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近鉄八尾駅の『河内うどん』のうどんが思いのほかヤバかった!

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僕はこの日、生まれて初めてJR八尾駅に降り立っていた。友達のとり氏がオススメの立ち飲み屋が八尾駅の近くにあると言ってたからだ。大阪に住んでると、なかなか一日潰して府内の遠征とかしない怖さがある。一日潰すなら、せめて京都か神戸か奈良くらい行かないと遠征感ないよな、とかいう謎の国境バイアスがかかる。そしてどうせ大阪から出ないなら…と、大抵は梅田とか、天満とか、十三とか、京橋とか…手軽に行けるいつもの場所で満足しがち。

 

そういうのを打破するために、今回は人生初の八尾遠征をしてみようときめたのだった。大阪はかなり広いわけで、行ってないところは山ほどあるのだ。とくに東大阪。とくに南大阪。実は西側の海岸線の方もぜんぜん行ってない。考えてみれば大阪をぜんぜん行ってなかった。布施とか開拓し始めたのも、たしか今年に入ってからじゃなかったかと。

 

電車の乗り間違えとかしつつ八尾駅に到着。八尾駅に止まらない電車があってわりとややこしい。

 

降り立つとあんま何も無い駅だった。JRと私鉄の両方がある地域は、JR側はあんまり何も無いという原則がある。ただし東京都内は除く。とはいえ最近はJR側の開発も凄い。八尾駅もそこそこ新しい物件とか出来てるが、それほど……だった。近鉄八尾駅の方が都会なんだろなというのは容易に想像がつく。


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ちょいと歩くともうのんびりした風景。水路とかは好きだ。


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生活に困らない程度の商店やスーパーは揃ってるし、新しめの居酒屋なんかはけっこうあるけど、とくに目を引くものは見つからない。ほとんど民家。

 

友達のとり氏がこの辺に立ち飲み屋があるとか言ってた気がするけど、やっぱり近鉄八尾駅の方の勘違いかなと思った。どうせ時間あるので散歩がてら近鉄八尾駅まで歩いていくことにした。なにせ初めての市だ。


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ひたすら歩く。途中で昭和を感じさせるデザインマンションを見つけて妙な感動を覚える。子供の頃はこういうのをよく見たなあと。今は画一的で効率の良さそうなデザインのマンションが増えた。でも当時もこういうマンションを指差して「最近のマンションたらいう建物は画一的でつまらん」とか抜かしていたおじがいたのかもしれない。


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基本的にはなんもない道をずんずん歩く。だいたいがマンション。あと会社。広くて歩きやすいけど。


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何も無いところを歩き続けて、でかいアンテナのあるところまでたどり着く。こんなのを見ただけで「八尾市に来た甲斐があった」と思うくらいには到着してから目ぼしいものを見てなかった。遠景に見える山くらいか。でも遠景に見える山は、僕の地元の寝屋川市にもある。大阪はあんまり平地が広く無い。

 

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むやみやたら立派な建物の八尾市役所。どんな田舎でも、市役所だけはやたら立派な傾向がある。そりゃもう震えるくらいに立派だったりする。なんでなんやろね。その点でいえば寝屋川市役所はあまり大したことない。


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いよいよ近鉄八尾駅が近付いてくると、にわかに歴史がありそうな建物が増えてくる。


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古い米屋を見ただけで嬉しい。ずっと残ってて欲しいが無理だろうな…。


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思った通り近鉄八尾駅は大都会だった。あまりにもJR側と違いすぎる。もういきなり違う。駅前感がありまくり。


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アーケードだってある!閉まってる店が多いとはいえ…。


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JR側にはビルなんか無かったのだった。商店だらけ。最初から近鉄電車で来たらここまでの道中の散歩が無かったので物足りなかったかも。


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近鉄八尾駅の下に、風情のありすぎる駅うどん屋があった。河内うどんというらしい。河内国から来てるのだろうか。たしかに八尾市や東大阪市は中河内に入る。僕の住んでる寝屋川市は北河内だけど。

 

単に河内さんという人がやってる可能性もある。


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いまどき少なくなった食品サンプル。うどん屋では余計に珍しい。ひたすらうどんが並ぶのが壮観。そしてうすら汚れているのも良い味だしとる。


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隣には同じ名前の居酒屋があった!どう考えても同じところが経営してる…。

 

これは食っとかにゃならんやつだろと思い入ることにした。入り口で食券を買うシステム。初めて入る関西系うどん屋では、僕は天ぷらうどんを定石にしてるんだけど、せっかくなのでボリュームありそうなスタミナうどんにした。スタミナうどんとは天ぷらに卵が投入されているスペシャルメニューだ。


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食券を渡して席で待つ。そう、立ち食いとかではなかったのだ。店内はかなり広い。駅うどんというレベルを超えていた。そして奥の方には、お子さんのいる人向けのスペースまであった。お子さんのいる人にも配慮したうどん屋。みるみる高感度が高まる。


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スタミナうどん出来ましたと言われてとりに行って驚いた。天ぷらじゃなくて肉うどんだった。注文間違えられた!?と一瞬考えたが、さっきスタミナうどんと言ってたので間違いじゃないよな…と納得して席に戻る。ここのスタミナとは肉と玉子の組み合わせのものを言うようだ。スタミナの定義はいろいろである。せっかくの食品サンプルをよく見てなかったのが悪かった。

 

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うどんをすすってみてまた驚く。なんという柔らかさ!それでいてぶちぶちと千切れるようなもろさは無い。大阪うどんは柔らかさがウリとか言われることがあるけど、正直いってそのへんのうどんはそこまで柔らかくは無い。スーパーで売られてるうどん程度のものが大半をしめる。とくに駅うどんや立ち食い系はほとんどそのようなもの。本当にやわ〜い大阪うどんは絶滅危惧種と言って良い。

 

河内うどんは絶滅危惧種のうどんを出す貴重な店だった。こんなうどんが近鉄八尾駅で食えるとは思ってもなかった。間違いなく最強レベルでやわやわ。そして肉もびっくりするくらい柔らかく煮込まれていて美味すぎる。そえられた生卵の新鮮さも表面張力だけで箸を弾き返しそう。普通こういうところの卵ってもっとヘナヘナなもんである。ダシも相当に美味い。

 

やわやわのうどんと、やわやわの肉と、トロトロの卵を、濃厚ダシで流し込む快感。もはやこれは飲むうどんと言っても過言ではない。とんでもない「うどん伏兵」が近鉄八尾駅にあったものだ。これならお年寄りも安心して食べられる。こんな凄い店はもっと早く知りたかった。だから大阪府内の探索を怠るなとあれほど…。

 

そのあとアリオ八尾を(外から)見学したり駅前を探索した。

 

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アーケードの裏通りみたいなところに地元感のある立ち飲み屋を発見。入ってみたら僕が一番客だったようだ。


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ビールが黒ラベルなのが嬉しかった。飲んでたらTwitterで見たと近所に住んでる友達(ぷち。氏)からまさかの合流の連絡が。


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とりあえず合流するまで軽く飲んだだけだけど、近所にあったら便利だなあと思える安くて良い店だった。佐伯というのが店名みたいだ。

 

そいやそもそも八尾を紹介してくれたとり氏も合流すると連絡が。彼のオススメしてた店は、やっぱりJR駅側とのこと。僕が見つけられなかっただけなんやね。でも彼の言うてた店名も間違えていた。そらあかんわ…。仕方ないので近鉄八尾駅で三人飲みになった。

 

河内うどん載ってるのか??

ぴあ 東大阪八尾食本 2020 (ぴあ MOOK 関西)

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: ムック
 
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