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だったらゼンショーのすき家となか卯のカレーはどうなのか?

牛丼チェーンの松屋吉野家のカレー戦争の話を書いたわけだけど、じゃあ牛丼三国志の一角ともいえるゼンショーグループのカレー事情はどうなっているのかという話は、とりあえず置いておこうかと思ったけれど、なんだかんだで調査はしたので、せっかくだから報告しておくことにする。

 

一時期はゼンショーグループのブラック体質があまりにもあまりでイメージが悪かったので利用しない時期が続いたけれど、ブラックが緩和されたのと、豚丼を復活させたのが重なったので、たまに健康セットを食べにいくくらいは利用するようになった。

 

健康セットとは、お酒のつまみみたいなひじきと冷奴に、味噌汁がついて+150円というお得なようでどうかわからない妙に心にひっかかるオプションだ。ちなみに冷奴だけ注文すると110円で、ひじきだけ注文すると120円だから、すき家的にはやはりお得なのかもしれない。これに瓶ビール(中瓶だけど)を注文するとなかなか味わい深い。牛丼屋らしからぬ何かを感じる。吉野家の吉呑みとかおととい来やがれ感がある。まあその話は今度に置いておく。

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さあ、すき家のポークカレーだけど、450円で食べられる。松屋吉野家のリニューアルに対して、とくに前から変わってない。黒毛和牛カレーという890円もする気の触れたような限定メニューも登場しているが、基本的には無視の方向で進めていきたい。

 

すき家のポークカレーは、まずポークという時点で個人的には好感度が高い。牛丼屋だから意地でも牛肉をおしていくのではなく、低価格でそれなりに満足感があるポークをチョイスしている柔軟性は評価するべきだろう。そして松屋吉野家に対して、具だくさんという方向性をはっきり指し示して対抗しているところもポリシーがあってよし。なにより、松屋が味を変更する以前に、僕がいちばんマシに思えたカレーはすき家のポークカレーだった。それは今回の調査でも感じた。それなりに大ぶりな器に盛られた具のゴロゴロと入ったポークカレーはやっぱり悪くない。これといった味の独自性はないものの、そこそこスパイシーだし、そこそこの満足感があり、一般的にいうカレーマインドが備わっている。ご飯もベチャ飯ではないし。

 

24時間のチェーンの店で軽く食べられるカレーとしては良い意味で当たり障りがないし上出来じゃないのかという意見は前からまったく変わらない。やっぱり今でも大手牛丼チェーンの中ではすき家のものが一番かもしれない。松屋が味をマイルドにした分、かなり食い下がってきたともいえるが。前は尖りすぎていて評価不能だった。金沢カレー風味の吉野家も悪くはないんだが、全体的なクオリティーでは一番見劣りするとしか言えない。現状では、コスパと独自性の松屋か、カレーマインドのすき家といったところか。

 

同じゼンショーグループであるなか卯はどうだろうか。ちなみに以前のなか卯のカレーといえば、390円というそこそこリーズナブルなお値段かつ、妙に出汁の味の利いた和風カレーというものだった。良い意味でそば屋のカレーの要素を前面に押し出していた。うどんにも力を入れているなか卯だからこそ納得のカレーといえた。なんだかんだいってカレーに関してはゼンショーグループの方がセンスがあるとしか言いようがなかった。(松屋は謎の熱意とこだわりがあるのだけど…)

 

それがどうだ。久しぶりに来てみたら安いカレーがどこにもなかったのだ。

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プレミアムビーフカレー!?なんじゃそりゃ!?

 

どうやら、牛丼チェーンカレー戦争でなか卯が出した結論は、情け容赦のないプレミア感だったようだ。思わず回れ右して帰ろうかと思った。しかし謎の義務感に後押しされて店内に入って690円を券売機に投入。そりゃあ、そのへんのカレー屋でいえば、いちばん安いカレーくらいの金額なので、そんなにガタガタいうほどではないかもしれないけど、なか卯のカレーの中でも690円のがいちばん安いカレーだった。大盛りカツカレーだと950円という生意気な値段設定になっていた。

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おばちゃんが30秒ほどで運んでいてくれたものは、すき家の450円ほどもゴロゴロと肉は入ってないものの、それなりにしっかりとした肉の存在感が確かめられる妙に本格派を気取ったカレーだった。しかしスプーンは前とかわらず細長いレンゲ。だから吉野家とか無添くら寿司にもいうけど、この細長いレンゲは安っぽいからやめて欲しい。高まったカレーマインドがガリガリと削られていく音がする。

 

味の方はなるほどプレミアムを名乗るだけあってなかなか本格的だった。もうちょっと適当だと思っていたけど正直なめていた。さすが690円もとるだけある。しかしなか卯でわざわざこれを食べにくるのだろうか。自問自答する。少なくとも感じるのはゼンショーグループはカレーに対してはそれなりに本気だということ。だったら器やスプーンにも凝って欲しかった。だってこれは、390円とかだったお手軽だったころの器と同じやもん。

 

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これが以前のお手軽価格だったなか卯の和風カレーだ。この頃のは文句がなかった。

 

結論として、2017年前期時点での牛丼チェーンカレー戦争は、吉野家金沢カレーが頭ひとつ下で、なか卯が異次元枠といったところ。ただしすき家のカレーもノーマル状態のバランスは良いけど、牛丼や豚丼の肉を載せる「あいがけ」をやっちゃうとどうにも微妙なものになる。コスパ悪し。そこだけ。

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