てっちゃんが内地的な甘味処に興味を示した。さすがスイーツのてっちゃんだ。僕自身こういう昭和なお店は少なからず興味がある。みたら、甘味だけじゃなくて、雑煮とか、お好み焼きなんかも置いている。食堂的な要素もありそうなので、うまくすればビールなんかも飲めるんじゃないかと思ってみんなで入ってみることにした。てっちゃんは蜜豆とか食ってみたいと言っていた。
お店に入ってみると、いかにも昭和な狭い感じのお店。椅子やテーブルも小さくて、てっちゃんなんかは2脚使って座るくらいだ。こういうお店も少なくなってきたし、たまに行くとドキドキするのだ。日本人の大柄化が進んだたしかな証拠を実感できるから。ストーブにはヤカンがかけており、沖縄的な感覚ではとんでもなく珍しいとのこと。たしかにストーブの出番は少なそうだ。お店の人がヤカンから熱々のお茶を注いでくれた。寒風の中を歩いてきただけに、お茶碗を持つことでカイロのような効果が得られる。
てっちゃんはクリーム餡蜜、でぃおは雑煮にした。メニューを見ると焼きそばやお好み焼きにとどまらず定食類まである。中瓶ビールがあるのを見逃さず。僕はこれにした。今日の最初のアルコールだ。旅行に来てるにもかかわらず全員ストイックに飲んで無かった。
お姉さんがビールを焼き物の渋いタンブラーで出してくれた。これは意外。さらにみんなに山クラゲの突き出しをくれる。ポリポリしててやたら美味い。てっちゃんはこれを気に入ってあっという間に消してしまった。
でぃおの雑煮が来た。雑煮ってこんなビジュアルだったっけと戸惑う立派さ。雑煮は地方によってまるで違ったりするから全然わからん。東海地方ではスタンダードなんだろうか。もうほとんど雑炊みたいに見えるが、しっかり焼いた餅が入っていた。お正月の料理といって納得の豪華さがある。
てっちゃんのが運ばれてきたが、クリームが載ってないことを瞬く気がついて、チューバッカのように暴れだす。さすがスイーツ者だけあって観察がするどい。僕なら見逃しちゃう。
お店の人がすぐ気がついてくれてクリームを乗せたやつを出してくれたのでことなきを得た。クリームとかアイスクリームのことなのだった。てっちゃんからしたら餡蜜とかは相当に食べる機会が無いとのこと。
てっちゃんがスイーツをつついてるあいだにビールをもう一本頼んでちびちびやる。
17時近くなると常連ぽいお客さんが入ってきて野菜炒め定食みたいなのを頼んだりしていた。スイーツっぽい雰囲気のお店でしっかり食事する行為には、不思議と何故かそそられるものがある。おにぎり定食というものがあったのが気になる。食べてみたいと思った。
食べログでレビューなど読むと、昼は日替わりランチのみで営業されてるとか。どの料理も手が込んでいて美味そうだ。
お店を出る。もう17時。亀島の串カツの店に向かうことにした。いまからウェルビーに戻ってもしょうがない。戻るのは串カツを堪能してから。太陽堂の熱々のお茶をお代わりしてたから、しばらくは命は保つだろうと。
よくわからない食堂とか見つけるとどうしても気になる。
あと円頓寺商店街の裏手とかには、こちらも渋い串カツやら焼き鳥やらがちらほら存在していた。次来たときはこちらも攻めてみた方が良いのかもしれない。