの読書は出来る。
読書だけで自己投資するなら年に12万円。もし営業部長の言葉が本当ならば、それで目指せる年収は240万円ということになる。後は運が良ければもっと年収があがることもあるかもしれない。
それで充分と思う人もいるだろうし、それじゃ足りないという人もいるだろう。僕はどっちかというと、年収240万円でも構わないといえば構わない。けど、リッツカールトンの営業部長の言葉を真に受けて1000万円を目指してみるというのも、それはそれで面白いかもしれない。
本によれば「最高のサービスを提供している」というリッツカールトンホテルを僕は体験していない。だからひとつ、あえて用事もないリッツカールトンホテルに泊まってみるというのも、僕にとったら自己投資になるのかもしれない。
日本でリッツカールトンホテルがあるのは今のところ大阪の梅田だけである。行こうと思えばすぐにいける場所。
そしてリッツカールトンホテルの宿泊は4万円ちょっとのが多い。
4万円ちょっと!
1000万円を目指すための月々にかけるべき自己投資額と奇妙に一致する。
なんかいろいろと上手く出来過ぎていて怖いなあ。