福山駅さんすてのサイコキラーおにぎりで有名なもりせん。サイコキラーおにぎりがあまりにも好きすぎたので、ちょいと足を伸ばしてサイコキラー本店に行ってみたくなった。
前にも説明したが、もりせんというお店はそもそもおにぎり屋さんではない。焼豚とかソーセージなんかを製造販売しているお店だ。福山駅で乗客向けにたまたまおにぎり販売の店を出しているだけ。だから本店に行ってもおにぎりを買うということは出来ない。だったらチャーシューを買うのかと言われれば、さすがにそれもない。他もだいたい要冷蔵の品とか惣菜が多そうなので、本店に行っても旅行客だと買うものが無い可能性もある。けど、一度は行ってみたいという気持ちは抑えきれなかった。何も買えなくても看板だけでも拝んでおきたい。聖地めぐり的な感覚である。
もりせん本店は、街のあるのと反対の駅の北側方面なので、福山城を眺めながら歩いていく。こちら側はお城を見にきた以来、足を踏み入れてないのでちょうど良い散歩かもしれない。10時前からてくてく歩いていく。12月という気候も暑くなくて気持ちよい。
何もないところをてくてくと歩いていく。完全に住宅地。ほとんど昭和の風景と変わらない。
お城の北側には溜池があって、特徴的な橋がかかっていた。ここらあたりは蓮池公園と呼ばれる。かの水野勝成が作った上水らしい。それを讃える碑があった。
かつて早川上水、神田上水、福山上水で江戸三大上水と言われたらしい。そんなものが福山にあったとは。蓮池公園はその名残り。
散歩に最適だった。眼鏡橋のようなアーチ橋もあって渡れる。
白鳥まで見れる。ガーガー言っとった。
こういうのは涼しい時期の方が綺麗かも。単純な朝の散歩コースとしてオススメできる。
そこから車道をひたすら直進していくだけ。福山の駅周辺は歩道が広いので危ないことはない。
スーパーも通り過ぎて交差点を右へ。すぐに例のサイコキラーおじさんの看板が見えてきて大感動。思いの外に規模が大きな建物だった。
おにぎり屋さんにかかってるカラー版のサイコキラーおじさんだけでも興奮したのに、本店の看板には背景が付いていた!何もないところを歩いていたわけではなかったようだ!背景があることで余計に猟奇感が増してる気がする。
なんと!サイコキラーカーまで!本店は工場とセットになっていて、おそらく各店舗に対する配送用のバンだと思うが、しっかりとサイコキラーおじさんのペイントがなされていた。しかも背景付きバージョン。これだけで駅から20分くらい歩いてやってきた甲斐があったというもの。
店舗部分はそれほど広くなくて、思った通りチャーシューやソーセージや惣菜を売っているお店だった。あとは、コロッケや唐揚げや串カツの揚げる前のやつ。これを揚げたものを駅のおにぎり屋で売ってるわけだ。さすがにこれは近所の人向けの商品すぎた。
入店してすぐにお店のおばちゃんに「何かお探しのものがあればいってくださいね〜」と言われてしまう。素直に「いや〜、ちょっと見にきただけなんですよ。普段から駅のおにぎりが好きでお世話になっているので、一回本店に来てみたかったのです」と申告したら「ああ、そうなんですか〜」と案外と喜んでくれた。
それから結構いろいろともりせんの商品や店舗のことについて教えてもらった。とりあえず日持ちのしそうなものをと豚のジャーキーを買うことにした。これはたしかおにぎり屋には置いてなかったぞと。ソーセージや、ラーメンなども美味そうで気になったが、どれも要冷蔵品だし、だからといってどっかでかじるとかいうわけにはいかないので断念。とくに漫画付きラーメンは気になっていたのだが。普通に美味そうだし。いつか大阪に帰る前などに寄れたら買いたいものだ…。
他に何かないかと物色してたら肉入りちまきを勧められた。しかし冷凍ものだし…と思ってたら「ここでチンしますよ」とのこと。そしたらちまき一個お願いしようかなと。なにしろガチガチのちまきなので、けっこう時間かかるということで店内をひき続き物色。
カウンターの後ろはすぐ調理場になってるらしく、ものすごい大量の肉団子をフライパンで炒めてるのが見えた。おばちゃんが肉団子もおすすめなのよと説明してくれる。たしかにおにぎり屋さんの方でも肉団子は売られている。作ってるところを見れるとは。そしたら「試食してみる?」と言われて仰天。
まさかの出来立ての肉団子をいただいてしまった!しかも隅にテーブルと椅子が一脚だけあって、そこに座ってゆっくり。聞くところによると、ここで食べていくお客さんも結構いるとのこと。イートインという発想があまり無かったので驚く。惣菜だけ食べていくの?恐るべしだ。僕も出来立ての肉団子をハフハフ言いながら食べたが、さすがにこれは美味かった。たこ焼きみたいだ。
あと、商品棚にサイコキラーおじさん人形を見つけて大興奮。フィギュア化までされとるやん!でも残念なことに、でかい肉切り包丁は根本から折れてしまっていた。
レジにもサイコキラー!
そうなってくるとどうしても知りたくなってしまう。「サイコキラーおじさんって誰なの?」と。僕は我慢できなくなって「これ社長さんなんですか?」と尋ねてしまった。
おばちゃんが教えてくれたことによると、先代の社長が店を始めるにあたってドイツまで本格的に勉強に行ったそうで、最初はドイツ仕込みのソーセージを中心に販売してたようだ。そのときにドイツで見かけたイラストだかキャラクターが元になってるということ。けど2代目社長の風貌がわりと似てる(写真を見せてくれたがたしかにちょっとだけ似てるかも)ので、社長のイラストという説になっても間違いじゃないかもと。社長がサイコキラー号(表のバン)を運転してると、子供が「絵の人が運転してる!」と喜んでいた、などの逸話を教えて貰う。
本当に本店に来て良かった。
そうしてるうちに肉ちまきのチンが終わったので、ジャーキーと一緒にお勘定をして貰う。また来ますと言うと、お家は近いのと聞かれたので大阪から来ましたと言ったら余計に喜んでくれた。
ちなみに駅前のおにぎりは、やはりこだわりの逸品らしく、お米も広島産のをガス釜で炊いてるし海苔も言えないけどかなり良いやつだと。ベテランのおにぎりおばちゃんがいて、こだわりまくって握ってるが、今は若い人も技を習得しようと挑戦してるとか。駅でハンバーガーを買っていた人たちが、おにぎりに乗り換えたなど。なんとサイコキラーおにぎりは、ハンバーガーに勝ったおにぎりだった!
肉ちまきとジャーキーで別々の袋に入れてもらう。ダブルサイコキラーだ。非常な満足感でもってもりせん本店を出た。サイコキラーおにぎりファンは一度は来ておいた方が良い聖地なのは間違いなかった。これからクリスマスシーズンになると非常に忙しくなるらしい。チャーシューや唐揚げの需要だろうか。「良いときに来たね」と言われた。僕もそう思った。これだけ相手をしてもらえてラッキーだった。
福山駅前でチンして貰ったおにぎりを食べた。チャーシューが入っていて美味い!
サイコキラーおにぎりに関してはこちら。