なか卯というと牛丼メジャーチェーンで今や最もイケてないブランドとして有名かもしれない。梅田の近辺でも、一番場所の悪いところにあるし、お客さんがたくさん入っているのもみたことがない。ひとえに味やメニューがたいしたことがないのが原因かと思う。昔はうどんの美味い牛丼屋という良い印象があったのだが…。
それでも吉野家よりはメニューのバリエーションもあるのでちょくちょく気になるものはあったりする。「でもどうせ美味しくないんでしょ…」と及び腰になって店には入らない。この時は周回遅れの牛丼のちょい呑みサービス「呑み卯」が多少気になった。どうせたいしたことがないのは分かってはいたが、バファローチキンがらあるのがちょっとだけ気になってはいたのだった。バファローチキンとは名ばかり、どうせスーパーの惣菜パックにありそうなあんかけ手羽中揚げでしょとは思うものの、一度は試してみても悪くないかなと…。
店内に入って券売機をいじってて愕然とする。バファローチキンはおろか、呑み卯とかいうサービスのメニューぜんぜん無いやん!やる気あるのか!そういうとこだぞなか卯!という気持ちになった。
店内は僕1人だけ。やっぱりそういうところが客に伝わっているのだろうか。
とりあえず税込280円の生ビールだけは飲んでいこうと思った。一番搾りなのだけは好感がもてる。そしてなかなか注ぎ方が上手かった。これは店員さんの手柄だろう。ちょっと見直したなか卯。
なんとなく、かつとじ定食にする。おかずの品目が多くておつまみに最適そうだったから。サラダのドレッシングを2種類から選ぶオプションがあったが、なんのことはない、付いてくるドレッシングの小袋が違うだけだった。自分でかけろと。なんとなく萎えるやり方。いや、かける量を調整できるのだから、サービスとしては良いのかもしれない。などと無理矢理でも気分をかえていくり。
かつ。なんのドラマ性もないかつ。惣菜パック感がすごい。そして卵とじもあんまり卵とじでもない。たいしてうまくない学食レベルのお味。そうはいっても、かつだからどうしたって美味い、みたいな。やっぱりなか卯に期待したのは間違いだったか、という気持ちになるし、なんだってなか卯なんかに来ちゃったんだろという気持ちにすらなる。こういう未来は見えていたのに。
そうはいっても不味いというわけでもなく、最低限のダシのしみたかつとしての美味さはあるので、むしゃむしゃやりながらビールをすする。そうこうしてるうちにお客さんがゾロゾロ入ってくる。さっきまでゼロだったのに!こういう経験をした人って多くないだろうか?自分が店に入った時は客ゼロだったのに、自分が飯食ってたり酒飲んでたりすると、後から客が次々と入ってきたなんて経験。自分はオトリ鮎の生まれ変わりとか、引き寄せの法則の天才か何かなのかもしれん、なんで自惚れたりすることが。でもそれはほとんどの場合、勘違いだ。だって客がゼロの店は、そのままゼロか、客が増えるかの二択しかないんだもの。マイナスになったらヤバい。自分が入店した途端に店員が逃げ出すとか。
券売機でビールをもう一杯買う。買ってカウンターに券を出す前に、店員さんがビールを注いでくれていた。ほんとここの店の店員さんビールに関しては優秀すぎるだろ。気に入った!
かつとじ定食のかつを食いながらビール飲んで、最後にめしと味噌汁でしめようとして驚いた。めしが理想的な硬めのやつで美味い!なか卯ってこんな飯が美味かったっけ?丼ものかカレーしか食ったことがなかったので知らなかった!でもたまたまかもしれん…。
1260円ほどで良い気持ちになってしまった。