デイリーヤマザキの嬉しい事は定期的に北海道フェアをやってくれることだ。そのときばかりはマルちゃんのやきそば弁当が気軽に買えるから。関西人にとっては北海道民にとってのソウルフードと言われる「やきそば弁当」という商品はひたすらに馴染みがなかった。だから最初はナンノコッチャという感じだったが、昨今は認知度が上がってきて、北海道に旅行した人が現地のコンビニやスーパーでお土産にやきそば弁当を買い求める姿をよく見る。似たようなものに同じマルちゃんの東北限定販売の焼きそばバゴォーンがあるが、こちらは昔は全国展開していたので、僕と同じ40代から上の人なら知っていたりする。むしろ「東北ではまだ売っていたのか!?」と驚愕したりする。
さて、やきそば弁当と焼きそばバゴォーンの特徴としては、スープが付属していることであって、カップ焼きそばを作るときに捨てるお湯に粉末を入れて作る。他愛もないといえば他愛もないのだけど、寒い地域で人気を得るためには必要なオマケだったのだろうかとか考える。冬にやきそば弁当を食べる時など、すぐに麺がゴワゴワしてしまって味気ないので、やっぱりスープはありがたい。
デイリーヤマザキで定期的に北海道フェアをやっているのと同じく、昨今はスーパーでも定期的に北海道フェアなどやるところも増えてきて、やきそば弁当、ダブルラーメン、サッポロクラシック(サッポロビールの北海道限定のやつ)などの入手率は関西でもあがってきた。それでも普段から気軽に買えるものでもないので、デイリーのフェアはやはりありがたい。見かけるとついつい買ってしまう。
ちなみに、デイリーでは、通常のやきそば弁当、でっかいやきそば弁当、やきそば弁当ちょい辛の3種を仕入れがちである。ここで僕はでっかいやきそば弁当に手を出してしまう愚を犯してしまった。
でっかいやきそば弁当は、底の深い容器にフライ麺が二段重ねになっているという超弩級のカップ焼きそばだ。いつの間にか関西でも定着していたペヤングソースやきそば超大盛りと同じ発想の商品で、横並びが縦並びになった形。ペヤングのワイドテレビ型に対して、小さい洗面器かバケツ型ともいえるようなド迫力はなかなかのものだ。商品コンセプト的にはドカベンと表現するのが正しいのか。
ちなみにペヤング超大盛りが237グラムで、でっかいやきそば弁当が258グラム(うち麺は200グラム)ということなので、でっかいやきそば弁当は現行カップ焼きそばの中で最大クラスの商品といって問題ないと思われる。世の中にもっと大きいのがあるなら教えていただきたい。
こういうのを置かれるとついつい手を伸ばしてしまう浅はかさがあるが、実はでっかいやきそば弁当には最大の罠があって、ソースも具も一人前しか入っていないのだ。「麺が2つなんだから、そこは二袋ずつつけてくれよ!?」と思うが、別に値段もそれほど高くなってないので仕方がないのだろうか。かなり割り切った人向けの商品なのだ。
そんなことは知っていたはずなのに、しばらく食ってなかったせいもあって「まあ、大丈夫だろう」と根拠のない自信で買ってしまう。それで作ってみてやっぱり愕然としてしまう。
ソースがぜんぜん麺に行き渡らない……
具として付いている、カップやきそば特有のしょぼいキャベツとか、やきそば弁当ならではのミートキューブなどは少なくてもどうでもいいのだけど、ソースが足りないのだけは本気できつい。いやでも、こういう薄味が好きな人には問題ないのか。後半なんかずっとパサパサだけど。
自分でソースを足せばよいのかもしれないが、カップやきそばというオンリーワン装置に対して、別の味のソースを足すのは気が引けてしまう。
そんなわけで、でっかいやきそば弁当に手をだすのは、よほど覚悟と自信のある人だけにしてもらいたい。北海道民にとって、でっかいやきそば弁当はどういう位置付けなんだろうか。嬉しがりが買う用なんだろうか。ずっとラインナップされているのだから需要は高いのだと思うけれど。いちど意見を聞いてみたいものだ。
フェアなんかではあんまり入荷しないけれど、ノーマルのやきそば弁当と、でっかいやきそば弁当の間の商品として、大判やきそば弁当というやつがある。1.3倍程度の麺の増量の商品だ。僕としてはこれがベストな選択かと思う。これくらいがソースと具のバランスが一番いい。食べごたえとしても。
同じマルちゃんの北海道限定のダブルラーメンも、フライ麺が二枚入っているというとんでもない商品だ。しかしこちらはちゃんとスープが二袋入っていて、スープが足りなくなるなんてことは無いのだ。もちろん、カップ焼きそばと、袋ラーメンという違いはあるのだけど。
ちなみに、東北限定の焼きそばバゴォーンの方には、でっかいタイプはたぶん無い。見たことが無い。理由は知らない。大判やきそば弁当に相当する大盛りというのはあったらしい。
一般人ならこれが良い。
ちょっと大柄な君や、大食いな君ならこれがベストだ。味的にも具のバランス的にも良い。
割り切り、もしくは、特殊のテクニックが求められる。
麺が特殊で美味しいし、スープがわかめ入りなのがやき弁と違う。
ダブルラーメンの認知度もあがってきたかも?