温玉ブログ

ブログで儲けるヒントは絶対に教えません。


スポンサードリンク

尾道に行ったら何はなくとも『めん処みやち』に行くべきだろう。

f:id:butao:20200109112241j:image

とりあえずぼんやりした理由で福山に立ち寄った僕は、そのまま東に向かうことにした。福山からだと広島駅方面になる。とはいえ福山駅から広島駅までは遠すぎる。福山から広島まで行くと、県内移動なのに2時間近くかかってしまうのだ。広島は広島を主目的として行くべき土地だ。この場合、なかなか行く機会も少ない三原駅に行きたいと思った。三原だって福山から50分近くかかるし、往復で千円を超える(大阪からだと在来線で片道4840円!)のでなかなか普段は行きにくい場所。広島旅行はしようと思っても、三原旅行をする人は少ない。ついでに寄りたい気持ちが強い。だから僕もついでに寄りたかった。18きっぷの強みを生かして。


f:id:butao:20200109112251j:image

三原行きに乗り込む。が、何故かその手前の尾道駅で降りてしまっていた。尾道は尾道だけで観光客が集まってしまう土地。とりあえず乗り降り自由なので降りておきたいよねえ。


f:id:butao:20200109112253j:image

僕は18きっぷでわりと尾道に行ってしまっている。香川県ほどではないけれど、毎年最低1回は行ってると思う。そういうのを十数年は続けてきたが、尾道という街の変化に戸惑いを隠せない。まず駅がどんどん変わっていっている。最初は小汚いホームのうどん屋兼食堂しかなかった質素な駅だったのに、今じゃすっかり近代的な駅になってウォシュレットまであるという変わり様。いつのまにかカフェレストランまで出来ていた。食堂を返せ!とは思うけど、ウォシュレットはありがたい。前の和式便所は嫌だった。


f:id:butao:20200109112307j:image

瀬戸内海はいつまでも瀬戸内海。駅前や浜辺はすっかり違ってしまったが。


f:id:butao:20200109112311j:image

商店街も変わらない様にみえて、かなりの変貌を遂げていっている。来るたびにお店が入れ替わっている感覚。新陳代謝があって良いんだろうけど。


f:id:butao:20200109112238j:image

かつては路地の渋さがウリだった。今では良い具合の路地も減ってしまった。寂しいけれど、人類は狭い路地を維持するために生きてるわけでもないので…と諦めるしかない。


f:id:butao:20200109112231j:image

ここ尾道でも歯抜けになっていく商店街を十分に堪能できる。駐車場がかなり増えた。あとはマンションとか。どこも同じか。大阪でさえ…。


f:id:butao:20200109112256j:image

そんななか商店街をどんどんと東へ進んでいってかなり奥の右手。「中華そば うどん」の看板に気を引かれる店。これが『めん処みやち』である。この店の看板に明かりが灯っているとホッとする。僕みたいに年に数度という訪問では、なかなか営業時間に出くわさないし、いつ無くなってもおかしくない店なのだ。主人はかなりの高齢者。


f:id:butao:20200109112303j:image
f:id:butao:20200109112314j:image

11時が開店時間とされているが時間通りに開くかどうかは知らない。余裕をもって11過ぎに到着するようにしていた。いい感じの路地から側面に回ると入り口がある。店内はかなりせまいので、満員でないのを祈るばかり。がらがらと扉を開けるとそれなりに人が入っているものの、奥の方にまだ隙間があったので潜り込む。


f:id:butao:20200109112235j:image
f:id:butao:20200109112248j:image

めん処みやちというお店は、狭い店内の両側にサイドテーブル的なものがあり、壁に向かってラーメンやらうどんを食べるようになっている。もともとこの店を知ったのは、初めて尾道に来た折に、尾道ラーメンで有名な『朱華園』に行ってみようと商店街を奥へ奥へと向かっている最中(朱華園も商店街を突っ切った先にあるのだった)に「うどん」という看板に惹かれたのが最初だった。どうしたってラーメンよりも、うどんが気になってしまう性質らしい。

 

入ってみれば先に述べたような狭い店内で、おじいさんがお店をやっており、天ぷら中華なるラーメンがあるのが変わっていた。この天ぷら中華は、衣が円形のひらひらのエビ天(関西でよく見るやつ)に、和風ダシの細麺の中華そばという中々に気の利いたやつで、姫路のまねき食品の駅そばをもうちょっと尾道風に尖らせた感じと言えば伝わるだろうか。日本人なら大体好きになってしまうダシ。尾道ラーメンは背脂を浮かせるのが特徴だと思っていたが、天ぷらを浮かせるパターンもあるのかと感心したものだった。後でいろいろ聞くと「みやちのは尾道ラーメンではない」とか言われてるようだ。でも尾道の店のオリジナルのラーメンだし、みやちの天ぷら中華も尾道ラーメンのひとつの形態として良いんじゃないかとも思ってる。

 

それからも尾道に来るたびに朱華園よりもこちらに行くことを優先するようになる。なにせ老齢の主人とその奥さんらしき人だけでやってる吹けば飛びそうな雰囲気の店。臨時休業も多いし、出来るだけ今のうちに行っておかねば…という気持ちが強かった。それがまさか、尾道ラーメンのカリスマで、三代も続いていた朱華園の方が先に店を閉じるとは(いちおうは休業という体)世の中は先を読むのは難しい。

 

まあしかし2020年も、めん処みやちに行けたのは喜ばしい限りだ。行列とかは出来ないけれど、店はひっきりなしに客が入ってくる。リュックなんか背負ってる観光客丸出しの僕としてはなかなか肩身が狭い。他の人たちは9割がた中華そばか天ぷら中華そばを注文している。それ以外はカレーラーメンとかが少し。僕はその誰もと違う選択肢を取ることにした。

 

f:id:butao:20200109112245j:image

天ぷらうどんだ。天ぷら中華は大人気だが、天ぷらうどんは頼んでいる人は見たことがない。そして僕自身食べたことがない。だいだいたいここの天ぷらは、昼をまわると早々と売り切れてしまい天ぷら中華の注文は不可能になる。だから口開けすぐに入店した人は、早く来た人の特権とばかりに看板メニューの天ぷら中華を注文しがち。そこであえて「うどん」という選択肢が最も贅沢なんじゃなかろうか。

 

以前も天ぷら中華が売り切れたタイミングで訪問して、きつねうどんを食べたのだが、これがこれで大変に美味しかった。それを覚えているので天ぷらうどんという選択肢はずっと心に残ってたのだが、たまに来るとやっぱり「中華」とか言ってしまいがち。今回は本懐を果たせた形だった。写真の通りみやちのうどんはノリが入ってるのが特徴的。そしてうどんはトロトロで美味い。

 

f:id:butao:20200109112300j:image

すっかり満足して店を出た。海賊の像が意味不明さがある。僕と入れ違いに店内は満員になってしまい諦めて帰る人も出ていた。店が狭いのもあるけど人気なのである。親子うどんとか、肉うどんとか、他人うどんとか、食べてみたいけれど、(頼んでいる人はどらくらいいるのか?)また中華そばとか言ってしまいそうな自分もいる。

スポンサードリンク