2020年の2月。古町から帰ってきてJR新潟駅前で飲み屋を探そうとなった時の話。十年以上前に新潟駅に来た時はたいして何も無かったイメージなんだが、今はたいそう賑わってて客引きもすごくて、わざわざ橋を渡って古町まで行くのは好きものだけやろと思わせるには十分だった。
養老乃瀧の激安ブランド一軒め酒場も出来ていた。いぜんに来たときは無かったはず。おそらく。あったら行ってたかもだし。ちなみに大阪の養老乃瀧も次々と一軒め酒場化している。
そうすると気になるネイティブなお店もやたら目につく。ひよこのラーメン。すごく行きたい。なんで以前は見つけられなかったのだろうか。見る目が養われたのかもしれない。時代がそうさせているのかも。いずれにせよ男子三日会わざれば…というやつだ。女子でも良い。
今はお腹がいっぱいなので無理。残念だ。
ヤム氏がすごく気になってしまったという居酒屋を教えてくれた。たしかにこれは変わってる。6個の目玉焼きが名物とは考えたものだ。誰でもできるメニューなのに誰もやらなかった。そしてこんな蛮勇ふるったメニューを押し出されてると、ついつい入りたくなってしまう。
もうひとつ気になったお店。
なんとモツ煮食べ放題!!!
これもありそうで無かった展開。関東居酒屋にありがちなモツ煮は好きだが、食べ放題にしたいと思ったことはないし、そんな需要があるものだろうか気になる。どういうシステムなのかも気になる。
しかし味わいに溢れた看板だ。居酒屋としてもすごく興味がひかれる。このビルは記憶に残っていたが、モツ煮食べ放題の看板は知らない。居酒屋自体は前からあったのだろうが(じゃなきゃこの味わいは出ない)モツ煮食べ放題は近年のサービスのはず。看板も新しいし。
とりあえず入ってみたら、手前にカウンターがあり奥にテーブル席があるようなお店。この道数十年くらいの超ベテランなお姉さんがお出迎えしてくれた。
肝心のモツ煮だが、食べ放題は60分で500円ということだった。単品で注文する場合は400円。なにそれ!?どういうこと!?
この看板を見て入ったのだし、興味があったのは間違いないが、タレかつ丼を食って、秋吉で純けいを食ったあとにはさすがにキツいと思って注文しなかった。いまにして思えば単品注文くらいしたら良かったかもしれない。
このお店、基本は、いわゆる大皿にあれこれ料理が並べてある系の昭和な居酒屋。名前はわからんが気になる食べ物が並べてある。そんなにお腹に余裕はないが貰ってみたくなる。
新潟らしく熱燗をいただく。銘柄のなかでいちばん安いやつを。それでも白鶴まるとかではないので安心できる。千代鶴220円と無監査350円。それぞれ一合の値段。新潟で飲まれている日常酒だ。お猪口はカウンターにある好きな奴を使ってくれと。
大皿に煮込まれた団子みたいなのがあると思って貰ったらたまごだった!
うすあげも貰う。
焼き鳥というかやきとん系。煮込みがあることからもお分かりのように完全に東日本系のスタイルの居酒屋。ここの串はなかなか美味かった。おそらくモツ煮もいけてるはずだ。なんで頼まなかったのだろう。
最安値の千代鶴も貰って漬物でちびちびやる。新潟にきた醍醐味だろう。2人で飲み食いしたけどめちゃめちゃ安かった。そりゃあお酒のお値段がねえ。これでモツ煮食べ放題で飲んだらもっとだろう。人によったら千円くらいで満足しちゃうかも。
モツ煮食べ放題は人気ですか?と聞いたら、学生さんなんかがよくやってるよと教えてくれた。看板メニューにしたくて始めたとか。目論見通り看板として十分目立ってた。新潟駅前にあって実に良い店だ。