先日のことだ。頭の中に「カデンツァの嵐」とうフレーズが強烈に浮かんでグルグル回るという事件が発生した。
「カデンツァの嵐!?とても印象的な名称であるが、何十年も思い出さなかったフレーズでもある。自分はかつてカデンツァの嵐というものに関わったことがあるが、その後はずっと関わらずに生きてきたはずだ。そして今唐突に思い出してしまったが、それが何だったのかは全く思い出せない!」
お分かりいただけると思うが、これってめちゃくちゃ気持ち悪い。速攻で『カデンツァの嵐』をググって解消しようと思った。ググりさえすれば思わずハタと膝を叩く回答が得られるのは間違いなく、このもやもやが雲散霧消するのは約束されているのである。素晴らしいGoogle。はやくGoogleに行かせてくれ。
「『カデンツァの嵐』ってあれでしょ?そんな悩むこと?」と思った世界でも稀有な側にいる人は、これ読みながら逆の意味でもやもやしてるだろうけど今は我慢して欲しい。そしてそんな人が「その時にたまたま横にいてくれたら良かったのに」とは思ってる。
で、自分はもちろん「カデンツァの嵐」をググってようやく回答を得るわけである。なになに……「カデンツァの嵐」それは、ホンフゥの乱舞系の超必殺技の技の名前だった。もっと詳しく説明すると、SNKの大戦格闘ゲーム『餓狼伝説3』から登場してたジャッキー・チェンと刑事物語を合成したようなキャラであるホンフゥの使う超必殺技が「カデンツァの嵐」!!ちなみにこのホンフゥというキャラは最近の作品にはぜんぜん登場しないから、格ゲーちょっとやるって人の中にも、存在すら知らない人も多いかもしれない!!!
なんで僕の記憶の中に「カデンツァの嵐」とかいうのが強烈に刻まれてたのかというと、『餓狼伝説3』のROMを所有していて全キャラけっこう遊んでいたからだった。技名まで覚えているからには相当好きなキャラかというとそうでもなくて、ググるまでホンフゥの技だというのも分からなくなったくらい。
しかし今回の話にホンフゥもカデンツァの嵐も実はあまり重要ではなかったりする。言いたかったことは、「カデンツァの嵐」というワードでもやもやしたときに、Googleがなかった時代だったら一生もやもやして生きるか、たまたまSNK大辞典人間とかホンフゥガチ勢みたいな人が隣にいて「カデンツァの嵐ってさあ〜」と説明してくれるか、たまたま餓狼伝説3なりリアルバウトなりを真剣に再プレイしてホンフゥの技表を見るとか、そういう事でもなければ思い出さなかった自信があるのだ。
人々はGoogleに代表されるインターネット検索が無かった時代の感覚をもはや思い出せない。ごく当たり前みたいに検索してしまっているから、Googleがどれだけ人類のもやもやを解消してたかなんて分からなくなってるだろうなと思った。Google以降に生まれてきた人たちなんかもっとわからんだろうな。今のインターネットの偉大さを。そんなことをこの度の「カデンツァの嵐事件」で再確認した。