今年は広島県の福山市に2度も行った。もしかしたらもう一度くらい行くかもしれない。そしてそのおかげもあって自分がJR福山駅に行ったら必ず買って食ってしまうものが出来てしまった。それが隠れた福山名物ともいえる「サイコキラーおにぎり」だ。今回はこれを強力にオススメしたい。
それは福山駅ビルに併設されている「さんすて福山」にある。けっこう早朝から開いている。福山駅に来ることがあればぜひ立ち寄って欲しい。改札を出てすぐのところだ。
さんすて福山内には様々なお土産物屋や食べ物屋さんがテナントしているが、その中から「おにぎり奉行」というお店を探してみよう。それが噂のサイコキラーおにぎり。なにがサイコキラーなのかはすぐにわかる。
サイコキラーおにぎり店には焼豚が吊るしてある。これがまた『悪魔のいけにえ』的なサイコキラー感を演出しているが、サイコキラーおにぎりの名前の由来はそこではない。でも無関係でもない。とりあえず眺めておこう。後の伏線になる。
このお店には、シャケとか、おかかとか、ウメとか、こんぶとかといった各種おにぎりが並ぶとともに、焼豚とか、唐揚げとか、各種惣菜も売られている。もりせんという焼豚のお店が営業しているおにぎりショップなのだ。もともと焼豚と肉味噌というものをメインで扱っている業者なのだが、なぜか福山駅でおにぎりショップをやっている。まあ、2000円の焼豚の塊だけ売ってても、そんなにたくさん売れるものでも無さそうなので、駅に出店するにあたって「おにぎり」という選択は良いところを突いてくれている。
だもんで、福山駅を利用するときは、このお店でおにぎりを適当にみつくろって買って行くと良い。選んだおにぎりをパックに入れて手提げ袋に入れてくれる。このサイコキラーおにぎりをヤジベエ氏に勧められた僕も、とりあえずわけもわからずオニギリを3つほど選択して包んでもらったわけだ。
その状態がこれだ!!!
おわかりだろうか。溢れ出てくるサイコキラー感。無駄に長大な肉切り包丁を持ち、もう片方には骨付き肉をぶら下げている。先に掲載した写真みたいな焼豚をイメージしてるのだろうけど、スキンヘッドのエプロン姿のおじさんからは拭い去ることにできないエド・ゲインさが滲み出てくる。これはいわば、おにぎり版『悪魔のいけにえ』といっても差し支えない。
普通、焼豚をイメージしたイラストとかならば、おじさんが適当な包丁で肉を刻んでるみたいな内容でも構わないはずだ。スキンヘッドはもりせん社長の風貌なんだろうか。それはそれで良いけど、なぜ肉をぶら下げて歩いているのかわからない。焼豚のアピールならば別に歩かなくても良い。「歩く」という無駄なアクションのせいで、長大な肉切り包丁の存在感とか圧迫感が増していってるし、本来だったら食品加工業として普通に思えるエプロン姿がどこかおかしなインパクトを出してしまっている。
「あなた、なんのお肉をぶら下げているんですか?」とサイコおじに尋ねたくなる。想像力をかきたてられる素晴らしいイラストと言わざるを得ない。数百円でおにぎりを買ってこんな感動できることはなかなか無いのだ。
包装紙には、米の良さとか、沖縄の塩とか、有明の海苔とか様々なアピールがある。サイコキラーとして、おにぎりでも妥協するわけにはいかん!という気概が伺える。
実際はじめて買ったサイコキラーおにぎりはこの3つだった。シャケと、唐揚げおにぎりと、五目系のなんかだったと思う。はじめてということで無我夢中で、あまり自分の好みとか考えずに適当に選んでしまった。
駅を出たあたりの適当な場所でひろげて、無我夢中で食べてしまったらすぐ消えてしまった。ひとつひとつが小ぶりだけど、具や海苔とのバランスとか程よい。美味いか美味くないかといえば間違いなく美味い。コンビニでおにぎりを買うより数段上の満足感がそこにはあった。
しかし駅のすぐそばで、立ったままオニギリを消していくおじも考えたらこわい。しかもそのときは小雨がぱらついており、ちょっと階段の下に対比しながらぱくついていた。小雨のぱらつく中でおにぎりを食べるおじ。肉切り包丁もって練り歩くスキンヘッドのおじと変わらんかも。実はというと僕は坊主頭にしている。人をそこまでしてしまう奇跡のおにぎりなのだ。
そして福山で一泊して、電車で変えるときに、また買ってしまうのですよサイコキラーおにぎりを! 福山駅を使う宿命のようなものかもしれない。人生においてこんな頻度でおにぎりを買ったことなんてない。
肉系に他にも揚げ物が充実しているのがサイコキラーおにぎり店の特徴だ。おにぎりに唐揚げとかチューリップとか合いすぎるので困る。ちょっとしたお弁当として組み合わせても楽しいかもしれない。
だいたいこういうラインナップになっておる。サイコキラーおにぎり。注文するときは必ず最初に個数を言おう。最初これがわからずに、店員のお姉さんにだいぶ迷惑をかけた。言われた個数にあわせてパックを用意して詰めていくからである。しかしそれから何度も買ってるが、そのたびに個数を言わずに迷惑をかけ続けている自分がいた。食べる人までサイコキラーにしてしまうおにぎりなのかもしれん。
下の段には惣菜が並ぶお皿があるが、惣菜が並んでいる時間帯に訪問をしたことがないかもしれん。サイコキラー惣菜もいつかは…と思っている。
福山駅ホームで電車を待ちながらサイコキラーおじさんのイラストを見て微笑んでしまう。周りからみたら僕自身ひとりのサイコキラーおじさんなのだろう。
十六穀米のやつが妙に美味い。でも自分としてはおにぎり最強はこんぶだと思っている。でもサイコキラーおにぎりは何だって美味いのかも。おかかだけは注文する気になれないが。
小分けの焼豚があったのでついでに買ってみた。もりせんという会社はそもそも焼豚の店だ。サイコキラーおじさんも、当初は焼豚をイメージしたイラストだったはずだ。これを食わずして何のもりせんぞ!と思ったわけだが、食べてみれば何ということもない焼豚だった…。豚の形のタレ入れは良かったが。しかし電車で食ってたらタレで手が汚れてしまった!
後日、再び福山を訪問。一直線でサイコキラーおにぎりに。すっかり福山駅でのルーチンになってしまっている恐怖がある。
撮影するのが義務。再会の喜びを隠しきれない。すっかりサイコキラーおじさんに洗脳されたおにぎりサイコキラーがそこにいた。太陽の光をうけてキラキラ輝くサイコキラーおじさんが眩しい。
駅の正面にある鞆の浦へ行くバス停で食べながら待つことにした。名高い観光地である鞆の浦へのお供にはサイコキラーおにぎりが最適だろう。海を見ながらサイコキラーおにぎり。でもバスが来る前に食べてしまうから無理なんだけど。
今回はチューリップ(手羽元を揚げたやつ!)も買ってみた。「一口チキン」という商品名なので「チューリップ」っていっても店員さん分かってくれない可能性がある。パッケージにサイコキラーおじさんが印刷されており感動があった。
お味の方だけどパリパリに揚がっていてなかなか美味い。何もつけなくても食べれる。あっという間に骨だけにした。ここの揚げ物はだいたい美味い気がする。
今回はさすがに余裕をもってチョイスできた。うめ、こんぶ、シャケの見事なおにぎり信号が出来上がっている。サイコキラーおにぎり三国志だ。さしずめ、こんぶが魏の国であろう…。ほかは各自で想像して欲しい。
バスを待っているうちにあっという間に消してしまった。サイコキラーおにぎりは、美味いけどすぐ無くなるのが寂しい。ちょっと物足りないくらいが後を引くのだろう。
そして何やかやあって帰りの電車。またしても朝からサイコキラーおにぎりを買いにいってしまっている。
伝統ともいえる撮影。サイコキラーおにぎりは、買って、袋を撮影して、食べるの3動作がセットだから。撮影するまでがおにぎりだから気をつけて欲しい。買ったらツイッターに「#サイコキラーおにぎり」とタグをつけてアップロードしよう。見に行くので。
ふとお店の方を見てみると、なんと!!!
カラー版のサイコキラーおじさんがそこにいた!!!
これ気が付かなった!!!
好きな漫画がついにアニメ化されたときのような軽い衝撃がそこにはあった。自分の中でサイコキラーおじさんがどこまで大きな存在になっているのか。おにぎりの美味しさとセットで、何かよくない印象記憶化してるのやもしれない。
福山駅のホームは特徴的だ。新幹線と二段式になっているせいでトンネルっぽい陰鬱さがある。このどこか陰鬱なホームで、サイコキラーおじさんの袋をぶら下げて電車を待つ楽しみは他に代えがたい。ぜひやってみて欲しい。
やはり揚げ物を試していく。今回は串カツだ。スケルトンなサイコキラーおじさんも健在。味の方は…まあ…フライって感じの代物…。ぜんぜん食べれるんだけど、ソースが無いのが少し寂しいかも。家まで持って帰れば良かった…。
思い切って好きなこんぶ2個にしてみた!このせいで最初に申告した個数と狂ってしまい、また店員さんに迷惑をかけてしまったのだった。そして電車の中で食べるサイコキラーおにぎりは格別なのだった。
福山に来たらぜひ買ってみて欲しいサイコキラー。次回は本店の方まで足を伸ばしてみても良いかもしれない。おにぎりは売ってないけど聖地訪問的な意味合いで…。気がつけば焼豚や肉味噌を買ってしまっているかも…。
あと特筆すべき点としてサイコキラーおにぎりことおにぎり奉行では各種Payが使えること。駅利用客向けを意識してかキャッシュレス対応が半端ではない。楽天Payまで使えるのはたまげた。ますます好きになってしまった。
↓福山に行ったときのことをラジオでも語ってるよ!