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焼肉レストラン登ら志のミャウダー氏が倒れてしまったこと。

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2020年の10月10日。焼肉レストラン登ら志の店主であり、もてラジメンバーでもあるミャウダーが意識不明の重体だという一報がLINEに入っていた。状況は分からないけど脳出血からの緊急手術ということだからどう考えてもヤバいのは分かる。ミャウダーのLINEにメッセージを送ってみたら、奥さんから返事が返ってきたので間違いは無い。何も出来ることはないのでTwitterに報告して、応援のメッセージを集めた。目を覚ましたミャウダーがこれを見てくれるように願いを込めて。手術が成功したか失敗したかは分からないので、脳出血から回復した例をなんとなくググって、二週間の昏睡状態から復帰した老人の話なんかを読みつつ「まだまだ全然大丈夫かもしれん」などと自分を落ち着かせていた。

 

4時間後。手術は成功して一命をとりとめたというメッセージが回ってきた。ほっとした。いままで何度か倒れていたけど今回も決定的なことでは無かったのか。でもよく読むと、下の行に脳死とあった。ノウシ…。数秒くらい反応が追いつかなかった。もう一度同じところを読んでみた。やはり脳死と書いてあった。念のためLINEで確認をとると、医者からミャウダーは助からないといわれたという奥さんからのメッセージが来ていた。

 

つまり…ミャウダーが目を覚まして、Twitterのみんなからの応援を読むなんてことは永遠に無いのだ。二度と会話することも無いのだ。くだらない話をふって、くだらない返しをしてくれることも永遠に無理だという宣言。頭の中に空き缶を放り込まれて何度も蹴り回されるような気持ちになった。ミャウダーのかつての声や、くだらない会話がぐるぐると頭の中を回る。ほんとどうでも良い発言が浮かんでは消えて、また勢いよく浮かび上がってきて脳内で反響している。これは一日経った今もなかなか消えてくれない。「ミャウダー最近どうなん?」と思わずLINEを送りそうな気持ちになってしまうのを必死におさえている。

 

ミャウダーと最後に会ったのは、8月31日の僕のお誕生日会を登ら志でやった時。ここのところ何年も焼肉レストラン登ら志でお誕生日会をやることにしていた。お誕生日会の会場として使うくらいしか、ミャウダーの応援に出来る事は思いつかなかった。それでも結局はかなりサービスしてくれるので、応援なのかどうなのか分からなかったけど。おまけに誕生日プレゼントとしてジョニ黒を貰ってしまった。けど、コロナ情勢を鑑みて、2020年はごく身近な人たちの集まりになったので、そのぶん多いに楽しんだ。その日に集まった何人かもこれが最期になったと思うけど、本当に出来過ぎなくらい良かった。本来こんなセルフお誕生日会なんてやるような人間じゃなかったんだけど、無理してでも何年か開催してきたおかげでもあるし、参加者が共有できた楽しい思い出というのも良い。いま考えてもひとつの奇跡のよう。(写真はお店の壁に貼っているテレビの取材や芸能人のサインなどを紹介している様子)

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そしてお誕生日会をやったその次の日に突然にミャウダーから電話がかかってきて「(上本町の)ハイハイタウンに飲みに来てるのだけど〇〇って店どうなん?」っていう話を振られる。答えてたらなんだか話が怪しくなってきた。既にかなり飲んだらしくてベロベロになってるのだ。だからほどほどにして「じゃあ切るで」と言って切ってしまった。次の日に「ごめんなさい。今日の名古屋イベント頑張ってください」とLINEの文字メッセージがあった。9月2日は名古屋でのイベントに出演する日だったのを彼は知っていたのだ。そういうのが最後の肉声での会話になるとは思わなかった。もうすこし喋っておいたら……という後悔というのは無い。どうせ酔っ払いだし。酔っ払いのわけのわからない会話が最後というのがミャウダーらしい。酔っ払うと気が強くなって、やたら電話をかけたがる人がいるがミャウがまさにそれだった。具体的にどんな人たちに電話をかけてたのか。今さら確認しようもないが、その一人に僕が入ってたのだった。ミャウダーの人生における最大のテーマは寂しさだったように思う。もう、寂しさは感じないところに行ってしまったのか。まかり間違っても永遠の孤独なんかではあって欲しくない。そう願うばかりである。

 

最初にミャウダーと出会ったのはいつ頃になるのだろう。たしか2002年にはネットラジオというものを始めてて、2003年ごろにはその関係でミナミ界隈のイベントホールによく出入りしていて、その頃にはおそらくミャウダーに出会っていたようだ。当初の彼は苦逃(くにげ)と名乗っていた。爾来ずっとネットラジオを応援してくれていた。BS@もてもてラジ袋というよりもネットラジオそのものを応援してくれる最大の存在だったように思う。やがて我々のメンバーとして不定期で出演してくれるようになっても、そのスタンスは変わらなかった。お世話になったネットラジオ勢は多い。「もてラジの1番のファンですよ!」とよく言って貰ってたが、他のネットラジオにも「1番のファンですよ」って言ってる雰囲気があったし、実際そうだったろうし嘘は無いと思う。とくに何か偉大な分かりやすい功績があるわけでもないが、ただただ無償の愛情を注ぎ込んでくれる存在の有り難さを、みんなが感じていたと思う。そういう意味でもネットラジオ界のゴッドファーザーと呼んでも良い。もてラジの正規メンバーとしてTシャツを支給したのを店でよく着てくれていたが、他のネットラジオのTシャツも購入してよく着ていた。正直オイオイと嫉妬もあったが、今になればそれで良かったのである。九条の町内会の団扇にもてもてラジ袋の協賛を入れて宣伝もしてくれた。それでどんな宣伝なるねんとつっこんだもんだが、グッズとしてお店に来るリスナーさんに配っていたのが何人かの思い出になっている。倒れる前の週とかも、味園のB.カシワギ兄弟と、東京のアマゾンプロダクツ遊びのラジオの面々が焼肉を食べにきてたり(その時も誘われたが時間が合わなかった!)、元三田へたれぃでおのまさと氏が来たり、ギリギリまでネットラジオ界隈から親しまれていたのが分かる。

 

最後にラジオに出て喋ってもらったのは2020年3月だろうか。本当はもっと出てもらいたい気持ちもあったし、たまに会うたびに「ぶーちゃん、もてラジに出たいよ!」と何度も言われたのも事実。でも時間が合わないのは仕方がない。お互いの都合を合わせるとどうしても、焼肉店の終わった深夜開始にならざるを得ず、ミャウダーは早朝に起きないといけない生活。そうするとどうしても寝落ちという結末になりがち。そうでなくてもテンションを上げるために酒が入ってたりするのだ。そうすると心苦しくてなかなか誘えないという実情もあった。こちらは良いから店や家族のことを優先して!そしてゆっくり寝て!お酒は控えて!というのは僕のエゴだったかもしれないが、無理に狩り出すのにも気が引けたのだ。最後の3年くらいは入退院を繰り返してかなり具合が悪かったし、睡眠を削って生活をしているのは度々聞かされていた。そのへんの事情はラジオでもよく語ってたと思う。

 

たしか7月くらいに、今日ならお互いに時間的に余裕があるかもしれないと誘おうとした日があったが、なんとその日に入院と言われた。タイミングが合わないというのはつくづく合わないのだ。そんなことをミャウダーのTwitterやLINEを掘り返しつつ思い出していた。会えなくなった途端に、LINEやTwitterをちまちま漁りだす人類の小ささを実感する。しかし「あれは何だっけ?いつだっけ?どんな話をしたっけ?」と確認できる相手はもうそこには居ない。

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おそらく今はベッドで静かに寝てるらしいミャウダー。どんな様子なのかは想像の範囲でしか無い。手術したと言ってたが脳の切開?丸坊主?ずっと夜遅くまで働いて早朝に起きるなんて事を繰り返してたんだから、そのまま何年か寝かしておいて欲しい気もするが、きっとそうもいかないのだろう。たとえ面会できても、誰も何も伝えられないし何も返すことは無いのだけど。見られたいのか見られたくないのかも分からない。いずれ彼のことは誰も話さなくなる日が来るのかもしれないが、まだ僕らが生きている間だけでも、何かの話題にしていくことは出来ると思う。

 

ミャウダーは孤独になるのをひどく恐れていた。「そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。」という名台詞を残したルドガー・ハウアーも、一足先に亡くなっている。苦しみから逃れると書いて苦逃と名乗っていたミャウダー。求め続けたものを得られない悲しみを語ってたミャウダー。そんないろいろの涙も、穏やかな雨の中で洗い流されていく事を願わずにはいられない。

 

ちなみに、ミャウダーというHNは『さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅』にて富山敬が演じていたアンドラード星系のミャウダーというキャラクターに由来する。「俺より先に死ぬなよ。男の約束だぜ。」というセリフが好きでよく言っていた。具体的にどのあたりが好きだったのか、この映画に対する思い入れについて何度か尋ねた気はするがよく分からなかった。もう一度尋ねる機会は永遠に失われた。

 

追記。10月15日に肉体も含めて永眠されました。

さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅

さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅

  • 発売日: 2015/04/28
  • メディア: Prime Video
 

 

ネットラジオのミャウダー回が最新から並んでいるはずです。

 

ミャウダーがやっていたYou Tube。


禁酒中店長の生い立ち話、店長のお父さんお母さんの事。

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