岡山駅のサウナハリウッドのある商店街の裏通りみたいなところにそのラーメン屋はある。ラーメンポークという。
駅のそばの商店街からひょいと外れただけなのに付近は真っ暗。飲食店がたまにあるといった程度なのだが、そこに離れ小島のように浮かび上がるのがポーク。しかも付近の離れ小島があらかた閉店してしまう23時以降でもやっているので遅い時間だと余計に目立つ。真夜中のほっとステーションといったところか。
店構えはこのような感じ。ごくあたりまえのラーメン屋ではないステーションな雰囲気がそそられる。そしてポークという店名も強烈な印象だ。
ポーク！？なんでポーク！？
とんこつラーメンかな？と思うが、とんこつラーメンをポークと表現する人をひとりも知らない。ポークといえば沖縄でよく食われているポーク玉子とかの塩漬け豚肉缶を連想させるが、まさかそういうラーメンでもなさそう。だいいちポークラーメンなんか沖縄でも聞いたことない（探せば古ぼけた店とかでありそうではあるけど…）
初めてこの店に来たときは、岡山駅前でまだまだ遅い時間にやっている飲み屋とかも少なくて（今でも多くはないけれど）、なんとなく商店街の裏通りをフラフラと歩いていて引き寄せられたのだった。まさか朝の4時とかまでやってる店だとかは知らなかった。
それから岡山に逗留する際は、なんとなく一回は訪ねてみたい店になった。以前紹介した岡山ラーメンの天神そばとはスタイルが違いすぎる営業形態。向こうは昼だけ。ポークは夜遅めからの深夜営業だけっぽい。そして岡山ラーメンの代表と言われるのに対して、岡山ラーメンとしてポークを話題にしている人は僕意外に見たことがなかった。
こんな時間帯にやっているうらぶれた雰囲気のラーメン屋だけにポークは飲める。瓶ビールと熱燗という期待通りの展開。中瓶500円というのはこの界隈では安い方だったりする。しかも深夜に。
肝心のラーメンポークのラーメンはこういうもの。チャーシューは入っているが、いわゆるところのとんこつラーメンというものではない。どちらかといえば鶏ガラ醤油的な普通のラーメンに近い。けど豚でスープをとってないかどうかは知らない。なんだか美味い。夜遅くに食うと余計に。いわゆる岡山ラーメンの範疇ではない気がするが、岡山ラーメンに定義が無いので実際よくわからない。細麺という店では共通しているとも言えるけど。
カウンターに鎮座するポーク！ポークらしさといえばこれだけか。
メニューとしてはこんなところ。どのラーメンも昭和を思い起こさせる味。コーンとか味噌バターとかわかめとか流行ったよなあと感慨にふけってしまう。焼きめしも、みんなが思ってるようなのが出てくる。そんなにパラッとしてなくて…。ラーメンポークは要するにチャーシュー麺とは別に存在する。頼んだ事があったような無かったような…。むかし写真をとったかもしれないが覚えてない。探してあったらまたブログを書こうと思う。それかまた岡山に行った時に注文をしてみたい。カレーラーメンを食ったような記憶もあるのだが記憶違いだろうか。もしくは限定メニュー？いろいろはっきりしないところもポークの魅力。
適当なおつまみメニューも充実しているのがポークのいいところ。深夜のほっとステーションの異名は伊達ではない。なにしろ、ラーメンなんかそっちのけで、こういうものつまんで飲んで帰る常連客が多数。一部の人に猛烈に愛されているのがポークらしい。水商売の人が仕事終わりに飲んだりするにも最適なのかもしれない。
懐かしすぎるテーブル筐体が設置されているのも見逃せない。ポーカーだか花札だか、インストカードをチェックしようとも思えない。一見しただけでわかるものすごくしょうもなそうな雰囲気。これがペンゴとかスカイキッドとかミスターDO!とか、そういうメジャーなゲームだったらラーメンそっちのけで遊びたくなるところだが、コンパネを見ただけでテンションが下がっていくたぐい。どっちにしろ動いてないのでもはやどうでも良いけど。今は単なるテーブルとして使われているし、このテーブルを利用してる人もいない。だいたい椅子がない。しかしラーメン屋でこういうのが置かれているところは、2019年ではなかなか無いだろう。
ラーメンをちびちびつまみながらビール飲んで、しばしゆっくりした時間を過ごしてからラーメンポークを後にする。このステーションを楽しめるのもあとどのくらいだろう。ポークの由来は最後までわからないままなのかなとふと思った。一回ここで馬鹿みたいに飲んだろか？などとありえないことも考えたりして。
人類が岡山駅前で泊まることがあったならば、一度くらいは深夜のポークで飲むべきなんだろうな。
