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温玉ブログ

ブログで儲けるヒントは絶対に教えません。


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イスラム国の人質問題で安倍批判がタブーになるのが怖い

昨年から日本人二人がイスラム国に捕まっていたが、このたびの安部首相の中東訪問をきっかけに外交のカードに使われてしまった。

 

身代金は2億ドル。払わなければ72時間後に日本人二人は首を切られるということだ。

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 2億ドルというのは日本がイスラム国対策ということで中東に支援するのと同じ額だ。

 

そこで安部首相は「テロには屈しない」とか言っちゃっている。

 

これについての是非について、国内では侃々諤々。もしくは喧々囂々。みなさんもああだこうだ言ったことだろう。

 

勝手に中東にいった男を助けるのに何故2億ドルも税金を使わなきゃならんのか。しかもこの男は武器商人とか民間軍事会社をやろうとしていた人物と言われている。いわゆる死の商人に憧れていたらしい。だとしたら余計に救って欲しくなくなる。それを救いにいって捕まってしまったもう一人のほうは可哀想といえば可哀想だけど、やはり自分で望んでしたこと。なぜそんなアホ共を日本の税金で救わねばならんのかと。

 

そこまで考えてふと気がつくのが、日本の税金ってそこまで適切に使われてきたっけということだ。原発を建ててそれを運営したり、どこかの大企業の倒産の補填に使われたり、アホな投資やら、使わないダム工事やら……。

 

考えてみたら、税金なんてものは、一部のアホが得するためだけに散々無駄遣いしまくっている。

 

だったら今さら200億円や300億円をクダラナイことに使い込んでもどーでも良いって気にもなってくる。そのお金を大切にとっておいても、どうせどこかの誰かの懐に入ってしまうのかもしれないし。少なくとも一市民である僕らがどうこう口をはさんだりコントロールすることは絶対に出来ないお金なのだ。ならば日本人のアホな二人組が首を切られるのを防ぐために使っても同じか。

 

でもその2億ドルはイスラム国の戦争の手助けになるじゃないか。2億ドルで購入した武器弾薬で2人以上の人間が亡くなるならば命を助けたことにならないのでは。そういう意見もすごくよくわかる。ならば死の商人に憧れていたアホと、その友達は、このまま黙ってこの世から退場してもらうことにしたほうが平和的には良いのかもしれない。なにしろ(実績はゼロだったらしいけど)死の商人だし……。

 

倫理観というものは難しいものがある。人命の価値というは単純に人数で決まるものでもない。もちろん捕まった二人が重要人物だとかそういう話ではない。数が多ければ損とか得とかいうことではないということだ。同胞を救うか、他国の人間を救うかでも変わってくる。仮に無制限に他国の人間ばかり救って、国内が飢えているとしたらおかしいと思われるのではないかというのはある。悩ましい。

 

しかしだ。少なくとも安部首相が「テロには屈しない!」とアジテーションするのは違うと声を大にして言いたい。

 

今回の事件はテロじゃない。日本が攻撃されたわけでもなんでもない。ここは大切なことなのでちゃんと認識しておくべきだ。

 

いつかのイラクみたいに、自ら望んで潜入した日本人が捕まった。それだけのことだ。日本人のいるところまでわざわざやってきて拉致したのならテロ攻撃だがそういうわけではない。

 

こういう事態に対して、「テロ攻撃された!これは日本の平和に対しての敵対攻撃である!」という以前に、日本がイスラム国に敵対している諸国に与しているという事実がある。これを忘れたらいかんのとちがうか。

 

日本にとって中東情勢は無理して介入する必要がないし誰と敵対する理由もない。イスラム国にしても、イスラエルにしても、その他の諸国にしても、第三者でしかないが、アメリカや様々な国際的なしがらみのせいでうっかり参加してしまっている。

 

中東に対する支援が「いつもやっている人道的支援だ」という理屈はイスラム国にとっては意味のない言い訳だろう。かつて「平和活動派兵」とかわけのわからない理由でイラク自衛隊を送り込んだこともあったがあれだって海外から見れば単なる派兵なわけで、敵対国と見なされるのはしょうがない。

 

「金だけ出してるだけやろ兵隊は出してないやろ」と抗議したとて、イスラム国も「だから金だけ要求してるだけやろ」と言い返してくるに違いない。

 

「日本は十字軍に参加した」と逆アジテーションされたが、そう思われてもしょうがない。しかも「テロには屈しない」と堂々と宣言して、二人が殺されたらどうするのか。次は「テロと戦おう!」とでも言うのか。

 

別にイスラム国に頭を下げろとか協力しろと言いたいわけではない。参加しなくて良かった戦争に参加しようとしている日本政府の態度に疑問があるだけだ。「日本もさっさと反イスラムの戦いに参加すべし」と煽る欧米諸国の言い草にも納得いかない。

 

日本にはイスラムと敵対する理由なんてこれっぽっちもなかったのに。

 

スイスみたいに永世中立国というのは無理としても邦人が人質にとられた時点で身代金を支払うかどうかはともかく「どちらの戦争にも一切加担しない」とキッパリなぜ言えないのか。

 

それどころかドヤ顔で「テロには屈しない!」である。

 

アメリカに基地をおかれている時点で何も考えずアメリカの陣営についていかなきゃならんという現実の日本の置かれた立場は理解している。そのために安倍内閣が憲法を曲げてまで集団的自衛権なんてものを整備したのだ。しかし実にアホらしいではないか。

 

人質に身代金を払うか払わないかなんていくら議論したとて国民に決定権なんて微塵もない。議論なんかいくらしても「人質をとるイスラム国が悪いよね」以上の感情なんて生まれないだろ。「結局マンガ家を撃ち殺したのが悪いよね」となるのと同じだ。

 

だいたい中東諸国に「人道的支援」とやらをするってことについては何の議論もしてないだろう。そんな余力があるならその前に国内の貧困問題に「人道的支援」をするのが筋ではないか。でもそんなことは政治のカードとしては存在しないらしい。むしろ自民党としては基地問題に反対する沖縄県に金を渡さないとすら言っている始末。そんな政府のなにが人道か。

 

そしてよしんば中東に再び派兵するなんて話になってもその拒否権もやはり我々には一切無い。

 

その時に我々はどうするのか。「テロに絶対に屈しない」なんてフランスのデモみたいに脳天気についていくのか。少なくとも派兵なんてことになれば2人の命とかですむ話ではなくなる。

 

ちなみに2009年までの「人道的」なイラク派兵では35人が亡くなっている。

 

次は「人道的」という枕詞さえつかない集団的自衛権による戦闘行為かもしれない。それで得るものは何かよく考えて欲しいものだ。

 

イスラムの無法者から法と秩序を守るため?

 

国内のブラック企業すらまともに取り締まる気がない日本政府が法と秩序を守る?

 

イスラムの無法者から表現の自由を守るために戦う」といいつつ、表現の自由をバシバシ取り締まっているフランスのジョークを笑えない日本人がここにいるのだ。

 

フランスは「たかがマンガやん」と言っていた。

 

日本は「たかがお金やん」と言うのか。

 

東京あたりで本当にテロなんか起きて、本来は何もなかった反イスラム的な機運が高まったりしないよう祈るばかりである。そうでなくとも今の世界情勢は危ない匂いしかしないのである。

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