大阪梅田から阪急ですぐの十三にわりと飲みに行く人類になってしまった。十三駅東口の側の商店街で飲んでると、ら〜めん担担の誘惑に時折負けてしまう。東口では、宮っ子ラーメン阪急十三店もなかなか好きだが、「まあ、いつでも食えるから」とタカをかかってる面もたしかにある。ら〜めん担担の前を通った時に、画像のようにたまたまお客さんが居なかったりすると非常に怖い。自動的に吸引されるしかない。だから僕が前を通るときは、ら〜めん担担に並んでおいて欲しい。並んでまでは入らないから。こう書くとディスってるみたいに聞こえるが、実はめちゃめちゃリスペクトしてるからこその意見だ。もちろんこの日は即入った。22時とかそのへんからは混みがち。土曜日の夜なんかずっと行列だ。
ら〜めん担担のラーメン。いわゆる坦々麺というやつじゃないと思う。坦担ってのは、看板のイラストにあるような、天秤棒で荷物を担ぐ意味だ。天秤棒に担いだ麺を売ってたことから坦々麺と言われるようになったらしい。担担は店名と解釈した方がよさそう。ここのラーメンに呼び名があるのかどうかは知らない。というのも、ら〜めん担担にはメニューというのが存在しないからだ。つまり、ここは客がカウンターに座ったら自動的にラーメンが供される店であって注文をあれこれ迷う必要がない。大盛りとかそういうオプションもない。都会には珍しい究極の単品商売ともいえる店。一種類のみで勝負している潔さに痺れるしかない。
カウンターに座って待ってると、お店の人に「ごはんは?」って聞かれるので「いる」とか「いらない」とか言うだけ。でもせっかくなんでご飯は貰っておきたい。ら〜めん担担はご飯とセットの料理だと思ってる。ご飯はお代わり1回まで出来る。ご飯を食っても食わなくても、全員800円を払って帰るだけの店。
ら〜めん担担のラーメンがどんなかというと、特別なハッタリとか特徴とか尖った点は何も無いのだけど、優しいスープの味、にゅるにゅるの麺、ほどよいチャーシュー、すべてにおいて隙が無い。特徴のないラーメンを突き詰めたらこうなるのか!と驚嘆するしかない。金龍ラーメンの御堂筋の店もこれに近いものがある。もしかしたら大阪ラーメンの解答のひとつなのかもしれない。
無料オプションのご飯。小さい器に、やや柔らかめなご飯。硬めが好きとはいえ、さすがにこれに文句はつけられない。これだけのラーメンを演出する店だけに、ご飯としては美味い。これがお代わり可能なのだ。大盛りで!と言ってるお客さんがいた。「大盛り!そんなのもあるのか!」という衝撃。その人は一杯しか食べてなかったが、お代わり分も一緒に盛って欲しいとかそういうコールだったのだろうか。真相はよくわからない。
ら〜めん担担といえば、取り放題のキムチやニンニクや紅生姜類。これも金龍に似てるっちゃ似てる。これを利用して味変をしたり、ご飯のおかずにしたり、創意工夫が試される。ラーメン自体は何も手を加えないのが一番美味い気がするが、コショウやキムチで濃くしてもそれはそれでしっかり受け止める度量はある。全くそこしれぬラーメンといえる。
まったくの余談ではあるけど、家系ラーメンの流行の影響かどうかは知らないが、レアっぽいぬるぬるチャーシューがなんとなく増えているのが自分的には気持ちが悪い。そんなご時世に、クラシックなタイプのしっかり火の通ってるパキッとしたチャーシューで、レベルの高いものを食えると心が癒される。ら〜めん担担のはまさにそんなのだ。