温玉ブログ

ブログで儲けるヒントは絶対に教えません。


スポンサードリンク

都知事選の結果で都民を悪く言うのはやめたほうが良い

ご存知の通りの都知事選の結果になった。事前の予想を裏切ることなく、ほぼ皆が思ってた通りのまんま。できれば裏切られたかったが、現実は重く受け止めなければしょうがない。何度目の暗い日曜日だろうか。思えば第二次安倍政権発足後は暗い日曜日の連続だった気がする。都民の多くも残念だったかもしれないが、大阪府民の僕も残念だったのである。そして都民の何割かが歯がゆい思いをしているのは、維新にいいようにされてる大阪でも同じ状況だ。

 

さて、こういう結果が出てくると必ずでてくる言説というか誹謗中傷のようなもの。

 

「東京都民はバカじゃないのか」

「東京都民は小池百合子みたいなのがお望みなようだ」

「東京都民はやはり差別や右翼思想が強い」

「弱者救済なんて興味の無いのが東京気質」

 

もろもろの聞くに堪えない言いがかり。

 

これらのことには根拠も説得力も勿論ない。366万票という得票とはいえ、有権者は1144万人以上いるのであるから、この数字で「東京都民は小池百合子みたいな独善的な人物が大好き」などと一括りにするのは無理がありすぎる。少なくとも84万人以上は宇都宮氏にいれてるし、65万人以上は山本太郎に入れてるのだ。そして何より、これは大切なことだが、500万人以上は誰にもいれてないのだ!選挙の棄権行為は最大得票者に対する自動追認になるのは選挙システムの摂理ではあっても、思想確認の摂理ではない。都民の大半は意思として小池百合子を選んでないのは重要なところ。仮に山本太郎が最多であれば、山本太郎を選んだということになるだけの話で、都民の意思を問う上ではあまり意味がない。投票してないものについては「誰も選ばなかった」「投票がだるかった」という分析以上のことを言っても何も意味がない。

 

そして、小池百合子に投票した366万票についても、小池百合子の政策や実績を精査した上で投票した人がどれだけいるのかといえば甚だ疑問しかない。そうでなくとも「イメージ優先で選挙に勝ってる人間」と批判されていたのが小池百合子だ。今回の選挙にしたって、コロナで頑張ってる感のイメージで逃げ切ったと言われている。なのに当選したら「都民が百合子の政策に賛同してるのだ」などという原説をさも当然のごとく振り撒く人らはどういう了見なんだと。八つ当たりも良いところだろう。同じ人が「テレビ討論さえあれば、小池百合子が公約ゼロ達成なことなど有権者が知れば、宇都宮氏や山本太郎が当選する目があった」などと言ってたりするのが目も当てられない。世間の人の大半(つまり投票してしまった366万人のうちの大半)は小池百合子の政策を知らないから投票してしまったと認めてるくせに、同時に小池百合子の思想に賛同してると訳の分からないことを言ってるわけだ。

 

前にこちらに大阪の事情を書いたが、結局は大阪と同じで、東京都民の気質としての特殊性なんかはそんな無いとしか言いようがない。わが大阪府民がバカでないのと同じで、東京都民の多くはバカではない。最大の勝利要因はどう考えてもテレビメディアの強力なアシストによるものだし、テレビの影響力の強さに対して、ネット活動(それにしても立憲民主党による宇都宮餃子作戦はお粗末すぎたが)や街頭演説その他のメディア戦略が無力すぎただけだ。それと公明党の動員力の侮れなさも分かったと思う。大阪でも公明党の動員力は実に強い。

 

結局は、政策や候補者の人物を見極めて投票する人が少数派である以上は、メディアの露出やカルトによる動員力に偏りがあるとそれで大勢が決まってしまう。政治の文脈や候補者の政策を吟味しないで投票する人が多数でないことを理由にバカだというならば、日本中の有権者がバカということになるので、「東京都民ガー」と言われても困るのだ。大阪府民にしても同じ。メディア戦略で下駄を履かせられまくってるのだ。普段から維新が勝ちまくるせいで歯痒い思いをしてる大阪府民だけに、有権者の質がどうだと言われる悔しさは分かるので、今回の事で真面目な都民に同情してしまった。そして有権者はバカだの差別主義だのと愚痴っても、これから投票に行こうか迷ってるような人の反感をかうだけなので謹んだ方が良いと思った。それよりかは正しい情報を伝達する努力に努めた方が良いだろう。

 

あと桜井誠に18万票入ったことにことさら衝撃を受けている人も多いが、昔に比べてレイシスト支持者が増えているなんて事はありえないはずなので、そこまで大騒ぎするような事ではない。先ほども行ったが1144万とかいううちのたった18万だからそれが上限だとしたら大したもんじゃない。もちろん「いくらなんでも桜井誠に入れるなよ!」と力強く言っておくのは悪くはないだろう。都民にレイシストが増えてるなんてのは余計な印象操作だ。それよりかは、山本太郎や宇都宮氏みたいな弱者目線の主張に賛同する人がはるかに多い。絶対数で比べて欲しい。こちらはテレビでイメージ操作できないのにこれだけ入れてるのだし。

とにかく国民がテレビに頼らずに情報を得るという運動は推進していく必要がある。あれだけ情報がオープンになっている日本会議のことすら、大半の有権者は知らないのだから。これだけの情報の格差があってはしょうがない。そこからだ。桜井誠なんか右翼の躍進でもなんでもなくて、その前に日本会議や戦前勢力で固めている自民党こそが最大右翼としてずっと目の前にあるのに、ちょっと数字が付け変わっただけで大騒ぎしていたら本質を見失う。まあしかしそんな自民のカルト的な主張もネットの発達によって化けの皮を剥がされていって、支持力もじわじわと削がれていっているわけで、今の方向性で議論をすすめていくのが肝要かと思う。とにかく普段から情報を交換すること。僕自身、日本会議の話を知人に伝えたらたいへん驚かれたという経験が先日あったばかりだ。議論もなにも深まってないうちから、興味ない人たちにいたずらに投票所に行くことばっかり呼びかけたってしょうがないように思うが如何だろうか。

 

日本会議の正体 (平凡社新書818)

日本会議の正体 (平凡社新書818)

  • 作者:青木 理
  • 発売日: 2016/07/08
  • メディア: Kindle版
 

 

スポンサードリンク