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「どでか寿司」という食べ物が南森町にあり

2020年に大阪でコロナが蔓延してから知ったお店なんだけど、南森町駅付近の高速道路入り口交差点付近のビルの地下のミニマムな食堂街に、「どでか寿司」というお店がある。所謂すし居酒屋とか分類されるものだ。どでか寿司自身、すし居酒屋と名乗ってるので心強い。

 

お寿司以外にも、お酒のおつまみになりそうな安い居酒屋メニューが充実しており、お酒の安さもあいまって、お寿司を食べなくても十分に楽しめるお店であって、サラリーマンの飲み会集団なんかでいつも賑わっている。サラリーマンに人気の店には間違いがない法則通り、どでか寿司は気軽な居酒屋としての機能は申し分なく高いのだが、僕が推したいのはやはりお寿司関係だったりもする。

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上のお皿が適当に注文したお寿司4種類。下のお皿がお造り三点盛りというやつ。いずれも「どでか寿司」の名前に恥じないデカさがある。お造りなんて正直ちょっと持て余してしまうレベルの分厚さだ。これで合計で千円ちょっとじゃなかったっけと思う。

 

そもそもだが安いお寿司屋さんでも、お造りや一品ものを頼むと妙に高いのが常。なんか、だいたい千円以上する。だから安いお寿司屋さんの立ち回りのコツとしては、一品料理やお造りは注文せずにお寿司類だけを頼むと良い。お寿司ばかり頼んでたら酒を飲んで好きにやっても五千円もいかない感じがある。人にもよるだろうが、僕なんかは三千円ほどで、だいたい腹一杯になる。それでも高くつく店は、高いお寿司屋さんという認識で良いと思う。

 

ところが!

 

どでか寿司ではお造り盛り合わせも500円くらいでご覧の通りのボリューム。お寿司屋さんの常識を破壊している。お寿司屋さんというより、どてか寿司屋と呼んだ方が良いのかもしれない。

 

味も独特のもので、いわゆる“美味い寿司”とかいう文脈から言ったら、どでか寿司の寿司は大幅に外れているものかと思う。ネタは分厚くて迫力があるが、厳選された素材とかそういう肩肘はったものじゃない。シャリの方だって味も握り方もわりと大雑把だし。寿司通が食べたら逃げ出すような代物に違いないのだけど、こんな値段でここまで出されたら文句つける筋合いは無いし、ファストフード的な満腹寿司には不思議な喜びがあるのだった。ラーメン二郎はラーメン二郎という食べ物であってラーメンじゃない!という名言があるが、どでか寿司もどでか寿司という食べ物だ!と唱えることで、気分も盛り上がろうというもの。少なくとも僕はこの“どでか寿司”という食べ物が好きである。


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巻き寿司のコスパもとんでもないものがある。僕はお寿司屋さんで、かっぱ巻きを頼むのが何か好きだ。きゅうりという単純極まりないネタを、各店どういう具合に食べさせるのか興味が尽きない。どでか寿司におけるかっぱ巻きは、四つ切りきゅうりを巻いた食べ応えの高いものだった!合格!(なにが?)

 

ウインナー巻きという飛び道具もなかなか捨てがたい。小さめのおにぎり食ってるような腹持ちの良さ。「シャリコマ!」とか言うやつは一昨日来やがれな世界なのである。うそうそ。普通にお造り盛り合わせという選択肢もあるのが、どでか寿司という優しい世界。

 

 

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ワサビ巻きも涙が出そうなくらいパンチが効いている。他のどでか寿司を頼むときに一品加えておくと、ワサビが弱いときの味変要員の役目も果たしてくれる優れもの。どでか寿司随一のユーティリティプレイヤーだ。


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どでか寿司の素晴らしさが分かってもらえたと思う。南森町の名店といえばどでか寿司。そんな、どでか寿司だが、現在は緊急事態宣言で全く行けない店になっている。ただでさえ20時までの営業ばかりが続いて、飲食店がピンチになっているのに、お酒を出せない寿司居酒屋に未来はないのである。

 

休業してたと思ったら、いつのまにか看板を片付けられている店舗や、新しいテナントになってる店舗を見るたびに苦しい気持ちになっている。どでか寿司もある日…と考えると非常に厳しい。大阪にだって潰れて欲しくないお店が多すぎる。

 

日本政府よ、なんとかしてくれ!再びどでか寿司を食いに行けるようにしてくれ!五輪なんかどうでもいいから、大阪の街の人の生活を守れ!

 

まあ、とにかく、緊急事態宣言が収まって、南森町に来ることがあれば、名物どでか寿司をつまみに来て欲しい。お寿司界の大雑把グルメの局地だ。

 

どでか寿司のイカがまた食べたいのだ僕は。複数枚のイカの切り身が乗りまくったあのド迫力なイカのお寿司が。

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