自慢ぽく書くけれど、僕はAmazonプライム会員である。
ネットゲームでもネットサービスでも、とことん重無課金勢を貫いてきた僕であるが、なぜAmazonにだけは課金してしまったか。Amazonプライムとはそこまで魅力的だったからだというのは嘘であって、単に見えていた地雷にひっかかっただけだったりする。
いわゆる「プライム一ヶ月無料体験」というやつ。
ツタヤディスカスだのDMMレンタルだのもそうだけど、一ヶ月無料体験なんていうのは悪辣な自動契約システムになっている。
無料体験一ヶ月というのは一ヶ月体験してから「さあ契約しましょうね」と選択を迫ってくるのではなく、「自己責任で一ヶ月以内に解約しないと知らんからね」という態度なわけだ。
むしろ「初年度は13ヶ月契約であって、解約期間が一ヶ月与えられているだけ」といった方が実情に沿った表現かもしれない。それを「無料体験」なんて表現するのは如何なものなのか。規制して欲しい。
だから買い物のたびに出てくる無料体験サジェストを見ても、「そんな手には乗らないよ」と無視を決め込んでいたのだけど、この夏の終わりの日に、ついうっかり魔が差してしまった。過去の成功体験に酔ってしまっていたのも否定できない。
Amazonプライムが今のようにサービスてんこ盛りになる以前。「ただ到着が早いだけ」という、実にくだらないAmazonプライムの時代があったのを覚えているだろうか。こんなもの誰も入らないだろとか思ってたのだけど、あるときついうっかり一ヶ月無料体験のボタンを押してしまい、しかし無料のままで切り抜けた過去があったのだった。(一ヶ月くらいプライム会員だったけど何も得はしなかった。それだけ当時のプライムは心底くだらなかったから…。)
それに加えて、ツタヤディスカスや、DMMレンタルの一ヶ月だけ無料体験なども加入していた。そのときも目的のブツをあらかたレンタルして脱退に成功していた。
で、今回。二度目のAmazonプライム体験。気がつけば僕は一ヶ月目の更新期間を華麗にスルーしていた。そして晴れてAmazonプライム会員になったわけだ。油断もあったと思うけど、やっぱりプライムビデオとかで映画を毎晩観てるうちに「まだいけるよな?」「ぎりぎりで良いよな?」みたいな気持ちになっていったのは否定できない。身体がAmazonプライム漬けにされていったのだろう。だからみすみすプライムの契約をするのは癪だけど、「解約の日を忘れてた」ということなら仕方ないよね、などと潜在意識と肉体が勝手に水面下で合意を結んでいた可能性すらもある。
そんなこんなで僕はAmazonプライマーになってしまった。大枚3900円も支払うことが決定している以上は、さしあたって一年間は腹をくくってAmazonプライムという果実をむしゃぶりつくす他に方法が無い。
さてそこで疑問になってくるのが「Amazonプライムはお得なのか?」という事である。ちょっと体験という軽い気持ちで加入してしまったわけで、それほど検討したわけではなかった。
加入してから「お得なのか?」とは本末転倒にもほどがあるが、来年以降のこともあるので考えてみたい。そしてまだ加入していない人の参考になればとは思う。ただし、あくなで「僕自身が思うお得さ」であることは宣言しておく。
サービスをひとつひとつ見ていこう。
初代Amazonプライムの柱のサービス。便利なこともあるけど、基本的にはくだらない。
だってAmazonの注文って、品薄とかマケプレなどの中古品でもなければ基本的に3日以上かかった記憶がない。2日が翌日になっても嬉しいこともあまりない。まあ、嬉しい時も無いこともないけど、お金を払ってまで嬉しくなりたくないというのが正直な気持ちだ。だからこのサービスはあくまでオマケと考える。初代Amazonプライムがあんまり流行らなかったのはうなずける。
2.送料が無料になる。
これは地味にデカイ。現状のAmazonは2000円以上買わないと無料にならない。その前のAmazonはたいがい送料無料だった。その前もたしか激しく有料になってた時期があって、Amazonプライムに加入しないと損だよと煽ってた記憶があるけど、あまりにもプライムに人気がなくて、いつのまにかAmazonが折れてズブズブになっていった気がする。あまり記憶が定かではないけれど。
しかし今回のAmazonは本気っぽい。サービスの改悪というか、単に送料取りたいだけやんけど言われたらそうだけど、支払うはずだった送料を浮かすと考えれば、年間で浮かせれば浮かすほど3900円がお得になってくる計算だ。しかしそのために注文しまくるとかしたら本末転倒どころかAmazonの目論見どおりになってしまう。でもAmazonプライムに入ると必要以上にAmazonに触れる機会が増大するわけで避けては通れない部分なのかもしれない。まあ、おまけ程度に考えていれば、地味に嬉しい。そんなもんだ。
話題になってるこういうの。
正直、いらん。ダッシュボタンを見てる時間よりスマホやタブレットやPCに触っている時間の方が多いからそっちから注文しよう。しかも欲しい商品がない。僕にとってはメリットではない。将来的にはわからないけど記憶から消えていても良いサービス。
4.Amazonパントリー
ふーんって感じ。
5.プライムフォト
これは良い!タブレットやスマホで撮影した写真を、Amazonのオンラインストレージに自動で転送してくれる。それだけだったら無料で使えるのだけど、プライムに加入していると容量が無制限になる。もうスマホの容量を気にする必要なし。
しかも僕はPCに画像を取り込んでいろいろしたい派なので、いちいちスマホやタブレットをPCに接続して転送していたのだけど、この作業が嫌いで嫌いでしょうがなかった。なにせアップルは専用のコードを用意していちいち探してきて接続してやらねばならん。USBの穴だって有限なのである。だからプライム加入前からAmazonドライブのサービスを利用していたのだけど、容量が無制限になったので何も考えずに使い続けれる。というか、使えば使うほど、このサービスに依存し、離れられなくなる気がする。まさに蟻地獄だと思う。大量にアップロードした画像データはいわば人質なんだろう。
とりあえず限界まで依存してみたいと思う。そしてこれからスマホやタブレットは、一番容量の少ないモデルを選び続けようと思った。
<追記>その後、Googleフォトという似たような無料サービスがリニューアルされて、こっちの方が使い勝手が良いので微妙な特典になった。とはいえ万が一の時はプライム解約しても大丈夫になったので有り難い。
6.プライムミュージック
特定の音楽が聴き放題になるというサービス。
最初は「そんなもんYouTubeでええやん」とか思ってたが、実際に使ってみるとまるでiTunesに取り込んだライブラリから拾ってくるみたいに、アルバムがまるごと入っていたりしてすぐ聴けるので便利すぎた。
そりゃ、現状ラインナップはそれほど多くはないけれど、好きなロックバンドのアルバムなんか探しても、それぞれ1枚づつだったりして好きな奴でなければがっかりするけど、ASIAに関してはなぜか3枚も入っていたのにシビれてしまった。一生懸命せっせとiTunesに取り込んだ自分が持っている音楽CDはめんどくさくて聞かないけど、プライムミュージックに収録されている曲なら聞く。そういう事だ。
たまに思い出した時に聴ける感じは便利だ。
7.Kindleオーナーライブラリー(その後プライムリーディングが登場!)
Kindle端末を持っていると対象のKindle本を毎月一冊読めるというもの。
対象の本が狭くてあまりうれしくない。対象の中に読みたい本があり、かつKindle端末ユーザーなら嬉しいのかもしれないけど、そんな大したサービスじゃないと思われる。毎月一冊読めるというから年に12冊もらえるかというとそんなウマい話でもなく、毎月一回、無料で読める本を交換できるだけだったりする。しかも対象の中から。
そもそもの問題として、このオーナーズライブラリー対象になっている本を、膨大なAmazonの中から探し出すのは困難を極める。「オーナーライブラリー 探し方」でググると、攻略サイトがいくつも出てくる。サービスを使うのに攻略サイトが必要だと!?
まあ、そんなサービスだ。Kindle端末が無いと使えないし、「そんなんあったな」程度の認識でよろしいかと。
<追記>上記のようにあまり使い勝手が良いとはいえなかったオーナーライブラリーだが、その後にプライムリーディングというサービスが導入された!これは以下の点でオーナーライブラリーの存在価値をなくすサービスなので十分に魅力的だ!
1.オーナーライブラリーより対象の本や雑誌が格段に多い!
2.オーナーライブラリーは月に1冊を選ぶだけだったが、プライムリーディングは同時に10冊までダウンロード可能。しかも随時交換も可能。つまり対象書籍の少ないKindleアンリミテッド!
3.Kindle端末を持ってなくても利用可能!(←決定的)
4.プライムリーディング対象書籍のチェックボックスを入れておくだけで検索可能なので検索性が高い!
月1500円もかかるアンリミテッドに対して、こちらはAmazonプライムのオマケである。とくに雑誌関係なんかは自分の興味のあるものがあればただただ得である。僕はアンリミテッドの月1500円には、全く価値を見いだせなかったので解約したが、こちらはひたすら大歓迎だ。だってオマケだし。あんがい読みたい本があるし。
プライムリーディングは素晴らしいサービスだ。
8.プライムビデオ
はっきりいって、アマゾンプライムのメインコンテンツはこれである。年3900円で映画を見たいか、見たくないか。これだけで決めればええのである。
「年3900円で映画見放題の契約したら何故か荷物も早く届くようになったゾ!?」これがアマゾンプライムの本質といっても過言ではない。
ラインナップが心憎い。『ロッキー』シリーズ全作が吹き替えで揃っていたり、『悪魔のいけにえ』や『遊星からの物体X』が高画質で観れたりする。『ザ・フライ2二世誕生』とか泣かせるにもほどがある。あと、DVDだとめったにおいてない『26世紀青年ばかたち』がラインナップされてたりもする。『シンゴジラ』が流行ったとなるとすかさず当時話題になった韓国の怪獣映画『グエムル』を加えてみたり、『ゴーストバスターズ』のリメイク版がきたときも『ゴーストバスターズ』オリジナル版の視聴が可能だったりしたのも良かった。
映画以外でいえばバンダイチャンネルと提携していてガンダムとかザンボット3とかイデオンが全話観れたりするし、映画版の『逆襲のシャア』や『機動戦士ガンダムF91』もしっかり入っている(2017.11.現在はラインナップから外れているが…しかし代わりに『太陽の牙ダグラム』全75話が配信されている!)。人生が何個あっても足りないレベルとはまさにこのこと。
昔、衛星放送の有料チャンネルWOWOWに、月5500円くらい払って加入していた時代を思い出して切なくなってしまった。今じゃ年3900円で好きな映画が観れたりする。僕がAmazonプライムを脱会するときはプライムビデオに飽きた時だと思う。それくらい根幹をなすサービスかと思う。映画に興味なければプライムは必要ないとまで言い切ってしまう。
9.Kindle端末が4000円引きになる
これもプライムビデオと密接に関わっているのだけど、プライム会員なら4000円引きになるKindleFireHD8が凄く良い。プライムビデオやプライムミュージックを視聴するにあたってこれ以上に快適でコスパの良い端末もないだろう。なんせ九千円を切るのである。
安いKindle7も選べるが、ここはKindleFireHD8が圧倒的にオススメである。悪いことはいわないので、Kindle端末を買うならFireHD8にして欲しい。これは呪文のように繰り返したい。ペラペラのおもちゃみたいなタブレットなのにヘッドフォンなしでドルビーサラウンドぽいことが楽しめるのは驚愕する。Kindle7じゃモノラルサウンドなうえに性能的にもしょぼい。四千円の差でこれはない。
以上。とにかくAmazonプライムは、プライムビデオありきというのがわかってくれたかと思う。Kindle端末が安くなる特典なんかも、プライムビデオを観るのが前提になっているのだ。だからビデオ視聴用に作られていなくて、電子書籍用のKindle7はあり得ない選択になってくる。かといってKindle FIRE HD10は高すぎる。ぜんぜん美味しくない。
<追記>その後に新型のHD8とHD10が出て、どちらもかなり魅力的な端末になった。詳しくは以下の記事を読んで欲しい。
とにかく映画が好きなら、Amazonプライムはいろいろお得なサービスと言える。映画好きの僕の完全な主観による評価だ。映画を見ないならプライムは入らなくて良いんじゃないか。Kindle本を読むだけならプライム要らんし…。
10.Twitchプライムに自動的に加入できる
またまたプライムに新しいサービスが加わっていた!ゲーム動画配信SNSであるTwitchを買収(2014年に買収していたことを今更知った!)する事によって、Amazonプライム会員=Twitchプライム会員ということになったっぽい。Twitchの有料会員の恩恵を、Amazonプライム会員も受けられるということ。動画の広告表示をキャンセル出来るしゲームなども無料で貰えてしまう。どこまでサービスするの?反動が怖い……。
ちょっとわかりにくいけれど、こちらからAmazonプライムとTwitchプライムの紐づけ可能。
Twitch Prime – Amazon プライム会員では、毎月無料でゲーム内のルートを入手でき、広告なしの視聴、無料のスポンサー登録に加えて、さらに多くの特典が満載です。