新潟駅からちょっとだけ歩いたところに沼垂(ぬったり)という土地がある。古くからの寺社町かつ製紙工場が近くにある影響で、賑わってた頃もあったそうだが、今はすっかり衰退してしまっている。いわばノスタルジックな土地であって、駅から遠いのもあってあんまり観光客が近寄るところでもないのだが、行けば行ったで面白い(それについてはまた詳しく紹介したい)。そしてなによりもサウナーにも嬉しい銭湯がある。それが、さか井湯さんだ。
↓新潟浴場組合のページ
見るからにレトロな雰囲気の建物。看板にサウナとあるのでどうしたって期待してしまう。沼垂には今でも多少の飲み屋さん飲食店などもあり、そちらに飲みに行こうと思ってたが、その前にサウナで蒸されていくことにした。2月の新潟はいうても寒いので蒸される事は重要なのだ。
中にはいるとやっぱりクラシカル。今回は手持ちのタオルとか何も無かったので、番台でおばちゃんにタオルくださいと言ったら、販売で250円か何かになると。まあ良いよと思ってたら、「貸しタオルもあるよ?貸しタオルでも良かったら?」と言われたので、別に貸しタオルでもぜんぜん構わない(貸しタオルは数十円で借りれる事が多いので)と言うと、ほいっと一枚貸してくれた。それで銭湯料金420円しかとられなかった。なんと貸しタオルはタダ!もう、ととのいそうになる。
脱衣所に向かうとやはり脱衣篭が積まれていた。新潟では脱衣篭がぜんぜん現役なのかもしれない。それを無視してロッカーに荷物も着替えもぜんぶぶちこんで風呂場に向かう。浴場はそんな広くはないが、寝風呂や、熱い湯や、水風呂も完備されていた。ここは小さいながらも水風呂があるのだ。そして洗い場はやはり椅子を使わない勢の派閥がなかなか強い。そして地べた直接休憩してるおじの天国。これが新潟スタイルかと。
適当に身体を洗ったり湯船に入ったりしてから、借りたタオルで身体を良く拭いて、おもむろにサウナに入ることにした。こちらもサウナとは書いてるが、みどり湯さんの熱気浴と同じくスチームだった。3人が限度の小さいもの。下がレンガ状になってるのもそっくり。やはり50度くらいを指し示していたが、みどり湯の熱気浴よりもはるかに熱い!とくに足元のレンガ状から吹き出るスチームがすごく熱い!本当に50度だろうか。雰囲気、サウナしきじの薬草サウナくらい熱いのだけど…。ものすごい汗が吹き出る。テレビはもちろんないが、変な有線みたいなので懐メロがかかってて、ちょっとイラっとくるところもあるが、昔ながらの3分程度の一曲が終わるくらいがちょうど良いという目安にはなる。でも一曲終わるまで入ってるのもなかなか厳しいくらい効くスチームだ。
出て、カランとかで汗を流して、いざ水風呂に挑む。完全1人用の昭和っぽい設備の極小水風呂だが、水がガンガンに流れてきてていかにも冷たそう。入ってみたら十分に冷えていた。新潟の2月の水温を舐めたらあかんと思った。なんせホテルの蛇口で口をゆすぐだけで口も頭も痛くなるレベル。こちらについても夏場はどうだか分からないけど。とにかく冬場の利用は問題なかった。
やはり休憩所が無い問題にぶち当たる。そこは銭湯のセオリーとして、脱衣所を利用するなり創意工夫で乗り切る。そして再び熱々のスチームへ。これを3回ほど繰り返して余裕でととのう。肌もツヤツヤしてきた。420円でこんな楽しんでしまって良いのかと。
出るときにタオル返そうと思ったが、番台のおばちゃんが女湯側の常連客になんか言われていなくなってしまっていた。タオル入れみたいのも見つからないので(あんまり借りる人も多くないのだろう)番台にそっと置いてきた。外に出たら真っ暗になっていた。やはりライティングに風情がある。コインランドリーもいい味出してる。飲みにいく直前のサウナって本当に素晴らしい。もちろんサウナ無敵の人状態なので、寒さは微塵も感じなくなっていた。
↓みどり湯の紹介
↓銭湯話が多めの女性版のサウナ漫画。全3巻で面白い。