またしても松屋の特集メニューを試してしまった話だ。
それは、うまトマチーズハンバーグ定食という。
チーズはオプションで、うまトマハンバーグというのもあるようだ。
けどポスターにはチーズを前面に押し出しているので、チーズが本来の姿なのだろう。ピザもトマトとチーズですし。そんなイメージで。
やはり大盛り無料の誘惑に負けて大盛りで頼んでしまう。そしてなぜか中瓶ビールも。後にこの何気ない中瓶ビールがピンチを救うことになる。
うまトマチーズハンバーグ定食はサラダがついてくる。前菜みたいにして出されたので、とりあえず一杯やりつつもしゃもしゃとサラダを食べる。サラダといっても千切りにコーンを乗せているだけの簡素なもの。とはいえ最初に食物繊維を入れておくと何かと好都合だ。(土山しげる著『食いしん坊!』知識)
ほどなく運ばれてきたうまトマチーズハンバーグ。チーズに完全にくるまれたハンバーグもそそられるが、温玉も添えられていてバランスが良さそう。なにより赤と黄色の色合いが期待通りだ。
大盛り飯がいつもよりも大きく思える。これは気のせいじゃなかった。このあとに起きる何かを予見させる拡大効果だったのかも。
とりあえずうまトマチーズハンバーグを、付属のさじで崩しつつ食べる。トマトシチュー的なものに沈んだハンバーグは実際なかなか美味い。そしてハンバーグとチーズは間違いない組み合わせ。
肉とチーズを同時に食うと脳内麻薬物質が出るとかいう記事をどこかで見た。ほんとかどうか知らないが、実際にチーズバーガーは大人気で依存症患者を世界中で増やしている。ピザだって似たようなもんだろう。だから、うまトマチーズハンバーグだって、それに負けないくらいの旨さはある気がする。チーズの濃さが心地よくてどんどん食べてしまう。そこに温玉の黄身もあわせれば鬼に金棒。三位一体の異様な濃さ。ビールが進みまくる…。
ここで恐ろしい事実に気がつき、もっていたさじが止まる。
ごはんが……飯が……ちっとも進んでいない!!!
そうなのだ。うまトマチーズハンバーグは、チーズバーガーとかピザのごとく、それ自体がジャンクフーズとして完結しまくっている。ご飯をまったく必要としないメニューだった!!ビールのおつまみとしては良いけど!!
大盛りをわざわざ注文しておいて残すという行為は、外食におけるタブー中のタブーと言われている。ましてや松屋の特集メニューの期間限定大盛り無料を残すなんてのは、ラーメン二郎でマシマシを注文しておいて残すのに等しい。
「マシは店の誠意なのよ!?」というやつである。
けど…残念ながら残してしまった…。外食者にあるまじきタブー破りだが、こんなにご飯にあわないとは思ってなかったもの…。松屋の味噌汁がもうすこし多ければ…。歴史のイフを言っても仕方がないが。
結局、ビールのおつまみとして美味しくいただきました…。料理としては良いけど、定食としては微妙という変わったメニューだった。