めちゃくちゃ放置していたけど、この話の続き。今年の2月に新潟に飛行機で行ってきたのだった。ものすごい昔のことの気がする。
タレかつ丼を食べたあとにヤム氏と古町の飲み屋街の方を散策した。以前来た時は料亭みたいなものばかりで面白くなかった印象だったが、二度目ともなるとそれ以外のものも多少は見えて来るようだ。それでも、ミニ祇園というか、先斗町出張所というか、自分が利用することは無さそうなお高そうなお店が多く、散策してもあまり収穫がなさそうな雰囲気は否めない。
縦横に路地があって闇雲に歩いているといくら時間があっても足りない。いくつか老舗で大衆価格の良さそうな焼き鳥屋とかも下調べしては来たのだけど、あいにく水曜日は定休日というのが多かった。特定の曜日に行ってはいけない繁華街というのはたしかにある。古町は水曜日はいけてないのだろう。おそらく。
路地の雰囲気は良いのだが、これといってひっかかるものは見つからず。ひとつの街をたかたが1時間くらいで知ろうというのはどだい無理なのだ。僕は何年も通ってる街のことも未だにわからなかったりする。ずっと昔からあった店が見えてなかったり。
かつては賑わっていたんだろうなと思わせるには十分なたたずまい。前にも説明したが、人の流れは完全に駅周辺になっている。だからやはりこちらはお高い人か、家や職場がたまたま近い人らしか、もはや寄り付かないのだろう。
そんななか、ふらっと散策しただけでも、旅行者にも遠方からその実力が十分に分かる店の看板を発見。やきとりの名門秋吉新潟西堀店である。ここは広い新潟県でただひとつの秋吉店。このへんにあるとは知らなかった。これは行っておくチャンスなのではなかろうか。わざわざ新潟まで来て秋吉に入らなくても……は非常に癌な思想である。ここで入らないなら新潟で唯一の秋吉にいつ行けるの?新潟西堀店だけ特殊だったらどうするの?やっぱり行っておけば良かったと後悔したら、また飛行機で新潟空港まできてバスで新潟駅まできて駅から歩いて萬代橋渡って食べに来るの?とか、なんぼでも反論を浴びせられる。
というわけで新潟で唯一の秋吉店に入る喜びを噛みしめつつ入店する。コの字になったカウンターのお店だったが、人通りの少ない古町周辺を他人事のようにして店内はパンパン。やはり……。予想はしていたが、秋吉はだいたい地域で一強になりがちだ。まずい店舗だったらどうしようとか少し思わんでもなかったが、この盛況ぶりをみて価値を確信した。うまい具合に席が二つ分すぐあいたので待たずに触れた。タイミングも完璧だった。
メニューを確認する。残念ながら北陸の店舗にありがちな「あぶら」は無かった。まあ、金沢の店にも無いし、富山市も置いているのは一軒だけだったしそんなものかも。高確率であるのは福井だけかも。
しかしもちろん黄金のメニューである純けいはあるわけで問題はない。さっそく純けいを10本頼む。飲み物は大瓶ビールだ。
ドカドカと並べられる純けい。秋吉は目の前の温かいステンレス板に並べられた純けいを、無心でむさぼるためのステーション。かなり焼きが極まった店舗に思えた。支持の厚さに納得。ここで撃沈するまで飲み食いしても後悔はないのだが、いちおう駅周辺のお店もチェックしときましょうということで程々で退散することにした。新潟の秋吉に来れて良かった!これから「新潟の秋吉も行ったことあるよ?」という顔をして生きていこうと思う。
秋吉に行って満足して余裕が出てきたせいか、付近の気になるお店が次々と目に入ってくる。次に新潟に来たときには…と思うんだけど、それがいつになるのかはちょっと分からない。十年後なんてことだけならないようにしなくては。
新潟駅方面まで帰る途中に見つけた万代寿しというお店。あきらかに潰れてしまっているが、越後杜氏の名前が入っていた!越後杜氏のお酒を入れていた貴重なお店が潰れてしまうなんて!
越後杜氏に感じてはこちらをどうぞ。金鵄盃酒造という地酒中の地酒メーカーだ。そちらの社長さんと親しくしていてたびたび飲む機会があるし、このときも試飲コーナーで飲んだりしていたのだった。そのこともまたいずれ書く。
↓最近は通販もできるようになった!美味いのでぜひ!