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ときど『世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0』を、ときど選手のファンでもない僕が読んだ理由!?

プロゲーマーのときど選手の『世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0』を買って読んだ。

 

ちなみに僕は格ゲーにおいてはウメハラ信者であるので、ときど選手はどちらかといえばあんまり好きな選手ではない。アメリカのpunk選手の方が好きだったりするくらいだ。かりん使いとしてはついついpunk選手を応援してしまうのだ。

 

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0

  • 作者:ときど
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

そもそもタイトルの胡散臭さがすごい。

 

 努力2.0!!!

 

2.0!とか、3.0!とか、すぐに言い出す奴は詐欺師の類だと常々から主張している僕からしたら噴飯もの。2.0系は2000年以降の大ヒットのバズワードだと思う。それ以前は「ニュー」「ポスト〇〇」「オルタナティブ」などが意味もなく使われてきた。

 

「ときど選手もついに…」とは思わなかったけど。「ときど選手らしいな」とは思った。悪意もなく「その方がインパクトとれそう…」と素朴な攻略として用いたっぽい雰囲気がある。そういう「目的に向かって脇目も振らず真面目に邁進する感じ」が、僕が彼を苦手にしている部分でもある。純粋な目で一生ハメてくるプレイスタイルにも通じるものがあるけど。ときど選手自身、それらは努力1.0時代のことであって、今は2.0に進化したんだと否定している。そういうのが本書の内容だ。

 

ここまで散々ときど選手をくさしてるような言い方になってしまった。べつにくさしたいわけじゃなくて印象を素直に書いていただけだ。そんな僕が本をわざわざ買って読んだ理由を疑問に思われるかもしれない。それも説明しておこう。話は簡単で、前作『東大卒プロゲーマー 理論は結局、情熱にかなわない』を買って読んで「けっこう面白かった」からだった。そしてときど選手の内面にちょっと触れたせいで、「ときどってゲーム好きで真面目で良い奴じゃん」と感情移入してしまってた自分がいたから。だから続編にあたる『努力2.0』も、なんのかんのと斜に構えつつも、発売して即買いしていた。

 

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

  • 作者:梅原 大吾
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/04/02
  • メディア: 新書
 

そもそも何で前作の『東大卒プロゲーマー~』を読んだのかといえば、ウメハラの著書『勝ち続ける意志力』『勝負論』『一日ひとつだけ、強くなる』などの一連の書籍が面白かったからだった。だったら業界ナンバー2的な立場でありポスト・ウメハラ(ポストを使ってしまった!)と目されるときど選手の著作も「一応読んでみるか」と思って買ったのだった。そしたら意外に面白く読めたし、もともと格ゲー業界の話が好きだったのもあって、新刊の『努力2.0』も買うしなないなと。

 

結論としては前作以上に無駄のない面白さで、内容の構成も洋書のように練られていて、最後までノンストップで読めるようになっている。最後にドミニカのMenaRD選手たちとのちょっと泣かせる話をもってくるあたり、まさに洋書のベストセラーとかでよくみられるスキのない手口に唸ってしまう。相当に優れた編集者が付いてるのだろうと思った。よく見たらダイヤモンド社だった。

 

努力2.0とはなんのかんのといって、ウメハラが『勝ち続ける意志力』などなどで言い続けていたことを、ときど選手なりにブラッシュアップして言語化したものだという理解で構わないと思う。ときど選手の近年の取り組みを見ている人たちが、薄々と感じていたものそのまま。ときど選手の言葉で言い直した「勝ち続ける意志力」といってしまえば元も子もないだろうか。どこまでもウメちゃんの後を愚直に追い続けるときど選手らしさがここにもある。

 

「だったらわかるよ。じゃあ読まなくても良いのかな?」と思った人は読まなくても良いとは思うけど、読んでも楽しいのは間違いない。文字数も少なめで、章立ても多く、いい感じにドライブかかっててすっと読めてしまうし。ただし、格ゲー界の裏ネタ的なものを求めると、そういうのは何もないので注意。あくまで一般向けの本だ。むしろ前の著書の方にその手の話はたくさん載っている。

 

それにしても「努力2.0」もそうだけど、「東大に受かる努力では、もう勝てない」というキャッチコピーなど、「東大卒プロゲーマー」以上のやたらめったら強い言葉を持ってきている。そういう意味でも前作を遥かに上回ってるといえる。こんなもん見せられたら「東大に受かるよりも凄いパワーを授けてくれる努力2.0!?」って誰だって気になってしまうに違いない。書籍分野でも貪欲に「勝ち」に来てるなと感じた。ときど選手はどこまでいってもウメハラになれない。「ときどオリジナル」とは、まさにその点なんだろうなと。

 

『勝ち続ける意志力』 にない切り口の本書のメッセージとしては、「惰弱な人ほど生活をルーチン化しろ!」とか、「持ち物やライフスタイルをシンプル化して、リソースを節約しろ!」「とにかく一点集中しろ!」「サイクルを早めろ!」あたりだろうか。なかなか多いやんか…。

 

脳や体力という自己のリソースの節約と一点集中は、なるほどものすごいパワーを生むのは分かっている。僕も経験はある。なかなか実行できないという一点以外は完璧なアドバイスといえる。ベッド以外は何も置いてないワンルームに住み続ける変人と言われるときど選手らしい切り口。毎日着る服をいちいち選ぶだけで膨大なリソースが奪われるというのも近年ではよく語られる理論。

 

東大に合格する努力では勝てないと銘打ちつつも、さりげに東大に合格した戦略とかも公開しているのも親切。ときど選手の人の良さも感じる。そう。この人は、基本的には裏表は無いのだろうと思う。

 

あと、ちょっとだけ格ゲーに踏み込んだアドバイスもあって、初歩である中足波動拳と、難しい中足クリティカルアーツの2つがあったとしたら、簡単な中足波動拳の方の精度を上げ続けた方が結果が出るよと。これはなかなか良い意見かもしれない。

 

ときど選手が毎年なぜ安定してカプコンプロツアーで上位にいられるかという理由。それは世界各国の大会に誰よりもたくさん参加してポイントを稼ぐようにしていると。たとえ打率が低くても、一つでも多くの試合に出たほうが、ポイントを稼げるでしょうと。そしていっぱい大会に出るほどに、大会慣れしていくからさらに有利なんですと。

 

そらそうかもしれないけど…。

 

カプコンプロツアーの創設時から問題点として散々指摘されている「いっぱい世界を回れる方が有利やん」というルール上の穴を、さわやかな笑顔で的確についてくるときど選手に「ときど式の頃となんも変わってないじゃないの!?」と唸るしかなかった。

 

ときど選手、お前がナンバー1だ!

 

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0

世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0

  • 作者:ときど
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (PHP新書)

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (PHP新書)

  • 作者:ときど
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/10/03
  • メディア: Kindle版
 
1日ひとつだけ、強くなる。

1日ひとつだけ、強くなる。

  • 作者:梅原 大吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/07/13
  • メディア: Kindle版
 
勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)

勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)

  • 作者:梅原 大吾
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/10/01
  • メディア: 新書
 

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