僕が十数年運営しているネットラジオサイトBS@もてもてラジ袋を設置しているサーバーが、SSL証明書の発行の無料サービスを開始した。
サイトの常時SSL化というのはあんまり興味が無かった分野だけど、世間ではいつしか「SSL証明書」というものが出ていないサイトは危険なサイトとみなされるようになっていっていた。今やもてもてラジ袋のサイトも、ブラウザのURL部分に警告マークが出るようになってしまってて気分が悪かった。
「怪しいサイトではないのになんでや！」と思ってたが、世間の価値観が変わってしまったので、僕のサイトは旧世紀のモンスターのようなもんになっていたのだろう。サイト自身は何も変わってないのに…。それを打破するためにはSSL証明書というのを有料で発行してもらうというのが未来社会におけるルールその１だった。つまりSSL証明書というのは「鑑札」とか「割符」とか「通行手形」みたいなもんと考えて貰って良いと思う。それを持たぬものは人間扱いされ無かったりモンスターとして排除されてしまう運命にあるようだけど、だからといって追加の身銭をきって人間証明されるのも何だし、「ま、いっか」と諦めていた部分もある。
しかしそれがだ。無料で証明サービスはじめましたよ、ということならば「いっちょ人間の仲間に入ってやるか」と気軽に設定にチャレンジしてみた。けっこう手順があったりして面倒っちゃあ面倒だったけど、説明の順番通りやれば良いだけでもあるので簡単だった。これに関してはサーバー毎にやり方が違う問題なので、ここではいちいち説明はしない。何をやったのかさっそく忘れてしまったし。それぞれのサーバーが提供する手順を見ながらやれば出来るレベルの無知蒙昧にも優しい作業なので安心して欲しい。
で、SSLの証明書が発行されたら、後はサイトの内容をHTTPに適合したものに変えなさいとあった。もてラジはWordPressで構築されたサイトであるので、文字列変換プラグインなどを利用しつつ、あちこちのリンクをhttpからhttpsに書き替えたり、http://と絶対パスになっていたところを//だけの相対パスにしたりした。これもなかなか面倒な作業だったが、文字列を一括変換してくれるプラグインなどを使って済ませた。
それらの作業を終えて、我がサイトがどうなったかというと……。
httpsになっただけだった！
httpsから始まるURLでつながるようになっただけであって、いまだにブラウザの上部には警告マークが出ている！なんだそれは！
SSL証明書で何かが証明されたはずなのに、いまだに危険サイト扱いされる理不尽に打ち震えながらいろいろと調べてみたがどうにもよくわからない。何かアカン記述をしている部分がいっぱいあるようだが、その箇所というのがAmazonのリンクだったり、Twitterのヴィジェットだったりして、自分がどうこうしたものでないので余計にわからなくなった。そもそもここだけがアカンのかどうかもわからない有様。
トップページだけでもよくわからないのに、何年にもわたって更新し続けてきたサイト全体を修正していくなんて不可能に思えた。もう諦めていた。HTTPSなんて考慮に入れずに作ってきたサイトを、後からどうこうしようというのが間違っていたのかもしれない。
「HTTPSて言いたいだけの危険サイトでええやんか…」
そんな時にふとしたことから知ったプラグインがあった。
Reality Simple SSLだ。
こいつは何かというと、どんな、無知蒙昧・怠惰・時代遅れが作成した昭和なWordPressサイトであっても、実行するだけでたちどころに最新式HTTPSに準拠・対応させてくれるというものらしい。
そんな馬鹿な！
しかし失うものはないし、ダメもとでインストールしてみた。プラグインの実行ボタンの説明のところに「さすがに以下に挙げるような度し難い部分は優秀な私でもなんともならんから、それだけはくれぐれも自前で修正してから実行してね！」みたいな警告文があってドキドキする。プラグイン様の挙げるような度し難いダメな例に、いちいち該当しまくっているような自信しかしなかった。「だから修正してから持ってこいって言ったやろ！わしの時間どうしてくれんねん！」とプラグインに罵倒されるような予感しかしないのだ。しかしここまで来たら引き下がれないので痴呆になって実行してみる。
それから数秒後……そこには「保護された通信」になっているもてラジサイトの姿があった！
あれほど警告マークが乱立し、危険に満ち溢れたもてラジが。どこを修正して良いのかすらよくわからなかったもてラジが。
とりあえず僕みたいにSSL化に悩んでいる人は、このプラグイン入れとけと思った。プラグインを手放せなくなる以外にも、細かい問題もいくつかあるみたいだが知らん！警告出て人間扱いされなくなるよりマシ！
