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高松三越裏『木蘭(ムーラン)』の湯麺の奇跡的な美味さ。

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手打ちうどん義経のビルの二階にある木蘭(ムーラン)。1月3日なんかには営業してないかなあと思いきや、なんと開店準備中だった。


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「恐ろしく地味な階段、オレでなきゃ見逃しちゃうね」と言いたくなるような目立たない昭和ビルの二階にその店はあった。


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恐る恐るあがってみると、こんな地味なビルにもかかわらず二階部分が商業テナントになっており複数の店がある模様。木蘭(ムーラン)は準備中とあるが、他の店舗は営業前なのか潰れてるのか全くわからない。うどん屋の義経の看板ばかり目立っていて、他の店の看板はすごくちっさい。こんな二階で店を開くとか自殺行為にも思えるが、木蘭(ムーラン)はカリスマ的な人気すらある店なので続いているのだろう……。


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くるりとひとまわりして(うどんとか食べて)戻ってきてみれば、のれんがかかっており完全に営業していた。出遅れた!と思うものの、さいわいにしてまだまだ席には余裕がありそうだった。それでも口開けを待って5組くらいは雪崩れ込んだとみえて、安定した人気の高さを窺い知れる。「手打拉麺」という看板だったと思われるものが、手打の部分がわざわざ消されていて律儀さとこだわりを感じた。

 

昔は手打ち麺にこだわってた店として有名だったそうな。たしかに大将を囲むようにカウンターが設えてあり、カウンターの中には麺打ち台があった。大将はかなりの老齢らしく、麺打ちは出来なくなったそうだ。そうするとこの台も使われなくなって久しいのだろうか。すみに白い粉が残っているが分かった。店内は昭和的なビルの二階の窓がわりと剥き出しで使われており、事務所みたいなところにカウンターと調理器具を入れて無理矢理営業してるような荒々しさがある。現代の飲食店的なムードは、おおよそ微塵も無いのが面白い。こんな調子で年月が経って良い具合の調和を感じる。鍋をふるう時に換気扇を回すのだけど、よくわからない音とともに店全体が謎の振動に包まれて、なにかの工場にいるような感覚がある。今ではすっかり絶滅危惧種になった、製麺所系のうどん屋(製麺機の横で食わせてくれるタイプ)の雰囲気を思い出してしまった。この店も大将の気力体力生命力次第なところがあるので、いつ閉店してもおかしくない。


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何を注文するのか非常に迷った末に、基本のメニューらしい湯麺800円にした。湯麺というのは関西にはあんまり無くて、僕は首都圏においてその洗礼を受けたのだけど、なんでこれが人気なのかピンとこないメニュウだった。いくつか湯麺を食べてみたが、なんだか気の抜けた長崎ちゃんぽんのような印象しかなかったのだった。なんで首都圏ではこんなのが人気なのかと。

 

だから湯麺にするか肉味噌ラーメンかものすごく迷ったのだけど、湯麺が美味いみたいな話を聞いていた気がするので信じてそれにした。おばちゃんが麺茹でなんかを手伝いながら、大将が中華鍋をふるって作ってくれた。野菜が山盛り。このラーメン二郎の原型的な無駄なボリューム感と、どこまでいっても野菜炒めやんみたいなノリが、自分が湯麺を苦手とする理由なのだろう。木蘭(ムーラン)の開店を待たず、うどん屋二軒も行ってしまった自分を呪う。慣らし運転するようにちょっとずつ食べる。あれ?けっこう美味い。野菜が絶妙に柔らかくて優しい味がする。ちょっと腹いっぱい気味だったのに、するすると入っていく湯麺だった。


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麺もこれまた美味い。ちょっと幅広でちょっと縮れたような麺で食べ応えがある。喜多方ラーメン的なニュアンスがある。湯麺って、麺やスープが地味すぎる印象があったのだけど、この麺はパンチが効いてるし、スープもいくらでも飲みたい不思議な魅力がある。長崎ちゃんぽんより美味いかも。わりとすぐに食い尽くしてしまって汁まで飲んでしまった。湯麺でこんな美味いと思ったのは初めてかもしれない。


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手打ちじゃないとして、今の麺は何なのだろうか。どっかから買ったやつなのだろうか。これはこれでやけに美味い。


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メニューにも手打拉麺ができないとの表記が。残念さが伝わってくるようだ。焼ギョーザ800円が異彩を放つ。わりとみんな食べてたので食べてみたかった。やけに大柄の餃子だったので、食べられないかも?と日和って注文しなかったのだ。結果的に正解だったかもしれないが心残りだ。ここでギョーザとビールで一杯やってみたいが、次にその機会があるのか考えてしまった。もうちょっとだけ長く営業してくれー!

 
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細いビルの階段を撮影した。帰り道の方が目立つ看板がついてるのはなんなんだろうか。とにかく味がある建物だ。こちらの手打拉麺は消せなかったようだ。場所が怖いものねえ。アサヒビールのロゴが実に良い。


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隣の建物は取り壊されており歯抜けになっていた。こういうのを見ると悲しくなるが、今はあちこちこんな調子だ。手打ちうどん義経と木蘭(ムーラン)のビルもそのうち……。

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