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なぜ我々は赤星ことサッポロラガービールを飲んでしまうのか!?

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今年もコンビニやスーパーに「赤星」ことサッポロラガーが並んでいた。定期的にビール棚に登場するようになって何年くらい経つだろうか。見かけるとついつい買ってしまう。

 

サッポロラガーのことを知らない人がいるかとは思うので説明すると、1877年に北海道で登場したビールで、現存する中で日本最古のブランドだ。140年も前からあるのだから凄いものだ。ビールを頼んだら何も言わずに赤星が出て来るような飲食店に、なんとなく老舗感があるのはそういう文脈があるからだ。

 

このサッポロラガーというのは、流通している地域が少なくて、以前は関西でほとんど見かける事は無かった。北海道ではたぶんずっと売られていたと思う。関東でもけっこう昔から流通してたのではないか。もちろん関西でも一部の店にはあったのだけど。

 

かれこれ二十年くらい前になるけれど、東京に遊びにいったおりに友達が「コンビニでサッポロラガーが飲めるぞ」とか教えてくれた。当時の僕は「は?ラガーってキリンの?そんなの普通やん」とかいう程度の認識だった。サッポロにもラガーというのがあるのを知らなかったのだ。キリンラガーより古い銘柄なのに。そしてコンビニで売られているモノのを見てびっくりした。ぜんぜん見たことのないサッポロ。関東だけにこんなのがあるのかと。

 

ちなみにキリンラガーは1888年に登場しているのでこれもずいぶんと古い。関西でラガーといえば100%キリンのものを指していた。僕としてもサッポロといえば赤星ではなく、黒字に金の星の黒ラベルのイメージが強い。黒ラベルは40年の歴史だそうなので結構新しい銘柄だし、僕がビールを飲み始めた頃にちょうど目の前にあったやつである。あとはご存知ヱビスビールだ。

 

「ラガー」という名前はラガービールのラガーだ。常温以下の環境を人工的に作り出して、そういう環境で発酵する酵母を使ったビール。いわゆる下面発酵で作られるビールをラガービールという。現在の有名なビールというのは下面発酵で作られるラガービールが大半なので、サッポロがラガーという名前をつけても、キリンがつけても、別に問題はなくて、日清やきそばというのと、マルちゃんやきそばとかいうのと変わらない。そういう事情を知らなかったので、子供のころはラガーといえばキリンだろうとか思ってしまっていた。

 

冷やしながら作るラガービールに対して、日本酒と同じように常温の環境下で、上面発酵の製造工程で作られる昔ながらのビールを、エールビールという。ヴァイツェンだのペールエールだのスタウトだのといったやつは、エールに属するビールである。

 

日本でビールが広まった時は、すでにラガービールが主流になっていたので、エールを楽しむ文化は育たなかったことになる。ただし現在は各社からいろいろのエールビールが販売されている。ギネスビールなんてのは有名なもののひとつ。地ビール系にもエールが多い。

 

横道にそれてしまったので話を赤星に戻す。そんなわけで関西ではあまり知られて無かったサッポロの赤星だけど、現在はコンビニやスーパーで定期的に販売するようになって関西人も飲む機会が増えた。それと平行して、立ち飲み屋や安居酒屋を中心としてサッポロラガーを提供するお店も増えて、僕もものすごい勢いで飲むようになった。

 

東京を本拠地にする養老乃瀧グループなんかも、いつごろからか赤星を提供するようになった。養老乃瀧グループが運営するリーズナブル居酒屋ブランドである「一軒め酒場」の天満駅前店なんて通いつめすぎて、僕はここで何本の赤星の大瓶を消費したのかわからないくらいだ。

 

それまでは関西でたまに赤星を扱っている居酒屋なんかがあっても、価値をぶっこいて少々お値段を高めに設定していた。しかしサッポロの営業努力もあって、今や赤星は関西でも特別なビールではなくなった。それでも、コンビニ・スーパーで常時手に入る状態でもないので、スポット販売だとついつい買ってしまうような塩梅だ。

 

僕がなんでそこまで赤星に執着しているのか。サッポロが好きだというのをのぞけば、缶や瓶のラベルのレトロな雰囲気に呑まれてしまっているからだろう。あと、なんだかんだで、常時手にはいらない微妙なプレミアム感。

 

冷静に考えて、ふだん何も考えずにグビグビと飲むならば黒ラベルだろうと思うのだ。なにせ黒ラベルはテクノロジーの恩恵を受けたフィルターで、酵母を綺麗に取り除いて作られた生ビールだ。生ビール、いわゆるドラフトビールというやつ。それに対して赤星はいまだに加熱処理ビールなので、酵母の風味の濃厚なクラシカルなタイプ。それが嫌というわけではないけど、爽やかな黒ラベルは飲みやすい。現代の味がする。

 

実はキリンのほうのラガービールも、昔は加熱処理ビールだったが、今では非加熱処理の生ビールに変わってしまっている。最新技術でもってアップグレードされていたのだ。それに対して、昔ながらの加熱処理のままのバージョンのキリンラガーは、しばらくしてクラシックラガーという名前で、別の銘柄として売られるようになった。単に技術が未発達の時代のビールとして片付けるには惜しいということだろう。生ビールしか知らない人も、けっこう新鮮な気持ちで飲めたりもする。

 

キリンラガーとクラシックラガーの味わいの差を理解していただけるなら、赤星と黒ラベルの違いもなんとなくわかっていただけるだろう。

 

もうひとつ、北海道限定のビールであるサッポロクラシックというやつ。こいつも美味い。これはラガーや黒ラベルと違って、麦芽とホップした使ってない本場感のある製法の商品だ。1985年から出ているらしいが、前までは北海道にいくしかなかった。今ではちょくちょくスーパーで売られているのに遭遇する。サッポロはこのクラシックに関しても、全国にアピールしたいみたいな気持ちがあるらしい。サッポロの営業には頑張ってもらいたいものだ。大阪で常時飲めるくらいに。

 

温玉ブログはサッポロを推していく。(キリンもアサヒもガンガンに飲むけれど)

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