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『貞子vs伽倻子』にどうしたって200パーセントくらい期待してしまう理由

sadakovskayako.jp

『貞子vs伽倻子』とか冗談かと思っていたプロジェクトがいつのまにやらちゃんと形になってしまってて、公開日まで決定されていた。

 

日本を代表するホラースターというか、ホラーモンスターである貞子と伽椰子が共演して、しかも戦わせてみようなんて子供じみた発想だ。

 

昔でいったらゴジラvsガメラみたいなもの。

 

とはいえハリウッドで2回も映画化されたゴジラに対して、ガメラはそんなに海外では知られてないはず。ガメラは作品数もかなり少ないし、知名度の面ではかなり落ちると思われる。

 

それからしたら、貞子が出てくる『リング』もハリウッド・リメイクされているし、伽椰子が出てくる『呪怨』に至っては、ハリウッド版が3本も作られている!!え!?なんで!?なんでそんなに受けたの!?

 

ある意味で、ゴジラvsガメラなんてもんより、サダカヤはもっとすごい夢の対決といえる。今まで日本で創られた架空映画キャラクターの中でも、夢の対決度合いでいえば最高レベルの無茶苦茶さという言い方も出来るだろう。

 

まあ、いってみれば、アントニオ猪木モハメド・アリが戦うみたいなもんだし、ブルース・リージャッキー・チェンが戦うようなもんだ。まあ、ブルース・リーは『燃えよドラゴン』の中でジャッキー瞬殺したけど。そして、この中で、日本のものは、アントニオ猪木しかおらんけれど。

 

思えば、海外でも知られる規模のキャラクターが対決するなんて路線は、今までの日本映画にはありえ無かった。そもそも世界規模のキャラクターが少ない。『ピカチュウvsドラゴンボール』なんて映画があればよかったんだろうけど、不幸にして(?)そういうのが作られることは無かったし(今後は知らん)。

 

だいたい、ピカチュウだのドラゴンボールだのといったベイビイフェイスキャラクターが対決路線といったって、どうせヌルい共闘路線しか浮かばないわけで(古くは『マジンガーZvsデビルマン』やら『マジンガーZvsゲッターロボ』、新しくは『ルパン三世vs名探偵コナン』みたいな)観客が真に見たいのは「本気で戦ったらどっちが強いか」なのだ。そんな血で血を洗うような対決をするためには、ゴジラみたいな血も涙もない怪獣とか、今回みたいなホラーキャラクターが最適だ。

 

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そうなると日本のホラーの中でのワールドワイドなキャラっていうと、前述の通り貞子と伽椰子が2大巨頭なわけで、「ほんとうに戦える夢の対決」としてはこれがおそらく理論上最高峰のカードだ。それが本当にヤルっていうんだから注目せざるを得ない。

 

期待は高まる。否が応でも。しかし同時に巻き起こる不安と諦め。

 

なぜなら、映画ファンは覚えているからだ。過去に本当にあった夢の対決路線の苦い思い出を。

 

猪木vsモハメド・アリの塩試合を持ち出すまでもなく、ハリウッドではすでに『ジェイソンvsフレディ』『エイリアンvsプレデター』など数々のしょっぱい映画たちを世に問うてきた。そのたびに我々は「ま、所詮はこんなもんか…」と諦めの表情で劇場を後にしてきたわけだ。

 

夢の対決っていうのはカードを組まれた瞬間が最高潮。それで客呼べるんだから、本編は消化試合。いつしかこれが映画ファンの暗黙のルールになってしまっていた。

 

あのハリウッドでさえそれなのだ。ましてや日本映画では。だいいち貞子も伽倻子も、それぞれ単体の映画だってどんどん尻窄みであるのに…。だからこそマッチメイクではあるんだけど…。

 

ところが、「監督・脚本・白石晃士」という情報で、事態は完全に一変する。

 

あの『ノロイ』『オカルト』『バチアタリ暴力人間』『カルト』『シロメ』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』『ある優しき殺人者の記録』の白石晃士監督である!この人の映画にハズレなし!と言わしめるあの白石監督である!

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白石監督が『貞子vs伽倻子』を作る!?あの白石晃士が!?

 

「もし…もしも……この出オチ感しかないプロジェクトを、真に面白いものにする可能性があるとしたら、現役の日本の監督の中では白石晃士監督しかいないんじゃないか??」というのが日本映画界を知ってる人間(とくに日本ホラー映画界)の共通認識だったはずだ。

 

実際、白石監督も、この映画の企画があるらしいという話に対してTwitterにおいて「俺にやらしてくれないかなー」とつぶやいてたくらいだ。それがどういう経緯かしらないけど、気がついたら現実のものになってしまっていた。

 

白石監督に依頼を持って行った人間が誰かしらんが、実に話の分かる男だと言えよう。

 

そうとなれば、ホラー映画ファンの反応もすごいもので「『貞子vs伽倻子』なんて完全ネタ映画だと思ってたけど白石監督なら見たいわ」という意見がネットのホラー映画ファンから続出。それどこか「白石監督なら面白いのわかってるから観る」とまで言わしめている状態。かつてここまで勝利を期待されてる監督が日本にいただろうか。三船敏郎がいたころの黒澤監督くらい?もしくは伊丹十三

 

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僕も白石監督なら絶対に面白いはずだという意見には同意ではある。まわりの映画仲間だって同じ気持ちだ。というか、もはや、なんというか、「観る前から既に面白い映画」状態になっている。三ヶ月も先に公開される映画なのにスタンディングオベーション&白石コールが巻き起こってるくらいの感覚だ。

 

そうなってくると、他人事ながら、ちょっと持ち上げすぎじゃないかと怖くなってきた。

 

はっきりいって、人々の『貞子vs伽倻子』に対する期待感たるや、ワールドトレードセンタービルの綱渡りくらいの高さまで持ち上がってしまっている!

 

僕には見えてしまった!400メートルの天空に張り巡らされたワイヤーを、果敢に渡ろうとする白石監督の姿が!

 

『ザ・ウォーク』という恐怖映画を観たのがよくなかったか。

 

これで、ちょっとでもつまんなかったとしたら……白石監督は400メートル上空から真っ逆さまに落ちるほどの衝撃を受けるかもしれない。文句なく粉微塵になって亡くなれる高さだ。あれほど大好きだった白石監督が……。あの白石くんがバラバラの肉片に……。嫌すぎる!

 

『貞子vs伽倻子』という題材は、美味しいと同時に、監督としてのエクストリームな挑戦といえる。もちろん白石監督はそれくらいの覚悟と度胸で取り組んでいるのだろう。まさに『Xミッション』ともいうべきものだ。だから、イチ観客である僕がブルっててもしょうがないのだけど。

 

もっと監督を信じるんや!

 

そういえば、白石監督には、「怖いのがダメな人でも観れるホラー映画を作る人」という、良いのか悪いのかよくわからん評価があって、ホラー映画が苦手だったという人たちにもファンを増やしていたりするので、貞子とか伽倻子とかよく知らんけど、白石映画として大作感のある『貞子vs伽倻子』はぜひ観たい!という話もよく聞く。

 

だからちょっとでも『貞子vs伽倻子』の援護射撃になるために、最短距離で予習できるDVDを紹介しておく。いきなり『貞子vs伽倻子』を観るより、予習しておいた方が絶対に面白い。

 

リング (Blu-ray)

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ホラー小説『リング』の映画化としては最初の一作め。この前に単発ドラマ版の『リング』があって、通は「ドラマ版の方が原作に近いし怖いんだよねぇ〜」とかごちゃごちゃいうけど、この際そういう意見はぜんぶ無視しておいてよろしい。なにせ、ホラーモンスター貞子というキャラクターのビジュアルは、こっちの映画版で確立されたものだ。小説には描写されていない映画オリジナルの貞子の登場シーンはあまりにも衝撃的だった。当然『貞子vs伽倻子』に出てくる貞子は、この映画から始まった貞子である。『リング』の基本ストーリーもこれ一本ですべて網羅できる。続編とかいっぱい出たけど全部蛇足であるので、興味があれば勝手に観ればよろしい。原作小説はめっぽう面白いけれど、とりあえず映画を観る上では、とくべつ読む必要はない。たぶん。

 

 

 

伽倻子が出てくる『呪怨』のハリウッド版リメイク。『呪怨』はVHSのビデオ作品がオリジナルで、通は「最初のVHSのが1番怖い」とかごたごたいうけど、この際そういうのは全部無視で良い。ビデオの呪怨が2作品、劇場版が2作品、そしてハリウッド版が3作品あって、全部観るのは大変であるが、どうせどれを観ても「霊が出てきて人が死ぬ」だけの話であるので、予習なら一つで十分である。そうであれば、オリジナルのビデオの監督が自ら作ったハリウッド版リメイクが、内容的にもいちばんすっきりしていて観やすいと思う。典型的な日本の家にアメリカ人家族が引っ越してくるという絵的

な面白さもあるし。伽倻子の知識なんてのは、これ一本で全部わかるのだ。よほど余力があれば他のを観たりしたらよろしい。

 

 

カルト [DVD]

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 白石監督ファンなら絶対に見てると思われる『カルト』だが、この映画の中で重要な演出になっている不動明王真言が『貞子vs伽倻子』にも出てくるらしい。「のーまくさんまんだーばさらだんせんだんまーかろしゃーそわやかうんたらたーかんまん」ってやつだ。映画自体も『カルト』のノリに近くなるとのことなので、もし、もし、万が一にも『カルト』を未見だという人がいるなら観ておくべし。そして観たよって人もあとせめて5回くらいは観て、『貞子vs伽倻子』公開までに、不動明王真言は唱えれるようになっておこう。そして劇場で「のーまくさんまんだー…」って出てきたら一緒に唱えよう!(アメリカならともかく、日本の劇場だとつまみ出されること必至!)

 

 ちなみに、僕は、『貞子vs伽倻子』の予告編は観てない!どうせ面白いのがわかってるから観なくてもいいと思った。『スターウォーズ・フォースの覚醒』なんて、ポスターすら観ずに映画館に入った男だ。主人公すら知らなかったくらいだ。

 

……

 

最後に、重要な告知。

 

来る3月12日に、なんと、白石監督が、大阪にやってくる!

 

12月に初めての大阪イベントをして以来の来阪!あの時来た人も、来れなかった人もぜひ!

 

『フェイクドキュメンタリーの教科書』の出版記念サイン会&ミニ上映会&トークショーという白石監督尽くしの一夜になるはずだ。僕ことぶたおもトークショーに出演する予定なので『貞子vs伽倻子』の話題もたっぷり振るつもりにしている。質問コーナーなんかもあるのでぜひ参加してみよう。

moteradi.com

去年の12月の初大阪イベントでの模様はこちら。

 

さらに!4月には、白石監督が沖縄に行くぞ!こちらもまた告知する予定!

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