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日本にブラック企業が多い原因は官僚にあり

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議員が部下の残業代を支払わないと堂々と言ってしまえるのが現代日本の有り様。率先して法律を守るべき立場の人間が、法律の方がおかしいなどと発言して憚らないのだから呆れ返る。

 

これが民間人の議論あったら「法律の方がおかしい」なんて開き直りしたら「おかしいと思うなら法律を変えるべきであって、現状の法律にはとりあえず従え」なんて論調で周囲にボコボコにされるところだ。とにかく従えという意見が正しいかはさておき、こういうスタンスを正義だと信じている市民は多いのではないか。しかし現実には、法律を変えれるべき立場にもっとも近い人間ほど、平気でこんなことを言っちゃうし、やってしまうのである。

 

足立氏というのは当時の通商産業省の官僚をやっていた経歴の持ち主である。官僚というのは日本の経済を無茶苦茶にしている高給取りの穀潰しとして叩かれることも多いが、その反論としてよく言われるのは「官僚はとんでもない激務で、休みなんかほとんどない。朝から晩まで働いている官僚に比べたら民間の会社員なんてぬるい。そう考えると官僚の給料は安いともいえる」なんてもの。こういうことをドヤ顔で言う人はほんとにいる。高級官僚自身が言うのは自画自賛として受け流せるとしても、官僚でも何でもない一般庶民も言うのだから噴飯ものであるが、これはまたこんどの議題として置いておく。

 

そんな「激務が当たり前のエリート」出身の足立氏にとっては、自分の部下である秘書だって365日24時間体制で働くのが当たり前であって「残業代をよこせ」なんてのはぬるいとしか言いようのないのだろう。

 

このロジックはどこかで見たことがあるなと思ったら、ブラック企業のワンマン社長だった。自分は会社のために365日24時間体制で働いているのだから、部下だってそうすべきだと主張して憚らないワンマン社長。こんな下について働く部下というのはやってられない。

 

社長が365日24時間体制で働くのは当然である。だって自分の会社なんだからそりゃそうだろう。会社が大きくなればなることが自分の成功に直結する。でも部下というのは報酬で雇われた従業員に他ならない。そりゃ部下だって、会社が大きくなれば、見返りもあるかもしれないが、そんなものは確実なものではない。とりあえずやった仕事ぶんの給料で契約しているのだから、ちゃんと支払ってもらわなければやってられないのである。

 

本当に365日24時間体制でやってもらいたいならば株式を均等割にして共同経営者として迎え入れるべきである。しかしブラック企業社長は一方的な奉仕を求める。そして妥当な報酬が与えられるかどうかは社長の一存で決まる。まるで殿様とその家来である。民主主義という世界にはふさわしくないアナクロニズム

 

そんなブラック企業社長に、なんでお咎めがあんまりない社会なのかという疑問にはわりと明確な回答が見えてきた。官僚の働き方がそもそもブラック企業体制だからだ。足立氏の悪びれない態度をみると一目瞭然である。エリートの官僚様が24時間体制で働いているのに、民間がダラダラ休んでいてどうすんだという構造が完璧に出来上がっている。官僚から仕事を受注しているトップ企業の社員なんてまさにそういう体制に巻き込まれているのだ。だとしたらその下請けも同じである。そしてそれを模範としてブラック企業も繁殖していく。

 

しかし実際にエリート官僚様たちの仕事ぶりは結果を出しているのかと聞かれると、誰でもおわかりのようにぐだぐだである。民間のほうがよほど利益をあげている。だって民間は利益をあげないとさっさと潰れるから。

 

じゃあなぜエリート官僚様は24時間365日体制で頑張っているかというと、公務員の世界は数字の結果なんて求められていないからだ。忠誠心と上への覚えの目出度さが問われる世界だからだ。そういう世界において、もっとも簡単に実行できる有能アピールが「長時間必死に働いている」「上役に何か言われた時に24時間駆けつけられる」ということである。体力や精神力がいくらあっても足りない世界だ。そして無能な人間ほどはびこっていく。だって仕事をさっさと片付けない方が偉いのだから。そして本当に出来る人間は「生意気」だと周囲から潰される。

 

こういう組織体制では能率というものは上がらないし、最終的に日本経済が世界で負けてしまうのは仕方がない。前の戦争でボロ負けしたのも必然的なのだ。

 

いつまで経っても日本は、殿様と家来の世界から抜け出せない。

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